フランスにある自然派ワインの聖地とは？

by 時本早緒里

フランスはワイン大国であることは有名ですが、自然派ワインについても高品質なものが多く生産されています。

一般的に高級なワインで有名な産地とは違い、カジュアルなワインの産地として知られている地域に自然派ワインの生産者が多い傾向にあります。

近年、自然派ワインの聖地と話題になっている県もあり、エシカルで美味しい自然派ワインの人気がさらに高まっています。

今回はフランスの自然派ワインの銘醸地とおすすめの生産者の一本を紹介したいと思います。

ビオディナミの先駆者がイメージを変えたロワール地方

ロワール地方は元々安価なワインを大量につくっていた地域ですが、ビオディナミの先駆者といわれているニコラ・ジョリーのドメーヌがあり、多くの自然派ワインの生産者がワイン造りをはじめました。また、規制が厳しくなく、ぶどうの品種が豊富だったことも功を成して今までとは違うユニークなワインにチェレンジすることができたため、自然派ワインが盛んになりました。

レ・ザネ・フォル・ロゼは、ピノドニスというロワールの固有品種の黒ぶどうで造られた自然派ワインです。造り手は、パリの伝説のワインバーといわれる「ランジュ・ヴァン」のオーナー、ジャン・ピエール・ロビノです。

ロビノ氏は、自然派ワインをパリで初めて紹介した人物で、自分の育った故郷ロワールでワインつくりたいと帰郷し1999年から自然派ワイン造りに着手しました。

注いだときの色がなんともいえない、淡いピンクがかったオレンジの美しい微発泡ワインです。香りも複雑かつ心地のよい優しさがあり、ずっと嗅いでいたい癒される香りの感動の1本です。

気候が自然ワインを後押ししたラングドック=ルーション地方

ラングドック=ルーション地方は、南フランスマルセイユからスペインの国境にある地域です。ロワール地方と同様に、元々安価なワインを大量に生産している地域で高級ワインの銘醸地ではありません。

しかしながら、温暖で乾燥した地域であるため、虫や霜による害を受けにくいため、農薬などをあまり使用しなくても、ぶどうが栽培しやすい特徴があります。そのため、自然な方法でのワインつくりに適しており、フランスで最もも自然派ワインの生産が盛んな地域となっております。赤・白・ロゼと様々なタイプのワインが造られており、品種も様々です。

「クリストフ・ペイリュス」は、販売されると即完売するという、ドメーヌ、クロ・マリの生産者です。ラングドックの最高峰区画というわれるピク・サン・ルーで自分のワインつくりをはじめました。シャープな酸の赤ワインで洗練されたエレガントな赤ワインで、今までの南フランスのイメージを覆されます。品種は、シラー80%、グルナッシュ20%のブレンドです。