ペアリングワイン

ワインと中華のペアリング!回鍋肉×1000円台の赤ワイン

「中華が食べたいな」と思って、中華料理店に入ります。

回鍋肉を注文するとき、あなたは、どんなお酒を合わせますか?

今回は、回鍋肉とワインのペアリングについてお話します。

そもそも回鍋肉って?

回鍋肉(ホイコーロー)は、中国の料理人で有名な陳建民さんが日本に広めた中華料理で、麻婆豆腐や棒々鶏と並ぶ四川料理のひとつ。

豚バラ肉をゆで、スライスし、キャベツ、ピーマン、ショウガなどの野菜と一緒に炒め、甜麺醤(テンメンジャン)、豆板醤(トウバンジャン)、豆鼓(トウチー)などの中国の調味料で味付けします。

豚バラ肉は、豚の腹部のあばら骨の肉なので、脂肪分が多い部位。甘味があって、ボリューミーですが、食べると、口の中がこってりします。

中国の調味料は、あまり馴染みがないかもしれませんが、スーパーに行くと、棚にずらりと並んでいます。

甜麺醤は、黒っぽい甘味の強いみそ。
豆板醤は、真っ赤な辛みのあるトウガラシみそ。
豆鼓は、大豆の塩漬けを発酵させたもの。
回鍋肉は、甘味と辛味が強く、コクのある料理です。

ホールスタッフの人が来ました。回鍋肉を注文します。
お酒は…。

1000円台のメルロー主体の赤ワインをチョイスする!

ワインリストを開きます。スパークリングワイン、白ワイン、ロゼワイン、赤ワイン。その中から1000円台のメルロー主体の赤ワインをチョイスします。
といっても、お店では4500~6000円くらいのボトルになります。

メルローは、フランスのボルドー地方の赤ワイン用の黒ブドウ。 ボルドー地方では、メルローのほか、カベルネソーヴィニヨンやカベルネフランなどの黒ブドウを栽培しています。

これらのブドウをブレンドし、赤ワインをつくります。メルロー主体とは、ブレンドするブドウ品種のうち、メルローの比率が特に高いということです。

メルローといえば、ポムロール地区の偉大な赤ワイン「シャトー・ペトリュス」が有名ですよね。1本50万円の高級ワイン。味わいも力強く、コクのあるフルボディ。憧れのワインです。

ワインリストに戻って、ボトル5000円くらいまでのメルローの赤ワインを注文しましょう。もちろん、グラスでもO.Kです。

ベリー系の香り、果実の甘味、穏やかな酸味、軽い渋み、樽が焦げたようなアフターフレーバー…。メルローのファンになるかもしれません。

料理とワインのマリアージュ

マリアージュはフランス語。日本語では結婚という意味です。料理とワインのマリアージュの場合、まず、料理の味わいとワインの味わいを同調させることを考えます。味わいが同じであれば、最高のカップルになれます。

では、マリアージュの方法は味わいの同調だけなのでしょうか?いいえ。今回は、味わいの同調以外に、料理とワインを同格にする、料理の色とワインの色を合わせる、脂肪分の多い肉料理に油脂成分をまろやかにする効果のある赤ワインを合わせる、といった方法もプラスしたマリアージュです。

回鍋肉×1000円台のメルロー主体の赤ワイン

料理とワインがテーブルの上にそろいました。回鍋肉と1000円台のメルロー主体の赤ワインです。マリアージュは、成功するのでしょうか。「いただきます」。

回鍋肉を見ると、豚バラ肉と野菜が少し黒みを帯びています。食べると、甘辛く、濃厚な味わい。ピーマンは苦みがありますね。豚バラ肉の脂肪は口に残ります。

次に、1000円台のメルロー主体の赤ワインを手に取ります。料理とワインは、価格的に同格でしょうか。ワインが1000円台なので、同格です。

料理とワインの色はどうでしょう。よく似ています。味わいはどうでしょう。口に含んで飲むと、回鍋肉の甜麺醤の甘味とワインの果実の甘味が同調します。

赤ワインのブレンドにカベルネフランが使ってあれば、ピーマンの苦みとカベルネフランのピーマン香がハーモニーを奏で、相性はぐっと高まります。

あれれ。口の中に残った豚バラ肉のべっとり感がサッとなくなりました。

オススメしたい1000円台のメルロー主体の赤ワイン

最後に、1000円台のメルロー主体の赤ワインをご紹介します。

まず、「シャトー・ペトリュス」を育てたワイン商ジャン・ピエール・ムエックス社の「レ・ヴァンダンジュ」。「ヴァンダンジュ」は、ブドウの収穫という意味で、このワインは、ブドウの収穫をしてくれたスタッフに振る舞うのだとか…。メルローを主体にカベルネフランがブレンドされています。

次は、チリのワインです。モンテスS.A.社の「モンテス・クラシック・シリーズ・メルロー」。手でひねって開けられるスクリューキャップです。メルローとカルムネールのブレンド。カルムネールは、チリで栽培されている黒ブドウです。

オススメをもう1本。ニュージーランドのシレーニ・エステート社の「セラー・セレクション・メルロー」。メルロー100%で、こちらもスクリューキャップなので、あっという間に栓が開きます。

ぜひ、一度、ペアリングしてみてください。

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高階 明子

フリーライターとして活動中。
日本ソムリエ連盟のソムリエ資格、チーズコーディネーター協会のチーズコーディネーター資格をもっています。
ワインショップでソムリエをした経験もあります。
大のワイン好き!夫と二人暮らし。
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