ペアリングワイン

スペインワインの当たり年は?年代による違いを知ってワインを選ぼう!

ワインは蒸留酒とは異なり、できた年によって味わいに差があります。同じ種類のワインを飲み比べるのも楽しいです。

あまり有名ではない銘柄のワインも地域の当たり年を知っておくと、サプライズがあるかもしれません。

ワインの当たり年って何?

ワインの味を左右するのは、原材料のぶどうの良し悪しにかかっています。つまり美味しいぶどうができたかどうかがまず第一の条件です。

スペインは、ヨーロッパの中でも特に日照時間が長く、甘いぶどうができるエリアです。発酵するためにぶどうに砂糖を加えないことをとても誇りにしています。そのため、他のエリアよりも天候の影響を受けやすくなります。

ぶどうのクオリティが高くなる最適な条件は、春から秋にかけて雨が少ない、つまり日照時間が長いことがおいしいぶどうができる条件です。そのため、ワインの産地ごとに当たり年は当然異なってしまいます。

カタルーニャ地方のカバ、アンダルシアの西にあるへレス・デ・ラ・フロンテーラを中心に作られるシェリー酒など、それぞれの産地によって当たり年があります。もっと細かく言えばワイナリーによってもある程度異なるため、これは自分で飲んでみるまで分からないとも言えます。それがまたワインの楽しみでもありますが…

あまり当たり年に左右されないシェリー酒

実はほとんど当たり年がなく、ほぼ同じクオリティで安心できるワインがシェリー酒です。シェリー酒は、ご存知の方も多いですが、スペイン南西部のへレス・デ・ラ・フロンテーラを中心に造られているため、天候が安定しているためです。このエリアは比較的年間降水量は多いのですが、ぶどうが生育する時期は乾季にあたり、ほとんど雨が降りません。

また、他のワインと異なるのが酒精強化ワインで、醸造する過程でブランディーなど酒精を加えています。コルクを抜いた後もしばらく楽しめるタイプのワインで安定していることも一つの原因でしょう。また、地元が当たり年に興味があまりなく、記録はほとんど残っていないようです。

当たり年よりもぶどうの種類やワイナリー、マンサニーリャなどのシェリー酒の種類で選びます。しかし、それでも絶対的に他の年よりおいしいシェリー酒を飲みたい場合は「2013年」がおすすめだと地元の方にお聞きしました。

歴史のあるリオハワイン

スペインワインの主産地として有名なリオハワイン。最近は少し生産量が減っています。それはクオリティを高めることを主眼としているため、1984年以降はほとんどが良質認定を受けています。

もちろんそれ以前の古いワインもおすすめ。1934年、1948年、1952年、1958年、1964年、1982年のリオハワインは歴史に残る最高ワインです。1952年のBerberanaなどはたまにレストランでも出会えます。

その他のワイン当たり年

D.Oリアスバイシャス:ガリシアのワインの当たり年は2004年から2008年と2016年。

D.Oルエダ:カスティリャ・ラ・マンチャはマドリードに隣接した内部気候。どの年もおいしいのですが特に2011年は最高です。

D.Oトロ:同じくカスティリャ・ラ・マンチャ地方。ルエダ同様に2001年が最高。その他、2002年から2005年、2008年から2011年がおすすめです。

ヌーヴォーワインってないの?

秋にフランスワインの話題になると注目されるボージョレ・ヌーボー。ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais nouveau)は、フランスのボージョレ地区でガメイ種から造られ、11月の第三木曜日に解禁となる新酒のワインです。

同じワインなら、リオハワイン版、リオハ・ヌエバ(ヌーヴォーのスペイン語)なるものはないのでしょうか?

スペインでは、各地のその年に造られたワインは、ビノ・ホベン(若いワイン)と呼ばれて売っています。ボージョレ・ヌーヴォーのような特別感はなく、まだ熟成が十分ではないため、アルコール度が低く飲みやすいため、女性に人気です。

その上、一般のワインは樽に入れた状態でしばらく熟成するため、保管などに場所や人件費がかかりますが、ビノ・ホベンはすぐに瓶詰めされて売られるため、そのような余計な出費がないという理由からかなり安く売られています。

熟成された樽の香りがあるワインに比べ、物足りなさがあるというのがスペインでの評価です。しかし、気軽に飲めるのでスペインにいらしたら購入してみてはいかがでしょうか。最近では、フルーティな香りがあり、レセルバのワインとは別のものとして評価されるようになりました。

当たり年はワインの産地によって異なる

当たり年を知っているとちょっとかっこ良いかなと思う人も多いですが、やっぱり自分が飲んでおいしいワインが最高のワインです。いろいろなワインを試して楽しみましょう。

ビノ・ホベンはスペインではワンランク下という扱いですが、有名ブランドのワインも試せるため、スペインにいらしたらトライしてみてはいかがでしょうか。

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吉原 久美子

スペイン在住20年で現在アンダルシア在住。
アンダルシアにて調理師免許を取得し、スペイン中を歩き回っています。
クラシック音楽とワインを楽しむ毎日。 吉原 久美子の記事一覧 

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