ペアリングワイン

こだわりがいっぱい!世界のユニークなビオワイン

ビオワインの生産者には、独自のこだわりを持った生産者が多くみられます。

土壌造りからぶどうの栽培、醸造まで一般的な概念にとらわれず独自の哲学を持ち、ユニークなワインを造っています。また、エチケット(ラベル)も非常に個性的で楽しいです。

そんなユニークな世界のビオワインを3つ紹介したいと思います。

フランスの元ミュージシャンが造る酸っぱ〜いワイン

1つ目は、ワイン大国フランスのロワール地方のビオワイン「Boisson vivante (ボワッソン ヴィヴァン)」です。

生産者のフランソワ・ブランシャールは、元ミュージシャンで野菜や穀物をビオロジックで栽培し、自給自足生活をおくっています。 ワインの他にも自身で栽培した麦芽でビールも造っています。

このワインの特徴は、品種はロワール地方で一般的なソーヴィニヨン・ブラン100%ですが、味わいはびっくりするほど個性的です。

ワイン名「Boisson vivante」は、「生きた飲み物」という意味で、その名の通り、酵母が生きており開けたてはシュワッとする微発砲ワインです。

口に含んだ際には、芳醇な杏のような果実系の甘みがあり、バリックと呼ばれる小さな樽で醸造されているためコクもあります。これだけでは終わりません!次にくる、お酢のような酸っぱさがこのワインの醍醐味となります。

一般的にお酢のような酸味は、ワインの品質としては、あまり良いものとして考えられてはいません。ところが、このワインの酸っぱさは、クセになるなんともいえない味わいなのです。泡が抜けた後もまた違った味わいとなり、2日、3日後の変化も楽しめます。

ボトルの栓は王冠が使用されており、ビールのように栓抜きで簡単に開けられます。エチケットも非常にユニークです。

オーストラリアの世界中で注目を浴びる革新的な新世代ワイン!

2つ目は、南オーストラリアアデレード「Lucy Margaux Wildman Blan (ルーシー・マルゴー ワイルドマン ブラン)」です。

生産者は、元シェフからワイン醸造家に転身したアントン・ファン・クロッパーです。アントンのワイン造りは非常にシンプルで、機械にはたよらず、自分での感覚でワインの声を聞き状態を判断します。

また一切の添加物を加えない、「ありのまま」を大切にしています。その為、毎年味が変わるののも楽しみの1つです。

品種は、1つ目に紹介した「ボワッソン・ヴィヴァン」と同様、ソーヴィニヨン・ブラン100%ですが、外観も味わいも全く違います。

一般的には、木樽やステンレスタンクで醸造されることが多いのですが、このワインはセラミック製の珍しい卵型をしたエッグタンクで醸造されています。そうすることで非常にコクのあるワインとなっています。

また、スキンコンタクトと呼ばれる、ぶどうの皮と一緒につけこむ方法で長期間熟成されるため、色も濃くアンバー色になっています。色味からも想像できるように、ガシッとしたタンニンが感じられ、開けたてより少し時間をおいた方が味わいに深みが出ます。

コルクではなく、さとうきびの栓を使い、「No SO2(酸化防止剤不使用)」と記されているのも面白いですね。また、エチケットが、和紙のような紙質でのり付けも薄く破れやすいのも特徴で、ここにも自然なこだわりを感じてしまいます。

とにかく全てが型破りなため、新世代ワインとして注目されています。

宇宙のリズムを取り入れた?ドイツのスピリチュアルなワイン?

3つ目は、ビオディナミ農法で栽培されたぶどうで造られた「Okologisches Weingut Schmitt Riesling(エコロギッシェス ヴァイングート シュミット リースリング)」です。

ドイツ語なのでなんとも難しい名前ですが、「エコロジーワイナリー シュミット家が造るリースリング(品種)」という意味です。

ドイツの有名なワイン生産地ラインヘッセン地方で若い夫婦ダニエルとビアンカが、ビオディナミ農法を用いたその名の通りエコロジーな生産者です。

ビオディナミとは、化学的な肥料や農薬を使わず自然農法や有機農法であることはもちろん、月の満ち欠けなど宇宙のリズムにあわせた農法のことを指し、スピリチュアルな農法ともいわれています。

農場全体を1つの生命体系と考えることで、土壌のエネルギーを高め良いワインができるとされています。さらに、シュミット家のワインは、ドイツでは珍しくラインヘッセンでは初の、アンフォラ(壺)を使って造られています。

アンフォラとは、ワイン発祥の国ともいわれるジョージアで紀元前からの製法で使われている熟成をするための壺のことを指します。 アンフォラを使うことでぶどう本来の旨みや個性がワインに表れ、丸みをおびた味わいとなります。

はちみつを思わせる香りにトロっとした質感で、味わいは、しっかりしたきれいな酸があり、上質なドイツのリースリングらしさ、かつ旨みがたっぷりのナチュラル感も感じられます。エチケットもドイツでは珍しい自由なデザインで、奥様のビアンカが描いているそうです。

こちらの夫婦が造るロゼワインも試しましたが、出汁のような旨みがあり、やみつきになるワインです。

いかがでしたか?まだまだ世界にはいろんなユニークなビオワインがたくさんあります。

エチケットのデザインや、ワインのネーミングに、生産者の思いが詰まっていることもよくあります。

ビオワインを飲みながら、エチケットをながめていると、生産者からのメッセージが伝わってきます。また、どんな国のどんなところで造られたのか地図を見ながら飲むのも、世界を旅したような気分になり楽しいです。

是非、皆様も試してみてください。

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時本 早緒里

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
365日違うワインを呑むをモットーに、自然派ワインを毎日嗜んでいます。
造り手さんの思いや製造工程に興味があり、人と地球に優しいワインを大切にその良さを伝えるワインセミナーを不定期で開催しています。
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