麻婆豆腐にワイン？意外な美味しいペアリング術

by 進藤えりか

中華料理でお馴染みの麻婆豆腐、ご家庭で召し上がる方も多いのでないでしょうか。6月に入り気温とともに湿度も上がり、いよいよ梅雨間近、ムシムシしたこんな日にはピリッと刺激的な麻婆豆腐が食べたくなりますよね。

唐辛子や山椒、豆板醤など舌が痺れるようなスパイスを多く使い、旨味がとても強いため、果たしてワインと合うのか？と疑問にもたれるかもしれません。実際に中華レストランで勤務していた際、多くのお客様からご質問がありました。

私自身、麻婆豆腐といえばビールやハイボール派だったので、それに勝てるワインがあるのかと、かなり長い時間研究しました。そして、ちょっとしたポイントで麻婆豆腐が何倍にも美味しく感じるペアリング術を見付けました。

という事で、今回は麻婆豆腐に合わせて楽しんで頂きたいおすすめワインを紹介させて頂きます！
【スパークリングワイン】【白ワイン】【赤ワイン】と種類ごとに分けて紹介させて頂きますので、その時の気分でぜひ試してみてくださいね。

スパークリングワインの場合

スパークリングワインの場合、辛口過ぎると麻婆豆腐のスパイスと発泡の刺激により辛さが増して感じてしまうかもしれません。ですので、ワインを選ぶ際には少しフルーティーなものか、ロゼのスパークリングを選ぶと相性が良いでしょう。私のおすすめはこちらです。スペインのスパークリングワインブランドフレシネ社がつくるロゼワイン。フルーティーながらも心地よい酸味があり、麻婆豆腐の辛さとの相性は抜群に良いです。コンビニやスーパーで気分に買え、ハーフボトルで販売している事が多いのも嬉しいところです。

白ワインの場合

アロマティック品種と呼ばれるブドウの個性がしっかり分かる品種(ソーヴィニョン・ブラン、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、ヴィオニエ等)を選んで頂きたいのですが、中でもゲヴュルツトラミネールと麻婆豆腐の組み合わせは間違いないでしょう。

ライチやトロピカルフルーツ、ほのかにスパイスの香りがするとても特徴的なブドウです。麻婆豆腐の辛さを華やかな果実味で包み込んだと思ったら最後はゲヴュルツ特融のスパイシーな味わいでキレイに口の中でまとまります。

ちなみに豆知識ですが「ゲヴュルツ」とはドイツ語で「スパイス」という意味なのですよ。エスニック料理やカレーと合わせるのがメジャーですが麻婆豆腐とのペアリングも最高です。コノスルのゲヴュルツトラミネールがコストパフォーマンスが高くおすすめですが、より辛口ワインで楽しみたい場合はトリンバックのゲヴュルツトラミネールをぜひ合わせて下さい。

赤ワインの場合

赤ワインと合わせる場合は、カベルネ・ソーヴィニョンなどのタンニンがしっかりしたタイプや樽香ムンムンタイプは避けた方がよいでしょう。

刺激的な辛さとワインのタンニンや樽香が口の中で完全に分かれてしまい、麻婆豆腐は麻婆豆腐として美味しく、ワインはワイン単体で美味しいのですがペアリングとしてはどうも成り立たない気がします。

シラーやシラーズのエネルギッシュな感じとスパイシーなところも相性としては悪くないのですが、私はここでチリのピノ・ノワールをおすすめします。

フランスの少し上品で複雑なピノ・ノワールより、チリならではの凝縮されたイチゴやチェリーの果実味と穏やかな酸味、主張し過ぎないタンニンがなんとも辛い麻婆豆腐と絶妙に合います。

カジュアルにお手頃価格で楽しめるコノスルシリーズやアルパカのピノ・ノワールで充分美味しく楽しめるので赤ワインを合わせたい時にはぜひ試してみて下さい。

あとは日本のマスカット・ベーリーAという品種をご存じでしょうか？独特の甘いキャンディ香に穏やかなタンニン、最後に少しスパイシーさも感じられるブドウ品種なのですが、勤め先の中華レストランにて麻婆豆腐と合わせた時の女性支持率がとても高かったように思います。「そもそも辛い料理があまり得意ではない」って方はこのワインをぜひ合わせて飲んでほしいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。辛い！旨い！な麻婆豆腐もちょっとしたコツでワインと最高にマリアージュします。

◆スパークリングワインにはフルーティーなロゼワインを！
◆白ワインにはアロマティックなゲヴュルツトラミネールを！
◆赤ワインにはチリのピノ・ノワールを！

お店やご家庭で麻婆豆腐を召し上がる際はぜひこちらを参考にペアリングを楽しんでみてくださいね。