ペアリングワイン

中華点心はパスタ料理?点心に合うイタリアワイン

イタリア料理といえばパスタ料理を一番に思い浮かべる人も多いでしょう。

パスタ=麺類だと思われがちですが、「パスタ」の意味するところは「小麦を捏ねて作ったもの」。麺の形でなくてもパスタと呼びます。

例えば、シート状にしたパスタを挽肉などと重ねた「ラザニア」や薄く伸ばしたパスタで具を包んだ「ラビオリ」などもパスタ料理の一種です。

つまり、点心も中国版パスタ料理と言っても差し支えないのでは?ということは、点心とイタリアワインは好相性なのでは?というのが今回の趣旨です。

細かい点心の定義は割愛させて頂きますが、餃子や焼売を筆頭に、日本でも馴染みの深い中国料理ですね。もはや日本食と言ってもいいぐらい、私たちの生活に溶け込んでいます。

今日は、中華点心とイタリアワインのおすすめをご紹介します。お家でのペアリングのご参考に、ぜひ最後までご覧ください!

小籠包はゲヴュルツと

小籠包は上海が起源の小さな肉まん。専門店では必ずレンゲとソースと薬味が付いてきます。

レンゲに乗せたらプスッとお箸で穴をあけ、まずはスープを一口。続いて、黒酢ベースのソースと薬味の生姜を乗せて小籠包本体を頂きましょう。

ジューシーな肉だねと皮のほのかな甘味。はふはふしながら、火傷に気をつけて召し上がってください。

【おすすめのペアリングワイン】

▶︎プレポージトゥス ゲヴュルツトラミネール アバツィア・ディ・ノヴァチェッラ

濃い色の柑橘と蜂蜜のような甘味、ふわっと白バラの香る修道院仕込みの白ワインです。

黒酢の柔らかい酸味がワインの上質な甘さを引き立ててくれます。

「スパイス」という意味のゲヴュルツは刻んだ生姜とも良い相性です。

焼餃子だったらあっちのサンジョヴェーゼ

焼餃子は実は中国では主流ではないそうですね。餃子といえば水餃子のことで、残り物を焼いて食べたのが始まりだとか。

ですので、厳密には点心としてご紹介するのは間違いかもしれませんが、皆さん(私も含めて)好きだと思うので見逃してください。

付けるタレにも人それぞれこだわりがあることでしょう。私はお酢にコショウが好きです。

コショウは黒胡椒と白胡椒がブレンドされて細挽きのテーブルコショウがお気に入りです。

今回のワインに合わせるときにはタレにバルサミコを加えると、より相性が良くなりますよ。

【おすすめのペアリングワイン】

▶︎アヴィ・サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ

こちらのワインは、ラヴィオリなどの包みパスタの故郷、ロマーニャ地方のサンジョヴェーゼ。トスカーナの同品種と比べ、柔らかい果実味が特徴で、タンニンも強すぎないのが良いです。

アヴィは新樽で熟成させていますから、この木樽由来の香りが、焼き目の香ばしさとマッチします。

海老焼売にはソアヴェ

横浜名物のシウマイ弁当の焼売には、冷めても美味しいようにホタテの貝柱を練り込んでいます。

日本で一番売れているこのお弁当、1日で2万個以上も売り上げるんですって。

豚ひき肉入りが中国でもポピュラーだそうですが、地方によっては牛肉や羊や大根を使ったりもするのだとか。エビやアワビなどの海鮮を入れたものも美味しいですよね。

【おすすめのペアリングワイン】

▶︎ソアーヴェ・クラッシコ レ・ビーネ・ディ・コスティオーラ タメリーニ

プリプリの海老焼売に合わせるなら、こちらの白ワインがおすすめです。

ヴェネツィアから西へ向かう、ヴェローナ近郊で生まれるソアヴェです。山のワインながら、しばしば魚介と合わせて愉しまれます。

地域でも選りすぐりの畑で、兄弟が丁寧に育てたガルガネガ種。生き生きとしたフルーツの旨味とミネラル感が心地よく、すっきりと、でも余韻の長い素晴らしい白ワインです。

胡麻団子とアスティ

最後はデザートの甜点心をご紹介。胡麻団子は漢の時代にルーツをもつ、歴史あるスイーツ。中国では芝麻球(チーマーチュウ)と呼ばれています。

生地の白玉には甘味が加えられていて、出来立ての熱々でも冷めても美味しいですね。

合わせるワインは、甘口のスパークリングワインがおすすめです。アスティは、イタリア三大スプマンテのひとつでもあります。

【おすすめのペアリングワイン】

▶︎アスティ スプマンテ NV フォンタナフレッダ

トリノのあるピエモンテ州は北イタリアの銘醸地。こちらは高級ワイン「バローロ」の生産者としても名高い、フォンタナフレッダの甘口スプマンテです。

すっきりした余韻の爽やかな甘口をハーフサイズで食後に。胡麻の香ばしさと餡子のこっくりとした甘さをマスカットのような柔らかい甘味で持ち上げてくれます。

近頃、町中華でワインを置くお店が増えてきています。生まれた土地は遠く離れていても、共通点を探して組み合わせるのもワインの楽しみの一つですよね。

広い大陸の中国に負けず劣らず、イタリアも多様な個性が共存する国ですので、点心以外にも、中国料理と合わせて意外なペアリングがありそうです。

皆さんもぜひ、色々と新しい組合せを探してみて下さいね!

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村上 潤

株式会社クインディ 代表取締役/winetango公式ワインディレクター

都内や地元横浜のインポーター、レストランなどで研鑽を積み、2013年イタリア全土の数々のワイナリーを巡る旅へ。
各所のワインイベントに精力的に参加。自然体でワインと暮らす人々との出会いをきっかけに複雑に見えるワインを楽しさと共にシンプルに伝える事を目指す。
帰国し「ヴィノテカ・サクラ」で店長兼シェフソムリエとしての通算9年の勤務を終えた後、対面接客で伝えてきたワインの楽しみ方をより多くの⼈に伝えていくためワイン通販システム「winetango」を始動。2021年、飲食店の総合支援を目的とした株式会社クインディ設立。 村上 潤の記事一覧 

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