ペアリングワイン

3種類のソース別で考える!お手軽パスタレシピとワインペアリング

みなさんはおうちでどんなパスタを作りますか?

ペペロンチーノ、トマトソース、クリームパスタ...。

パスタって気分や食べる人によって色々と具材やソースに応用がきくから、普段のお食事でも重宝しますよね。

でも、パスタと一緒にワインペアリングを楽しみたいときに、どんなタイプのワインを選ぼうか悩んだりしませんか?

そんなお悩みを解決するために、今回はパスタのソース別に、合わせるワインのポイントとおすすめのお手軽パスタのレシピをご紹介します。

是非この記事を読んで、「おうちパスタでワインペアリング」を楽しんでくださいね!

オイルベースのソースパスタとワインペアリング!

まずは、オイルベースのパスタです。基本的な考え方としては、色を合わせるのが一番アプローチしやすいのではないでしょうか?

この場合だと、白ワインをチョイスするのをおすすめします。樽を使っていない、フレッシュさや爽やかさのあるワインが良いと思います。

その基本的な考え方をベースに、仕上げや具材にもひと手間加えてみましょう。いくつか例を挙げてみます。

◆パスタの仕上げにハーブを散らし、ワインもハーブの香りがするものを選ぶ。

◆レモンの皮をすり下ろしたものを加え、ワインも冷涼地のきりっとしたものを選ぶ。

◆お肉を使ったオイルベースのパスタなら、温暖産地のボリューム感のあるものを選ぶ。

以上のようなポイントを抑えることで、ワインとパスタの相性もぐっと良くなりますよ!

では、今回僕が作ったパスタはこちらになります。

【カジキマグロとルッコラのスパゲッティ香草パン粉添え】

▼材料(2人前)
スパゲッティ……140g
オリーブ油……30g
カジキマグロ……60g
ニンニク……2片
鷹の爪……1本
ルッコラ……3~4本
パン粉……20g
イタリアンパセリ……2枝
レモン皮……1/2個分
白ワイン……20cc
塩……適量

▼作り方
①カジキマグロは1センチ角のサイコロ状にカット、ルッコラはざく切り、イタリアンパセリはみじん切り、レモンの皮はすり下ろしておく。

②香草パン粉を作る。フライパンにオリーブ油(別量)を入れ、ニンニク1片をみじん切りにしたものを入れて香りを出す。そこへパン粉とイタリアンパセリを入れてカリカリになるまで炒める。塩で味を整えてキッチンペーパーの上に広げて冷ます。

③別のフライパンにオリーブオイルと潰したニンニク1片、鷹の爪を入れ、中火にかけて香りを出す。

④カジキマグロを入れて炒める。塩をして、火が通ったら白ワインを振ってアルコールを飛ばす。

⑤茹でたスパゲッティを入れ、レモンの皮とルッコラを加えて和える。

⑥皿に盛り、香草パン粉を振って出来上がり。

パスタが完成したところで、このパスタに合うワインを考えてみました。

▶︎インツォリア バリオ ディ ピアネット

こちらのワインは、イタリアのシチリア州で造られています。オーナーは、フェラーリ元F1ドライバーのパオロ・マルツォット氏で、1998年に創設された比較的新しいワイナリーです。

標高600mを超える冷涼な畑で育ったブドウから造られたワインは、しっかりとした酸とミネラルが特徴。

成熟したライムやグレープフルーツの様な、ほろ苦さを感じさせる果実味と軽快な酸のバランスが良い、溌溂とした飲み口です。

このパスタの心地よい塩味とカジキマグロのうま味を、ワインの酸味がぐっと引き立ててくれます。

また、香草パン粉やルッコラのハーブ香もまた、インツォリアのグリーンなイメージとマッチするでしょう。

シチリアの海の風を感じられる、ワインペアリングです!

生産国:イタリア
産地:シチリア
生産者:バリオ・ディ・ピアネット
品種:インツォリア100%
タイプ:辛口
内容量:750ml

トマトベースのソースパスタとワインペアリング!

次はトマトソースですね。トマトソースも基本は色を合わせて赤ワインをチョイスすることをお勧めします。

ただ、こちらのペアリングの場合も、使う具材やトマトソースの「重さ」に合わせてワインを選ぶとよいでしょう。

例として次のようなイメージです。

◆牛肉のラグーなど、しっかり煮込んだものはフルボディの赤。

◆白身肉やベーコンなどを使い、野菜の甘みとトマトの酸味を生かしたものはミディアムボディ。

◆魚介や野菜を使って、軽く仕上げたものは淡い色の赤ワインかロゼを。

ポイントは、以上のようなパスタとワインの「重さ」を合わせる点です。

簡単に言えば、そのパスタの食べ応えがしっかりしているのか、あっさりしているのかですね。

トマトソースを作る際にもこれを意識して、しっかり長時間煮込むのか、フレッシュのトマトを使ってさっと火を通すのかで調整するとワインとの相性も良くなります。

僕が作ったパスタはこちらになります。

【アマトリーチェ風スパゲッティ(アマトリチャーナ)】

▼材料(2人前)
スパゲッティ……140g
オリーブ油……30g
ベーコン……60g
玉葱……1/4個
トマトダイスカット缶……200g
塩……適量
黒コショウ……適量
粉チーズ……適量
ニンニク……1片

▼作り方
①ベーコンは拍子木切り、玉葱は5ミリ幅の縦スライスにしておく。

②フライパンにオリーブオイルを入れ、中火でベーコンを入れて炒める。しっかりと香りが出て焼き色がついたらニンニクを潰し入れて香りを出す。

③玉葱を入れてさらに炒める。しんなりしたらトマト缶を入れ、しっかりと煮込んで酸味を飛ばす。トマトソースがオレンジ色になるくらいまでしっかりと煮込み、オイルとトマトを乳化させる。塩と黒胡椒で味を整える。

④茹でたスパゲッティを入れて和える。

⑤皿に盛ってチーズを好みで振りかけて出来上がり。

そして、このパスタにおすすめのワインはこちらになります。

▶︎リカーゾリキアンティ

キアンティの基礎を作り上げたベッティーノ・リカーゾリ伯爵。その彼を祖先に持つ、900年近い歴史を持つワイナリーがバローネ・リカーゾリです。

長い歴史の中で受け継がれてきた技術と知識から生み出されるワインは、安定した品質で高い評価を維持し続けています。

濃いルビー色のワインからエレガントに香るスミレやブラックチェリー。しなやかな酸味とほど良いタンニンが心地よく、そのバランスの良さに十分な満足感を得られます。

ベーコンのうま味と玉葱の甘みにワインの酸味が軽快さを与え、また、心地よいタンニンがベーコンの脂で乳化したトマトソースと結びつき、滑らかな舌触りとなって快い余韻へとつながるでしょう。

イタリア中部の内陸地帯では、こうしたワインペアリングが遥か昔から楽しまれていたのでしょうね。

生産国:イタリア
産地:トスカーナ
生産者:バローネ・リカゾーリ
品種:サンジョヴェーゼ100%
タイプ:辛口
内容量:750ml

クリームベースのソースパスタとワインペアリング!

最後はクリームベースのパスタです。こちらもまずは色を合わせましょう。

そして、そのクリーミーな味わいに合わせて、樽を使った発酵や熟成をしたふくよかなワインを選ぶと良いですね。

それでは、クリームパスタを作る際のポイントをご紹介したいと思います。

◆ソースの主体をクリームにするのではなく、魚介や肉を使った出汁やブイヨンをベースに、ほんの少しの量のクリームでコクを足すイメージで。軽さを意識しましょう。

◆ソースの仕上げにクリームを入れたら、あまり火を入れすぎないようにしましょう。そうしないと生クリームが分離し始めて、風味や舌触りが悪いソースになってしまいます。

◆あまり濃度をつけすぎないのも大事です。煮詰めたりしてソースがモッタリしすぎてしまうと、口内をマスキングしてしまい、合わせるワインの風味を十分に楽しめません。

僕が作ったパスタはこちらになります。

【アンチョビ・キャベツ・ポテトのクリームパスタ】

▼材料(2人前)
スパゲッティ……140g
オリーブ油……30g
アンチョビ……3フィレ
ニンニク……1片
キャベツ……1/8個
じゃがいも……中1個
生クリーム……20g
バジル……2枚
チキンブイヨン……70cc
塩……適量

▼作り方
①ニンニクはみじん切り、キャベツは短冊切り、バジルは粗みじん切り、ジャガイモは2センチ角ほどに切る。

②フライパンにオリーブ油・ニンニク・アンチョビを入れ、中火にかけ炒める。アンチョビ、ニンニクの香りが出たらキャベツを入れる。

③キャベツがしんなりしたらブイヨンを注ぎ、ジャガイモを加える。弱火にして少し煮詰める。全体が馴染んだら生クリームを入れて火を止める。

④茹でたスパゲッティとバジルを入れて和える。

⑤皿に盛って出来上がり。

このパスタにおすすめのワインは、、、

▶︎マンチーニ・プリモ ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ

イタリアのサルディーニャ島の銘醸地ガッルーラ。ピエロ・マンチーニは、ガッルーラのブドウ畑の9割近くを所有するワイナリーとして知られています。

ここで造られるワインの特徴は、透明感のある酸と、エッジの効いたミネラル感。また、一部オーク樽での発酵を経たワインをブレンドすることで、ハーブやクリームの香りがかすかに加わり、味わいに複雑性を持たせています。

アンチョビの凝縮されたうま味とクリームのまろやかさが特徴のこのパスタ。一緒にこのワインを合わせることで、クリームパスタに輪郭を与え味わいがくっきりと感じられるでしょう。

アンチョビのコクや塩味、野菜のうま味、ワインのハーブ感、爽やかな酸味など、幾層にも重なり合った香りや味わいの調和が楽しめるワインペアリングですね。

生産国:イタリア
産地:サルデーニャ
生産者:ピエロ・マンチーニ
品種:ヴェルメンティーノ100%
タイプ:辛口
内容量:750ml

いかがでしたでしょうか?普段のおうちパスタとワインペアリングをご紹介いたしましたが、これ以外にも幾通りの楽しみ方があると思います。

是非みなさんも色々とお試しになってくださいね。

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Tomoaki Sugawara

料理人
JSA認定ソムリエ

横浜で20年以上、料理人としての研鑽を積む。ソムリエ資格も持ち、料理人目線でのペアリング、ソムリエ目線でのペアリング、それぞれの視点から、料理とワインの最良の相性を追及し、メニュー作成に取り入れている。
リピーターゲストに直接自らが作った料理をサーヴし、相性の良いワインを勧める事も。好きなものは、料理(イタリアメイン)・お酒全般 (特にワインとシングルモルト)・バー・トレイルランニング・西洋画(ゴッホ・ロートレック)・花・読書(夏目漱石・江戸川乱歩・京極夏彦) Tomoaki Sugawaraの記事一覧 

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