ペアリングワイン

ご当地食材とワインのペアリング〜青森編〜

日本の食とワインを支える

国内の様々な産業を支えていくために私たちにできること。それは、今までよりも、より日本のものを楽しむこと。日本には美味しい食産物が沢山あります。そしてワインも。それらを守るためにも、積極的に日本産を楽しんでみませんか?

今回は、青森のご当地食材と青森ワインのペアリングを提案させていただきます。

青森のワイン

青森はアメリカのニューヨークと同緯度の北緯41度前後で、気候に適応したニューヨーク生まれのブドウ品種が広く栽培されています。

青森といえばりんごのイメージが強いですが、実はブドウも生産量が多く、県南地方や津軽地方にて盛んに栽培が行われています。県の中央に奥羽山脈があり、地域によって気候が大きく変わるため、栽培されているブドウ品種も違います。

県南地方では、キャンベル・アーリーの生産が多く、津軽地方では、青森が生産量1位を誇るスチューベンの栽培が盛んです。糖度が高く貯蔵性に優れているため『津軽の冬ぶどう』とも呼ばれています。主に生食用の栽培ですが、ワイン用ブドウとしても栽培されています。

そして、特筆すべきが本州最北の下北半島に位置するサンマモルワイナリーの下北ワインです。青森県特別栽培農産物認証のブドウを使用し、化学肥料や除草剤を使用せず、ヤマセが吹き果樹が育たないとされていた下北半島で、土壌改良から取り組み、冷涼な気候を生かしたエレガントな酸とピュアな果実味のある素晴らしいワインを造っています。

パイカ煮込み

パイカ煮込みは、豚バラ肉のまわりにあるコラーゲンたっぷり豚軟骨周辺のお肉の煮物のことです。

パイカは豚1頭から500gほどしか取れない希少なお肉で、通常は豚バラ肉のブロックを切った後に捨てられることが多かったところ、捨てるのがもったいないので煮込みにして生かすことを三沢市畜産公社が考案しました。

今や三沢を代表するご当地グルメとして大人気です。こちらは三沢市の人気居酒屋『彩喰楽酒 だい天』パイカの赤ワイン煮込みとトマト煮込みの2種類の詰め合わせです。

合わせるワインは、ランブルスコならぬナンブルスコがおすすめです。

▶︎澤内醸造 ナンブルスコ・ドライ

三戸郡南部町で栽培されたキャンベル・アーリーを使用した赤のスパークリングワインです。イタリアの有名な赤のスパークリングワインであるランブルスコと同じように、甘口〜辛口とあり、こちらは辛口のタイプです。ナンブルスコという遊び心溢れるワイン名もいいですね。

クランベリー、イチジク、柘榴の赤いフルーツに、ほんのりヨーグルトの爽やかな香り、コクが豊かで溢れる果実味に、フレッシュな酸と繊細な泡立ちがフレッシュで軽快な印象を与えます。

キャンベル・アーリーの豊かな果実味が印象的です。この果実味とトマトソースの甘味、フレッシュな酸が味わいを旨味を引き立てます。コクが豊かで赤ワインソースにも負けずに寄り添えるので、本当に上質な辛口のランブルスコのように楽しめます。

* 原産国: 日本
* 産地:青森
* 品種: キャンベル・アーリー
* 生産者:澤内醸造
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750mℓ

青森シャモロック〜和の焼肉〜

1980年に誕生した青森シャモロックは、黄斑シャモとプリマスロックの交雑種です。きめ細かく引き締まった肉質に、旨味成分イノシン酸が豊富に含まれています。

この和の焼肉セットは、西京漬け、しょう油こうじ、塩こうじでそれぞれ味付けされた3種類のセットです。

合わせるワインは、津軽産のシャルドネがおすすめです。

▶︎サントリー ジャパンプレミアム津軽産シャルドネ

冷涼な気候の津軽地区で、垣根栽培で育てられたシャルドネをシュール・リーの状態で熟成させ、甘みや、旨味を引き出した白ワインです。

津軽の名産品である熟度の高いリンゴや、フレッシュオレンジ、リンゴの花や蜜、鉱物的なミネラルの香り、ピュアで優しい甘さを感じる果実味、フレッシュでまろやかな酸が広がり、中盤から後半にかけてはややドライで爽やかな印象です。

熟したリンゴのような優しい甘さが特徴的で、この甘さが発酵調味料やシャモロックの旨味をより引き出します。ぜひお試しください。

* 原産国: 日本
* 産地:青森
* 品種: シャルドネ
* 生産者:サントリー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750mℓ

いか寿し桜

いか寿し桜は下北半島で獲れてボイルした真イカに、甘酢の効いたキャベツやニンジンの漬物とゲソをびっしり詰め込んだ青森名産の郷土料理です。

合わせるワインは、青森が1位の生産を誇るスチューベンのワインがおすすめです。

▶︎サンマモルワイナリー 青森ホワイトスチューベン

本州最北端に位置する下北半島のサンマモルワイナリー。ヤマセが吹き果樹が育たないとされていた下北半島で、土壌改良から取り組み高品質なワインを世に送り出しています。

まるで日本酒か焼酎が入っていそうな一升瓶ワインで、毎日の晩酌用にもおすすめです。グレープフルーツ、青リンゴ、マスカット、ミント、白い花や蜜の香り、豊かな果実味に、スッキリとしたキレのある酸味がしなやかに広がり、スルスルと飲めてしまいます。

青森を代表するブドウ品種スチューベンの白ワインです。花の蜜を連想させる甘やかな香りが甘酢と大変よくマッチします。

そして、青森のスチューベンの特徴として、甘やかな香りがありつつもスッキリとしているので、海産物との相性が良いです。是非合わせてお楽しみください。

* 原産国: 日本
* 産地:青森
* 品種: スチューベン
* 生産者:サンマモルワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:1.8ℓ

大間産本まぐろ使用ねぎとろ

大間まぐろといえば最高級マグロブランドで、別名黒いダイヤとしても知られています。

噛むほどに旨味が押し寄せる味わい豊かな赤身に、甘い脂が舌の上でとろける贅沢なねぎとろと合うワインは、下北半島のピノ・ノワールです。

▶︎サンマモルワイナリー Ryo Selection下北ワイン・ピノ・ノワール

下北半島の冷涼な気候は、フランスのブルゴーニュ地方の気候と似ていて、良質なピノ・ノワールが育ちます。

すり潰したワイルドストロベリー、ダークチェリー、カシスの芽、鉄釘、豊かな果実味に、フレッシュな酸、キメの細かいタンニンでシルキーな印象のミディアムボディの赤ワインです。日本でここまでレベルの高いピノ・ノワールはなかなかありません。

ワインを合わせることで、ワインの鉄の風味と赤身の風味、ネギとワインのカシスの芽のような香りがよくマッチし、シルキーなテクスチャーのワインと、ねぎとろのとろけるテクスチャーが一体となり互いの旨味を高める見事なペアリングが味わえます。

* 原産国: 日本
* 産地:青森
* 品種: ピノ・ノワール
* 生産者:サンマモルワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:720mℓ

青森に想いを馳せて、ワインペアリングをお楽しみいただけると幸いです。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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