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スペインの最高のリゾート地イビサ島のワインと伝統料理を家庭で味わう

スペインのイビサ島をご存知ですか?イビサ島には美味しいワインがあり、世界中で人気です。日本にも輸入されていますね。今回はイビサ島について、イビサ島のワイナリー、そしてイビサの美味しいお米料理を紹介します。

イビサ島ってどんなとこ?

イビサ島はバルセロナの西側に浮かぶ島です。この辺りの島はバレアレス諸島と呼ばれ、最大の島であるマジョルカ島は、ハリウッドセレブの別荘があることでも有名。一回り小さいメノルカ島は、首都マドリードの中産階級の別荘が並び、1ヶ月〜2ヶ月の夏のバカンスを過ごします。

イビサ島はマジョルカ島の6分の1の小さな島ですが、60年代以降ヒッピーたちが好んで滞在したこと、またクラブミュージックの中心地として世界的に有名になりました。

イビサ島にあるパチャ(Pacha)は入場チェックのシステムを世界で初めてしたクラブとして有名で、私の夫も10代の頃はよく通っていました。80年ごろですがローリングストーンズのミックジャガーが頻繁に現れていたそうです。

ハウスミュージックで注目されるイビサですが、イビサにはいろいろな文化が混在します。スペインらしい白い街並みやイビサ風と呼ばれる白いワンピース、ワインや料理がいろいろです。

イビサのワイン:ワイナリーを3つ紹介

紀元前7世紀ごろにイビサ島ではフェニキア人によってワインが作られ始めました。イベリア半島の地中海沿岸のワインは、フェニキア人の影響が強いと言われます。それほどイビサ島はワインの伝統があるのです。

イビサ島では、昼食も夕食ももちろんワインと一緒ですが、それだけではなく夕食前にワインを軽く飲みながらおつまみをいただきます。

そんなイビサ島には現在、3つのワイナリーがあり、どれもレベルが高く人気です。ここではワイナリーとそれぞれの自信作を紹介します。

▶︎カン・リッチ(Can Rich)

カン・リッチワイナリーは1997年に開園した比較的新しいワイナリーです。しかし、伝統的なイビサのワインを作りたいという情熱で始められたため、新しいワイナリーですが、イビサの伝統的なワインです。

最初は17ヘクタールのぶどう農園から始めましたが、最近では自然公園内にさらに4ヘクタールを加え、有機農法で管理された質の良いぶどうを作っています。

特に赤ワインは「テンプラニーリョ」を使っており、普通の赤ワインより軽やかな味わいで人気です。和食にも意外と合う赤ワインで、筑前煮など煮物と一緒に。

月曜日から金曜日の10:00~14:00の間に、971 803 377に電話をしてワイナリーを見学することも可能です。

▶︎カン・マイモ(Can Maymo)

カン・マイモ・ワイナリーは、イビサ島の北にあるサン・マテウ村で1995年に開園した家族経営のワイナリーです。カン・マイモもオーガニックワインをメインに作っています。カン・リッチとは異なりしっかりした赤ワインが人気です。

その中でもおすすめは、ティント・メロー(Tinto Merlot)。濃い味わいを持つメロー種を使い、濃厚ですが渋みや酸味が少ない飲みやすいワインです。

971 805 100、または629 969 004に電話をするとガイド付きワイナリー見学が可能です。

▶︎イビスクス(Ibizkus)

イビスクス・ワイナリーは2007年にトーテム・ワイン(Totem Wines)として設立し、現在40ヘクタールのぶどう園をもつイビサ島で最大の輸出量をもつワイナリーです。

最初は、わずか数ヘクタールの農園でムールヴェードルのみを栽培し「イビズクス」と「トーテム」と名付けられた赤ワインからスタートしました。

現在は、ムールヴェードルのコクのある赤ワインが代表的なワインです。同様に、マルヴァジーアをイビサで改良したマルヴァジーア・イビセンカを利用した白ワインも人気です。

ワイナリーにはテイスティングルームが設置され、夜10時半までオープンしています。

イビサ島の伝統的な米料理:アロス・デ・マタンセス(Arròs de matances)

スペインではご存知のようにお米をよく食べます。スペインといえばパエリアといわれるくらいですが、パエリアはスペインの南西部にあるバレンシア料理です。

パエリア以外にもお米料理は各地にあります。今回紹介するイビサ島のお米料理は、豚を屠殺したときに作って食べる料理です。島では牛を育てるだけのスペースがありません。そのため、豚やヤギを中心に育てます。

伝統的に豚を処理する場合は、家族親戚一同が集まります。そして、ソーセージを作る作業をしたり、ご馳走を作ったりして楽しみます。

スペインの豚肉は赤身がしっかり赤く、切り身を見るだけでは牛肉と見分けがつかないほどです。アロス・デ・マタンセスはそんな豚肉を利用したリゾットタイプのお米料理です。

▼材料(4人分)
肉類…500g(小さく切ったスペアリブ200g、細切れ100g、鶏肉200gなど)
きのこ類…100g
インゲン…100g
玉ねぎ…小1個
トマト…小1個
オリーブオイル…50cc
米…200g
鶏ガラスープ…1.2リットル
ニンニク…1〜2片
イタリアンパセリ…少々
胡椒…2粒または2振り
サフラン…2本

▼作り方
パエリア鍋で作るのが普通ですが、フライパンでも大丈夫です。20〜22cmのフライパンを使ってください。

① 肉類を炒め、みじん切りにしたきのこ、トマト、玉ねぎを加えさらに炒めます。

② すり鉢にニンニク、イタリアンパセリ、胡椒、サフランを入れてよく混ぜます。

③ ②を加え一混ぜしてスープとインゲンを加えて、さらに数分煮ます。

④ そこに米を加え、弱火にして火が通るまで煮て完成です。

*スペアリブは小さく切ってもらうことが理想ですが、もしそういうサービスのないお肉やさんならそのままでも大丈夫です。

*鶏がらスープは、チキンコンソメを溶かしたモノでもOKです。

*きのこ類は、カルドンチェッロ茸のような野生のきのこですが、マッシュルームを使うことも。日本ではエノキなど香りが柔らかなタイプがおすすめです。

*②ですり鉢と書きましたが、スペインではモルテロと呼ばれるすり鉢のような器具を使います。大理石でできており、手作業で作られます。

イビサ島のワインでリゾート気分

イビサ島のワインと食文化を紹介しました。

イビサ島はハウスミュージックなどパーティーがある島というイメージもありますが、同時に伝統的な食や文化がたくさん残っています。その上美味しいワインも!

イビサ島のワイナリー、カン・リッチ、カン・マイモ、イビスクスと伝統料理アロス・デ・マタンセスをぜひトライしてくださいね。

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吉原 久美子

スペイン在住20年で現在アンダルシア在住。
アンダルシアにて調理師免許を取得し、スペイン中を歩き回っています。
クラシック音楽とワインを楽しむ毎日。 吉原 久美子の記事一覧 

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