ペアリングワイン

ご当地食材とワインのペアリング〜北海道編〜

日本の食とワインを支える

国内の様々な産業を支えていくために私たちにできること。それは、今までよりも、より日本のものを楽しむこと。

日本には美味しい食産物が沢山あります。そしてワインも。それらを守るためにも、積極的に日本産を楽しんでみませんか?

今回は、北海道のご当地食材と北海道ワインのペアリングを提案させていただきます。

北海道のワイン

北海道は北緯42度から45度に位置していて、ブドウ栽培の気候区分では、リージョン1にあたります。これは、フランスのシャンパーニュ、アルザスなどの銘醸地が同区分です。

夏の湿度が低く、昼夜の寒暖差が大きいという特徴があり、湿度が低いので、病害にかかりにくく、垣根式での仕立てが可能です。昼夜の寒暖差のおかげで、ブドウに良質な酸ができる環境で、ブドウ栽培に適しています。

北海道は、ヨーロッパ系のブドウ品種の日本一の生産地です。そして珍しい地ブドウもあり、沢山の高品質ワインが存在します。

ムラサキウニ

北海道利尻で水揚げされた名産のムラサキウニ

濃厚な甘さでとろけるような食感が特徴で、塩水漬けになっています。食べると驚くほど甘く濃厚で、口の中ですぐに溶けて無くなります。

相性の良いワインは、ゲヴェルツトラミネールの白ワインがおすすめです。

▶︎鶴沼ゲヴェルツ・トラミネール

北海道産のムラサキウニに合わせておすすめなのが、同じく北海道を代表するワイナリーである北海道ワイン株式会社の鶴沼ワイナリーのゲヴェルツ・トラミネールです。この鶴沼では、アルザス地方の高貴品種が根付いていて、高く評価されています。

ライチ、グレープフルーツの砂糖漬け、リンゴの花の蜜のアロマティックな香り、優しい甘さと、フレッシュな酸があり、グレープフルーツの果皮を彷彿とさせる心地よい苦味が余韻に感じられます。ウニの甘さをより引き出してくれる最高のコンビです。

* 原産国:日本
* 産地:北海道
* 品種:ゲヴェルツ・トラミネール
* 生産者:北海道ワイン株式会社
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:720ml

白いトウモロコシ『ホワイトショコラ』

北海道産の白いトウモロコシ『ホワイトショコラ』は、黄色いトウモロコシよりも圧倒的に糖度が高くものによっては糖度19度もあり、桃やパイナップルよりも高い場合があります。そのままでも、加熱しても、冷やしても美味しく食べることが出来ます。

相性の良いワインは、北海道のマスカットを使った白ワインです。

▶︎鶴沼ミュスカ

ホワイトショコラと合わせるのは、上記で紹介の北海道ワイン株式会社鶴沼ワイナリーのミュスカの白ワインです。

やや甘口に仕立て、マスカット、オレンジ、バラの芳しい香りと繊細な味わいが特徴のミュスカとホワイトショコラの甘さのレベルが合うので、より風味豊かに楽しむことが出来ます。

* 原産国:日本
* 産地:北海道
* 品種:ミュスカ
* 生産者:北海道ワイン株式会社
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:720ml

毛ガニ

北海道の極寒の海で育った毛ガニは身がプリプリです。

未冷凍の状態で届けてくれるので、新鮮な毛ガニの美味しさを楽しむことができます。そのまま刺身で食べても最高ですし、ボイルにしても楽しめます。

身に旨味がありながらも繊細でプリプリとした食感を生かすのに、きめ細やかな泡立ちで、繊細さと旨味を持ち合わせたケルナーの微発泡性の白ワインがおすすめです。

▶︎スゴン・ヴァン・ブラン・テール・ド・ヨイチ

元はソムリエで、シャトーマルゴーなどフランスの銘醸地で修行した平川さんのワインです。

フレッシュレモン、青リンゴ、白桃のコンポート、青草、百合の花の芳しく爽やかな香り、きめ細やかな泡立ちが繊細さと若々しさを感じさせ、ピュアな果実味、しなやかな酸味が伸びやかに余韻まで続きます。

平川ワイナリーのワインは本当にレベルが高く、ブルゴーニュの銘醸地のワインを彷彿とさせるエレガントさがあります。毛ガニの良さを存分に引き立てるゴールデンコンビです。

* 原産国:日本
* 産地:北海道
* 品種:ケルナー
* 生産者:平川ワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

ホタテ貝

北海道の海で水揚げされたホタテ貝は、プリプリの食感で、豊富なプランクトンを食べて育つので旨味が濃くて、大きいのが特徴です。こちらは、鮮度が良いので生のまま召し上がれます。

生のホタテと相性が良いのは、トロッとした質感で、ホタテの食感と良く合い、甘さを引き立てるやや甘さのある白メルロがおすすめです。

▶︎奥尻ワイナリー 白メルロ

奥尻ワイナリーは、北海道南西部の日本海に浮かぶ周囲約84kmの小さな島奥尻島に所在します。海と緑が溢れる自然環境の中で、ワインの原料となるブドウを自社畑で栽培しています。

奥尻ワインにミネラル分が多く含まれているのは、潮風が海の恵みを運んでくれたからです。余韻の潮の香りから、奥尻島のテロワールが感じられます。このワインは、通常は赤ワインになる黒ブドウ品種メルロから造られた珍しい白ワインです。

グレープフルーツや白桃、さくらんぼの香り、とてもフルーティーで、優しい甘さと、フレッシュな酸と、塩味のあるミネラルがしっかりと感じさせる辛口白ワインです。

ワインから感じ取れる海の風味も海産物であるホタテと良くマッチしてより風味を豊かに感じさせます。

* 原産国:日本
* 産地:北海道奥尻島
* 品種:メルロ
* 生産者:奥尻ワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ジンギスカン

北海道を代表する郷土料理。北海道の方は普通に自宅でジンギスカンを食べるそうです。お家でジンギスカンにチャレンジしてみませんか?

こちらはタレに漬け込んであるタイプなので、タレの甘やかな風味にあう果実感のあるもので、野趣のある香りや、ボディのしっかりした赤ワインが良く合います。同じく北海道のツヴァイゲルトの赤ワインがおすすめです。

▶︎余市ハーベスト・ツヴァイゲルト・スペシャルキュヴェ

北海道のワインで初めて香港インターナショナルワイン&スピリッツコンペディションにて、ベスト日本ワイン金賞を受賞したワインです。完熟のヴァイゲルトを手収穫し、厳しく選果し、醸造した限定キュヴェです。

ツヴァイゲルト特有の磨り潰したワイルドストロベリー、胡椒、鉄の香り、豊かで凝縮した果実味にフレッシュな酸、穏やかなタンニンが特徴です。

タレに漬け込んだジンギスカンのタレの甘い風味と同調し、鉄の香りと赤身肉の血の香りも合い臭みが出ずに旨味を引き立たせます。

* 原産国:日本
* 産地:北海道
* 品種:ツヴァイゲルト * 生産者:北海道ワイン株式会社
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

極旨スパイシースープカレー

北海道発祥の料理といえばスープカレー!ネット販売で大人気の極旨スパイシースープカレーと、フルーティーな地ブドウ『旅路』の果実味やほろ苦味と溌剌とした酸味がスープカレーの味わいをより奥深くします。

▶︎TAKIZAWAワイン 旅路 スパークリング・ロゼ

タキザワワイナリーは北海道三笠市のワイナリーです。北海道の固有品種『旅路』を使って野生酵母による発酵をした自然なワイン造りをしています。

旅路は、北海道小樽市塩谷で発見されたブドウ品種です。小樽市塩谷が舞台の朝の連続テレビドラマにちなんで名付けられました。現在北海道での栽培面積は少なく、希少なブドウ品種です。

薄濁りの淡いサーモンピンクの色合いで、レモンやグレープフルーツなどの柑橘の香りやイチゴ、アプリコットのフルーティーな香り、爽やかなハッカや、華やかなバラの香りも感じられます。

繊細な泡立ちで、味わいは優しい果実味があり、レモンの酸味を想わせる溌剌とした酸に伴って、柑橘系果皮のような心地よい苦味が伸びやかに余韻へと繋がります。

辛口仕立てではありながら、旅路にはフルーティーな果実味に独特なコクがありスープカレーの旨味に負けずしっかりと寄り添い、ハッカやバラの香りが良いアクセントになります。

* 原産国:日本
* 産地:北海道
* 品種:旅路
* 生産者:タキザワワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

北海道は他にも沢山のご当地食材や、料理があるので紹介しきれませんが、その土地のもの同士を合わせて、北海道に想いを馳せて旅行気分を味わうのも楽しいかもしれません。

楽しいワインライフをお過ごし下さい。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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