中華に合うワイン!たった1つのキーワードでグッドペアリング
お家で中華料理を楽しむ日のワイン選びは、どのようにしていますか?ペアリングを楽しむときに、餃子にはこれ、青椒肉絲にはこのタイプと1つ1つ組み合わせていたら、家計はとんでもないことになりますよね。
今回はおうちで中華とワインのペアリングを楽しめる、汎用性の高い1本を選ぶコツをご紹介します。
押さえておきたいのはたった1つ
私がおうちで中華料理を作る日のワイン選びのポイントとして意識しているのは、「同調」と「マスキング」。
料理とワインとで共通する「香り」や「味わい」を探り、共通項の多いワインを選んでいく「同調」と、
辛味などの刺激を和らげて(マスクして)くれるタイプを選ぶ「マスキング」の方法です。
特に押さえておきたいのは前者「同調」。1+1が3やそれ以上になるから覚えておくと,とても重宝します。逆に「補間」の法則(無い味わいを補う方法)は、今回は置いておきます。なぜなら中華には山椒のように「痺れ」を感じるスパイスや、「辛味」を感じる香辛料があるからです。
この「痺れ」や「辛味」は人によって感じ方も大きく変わってきますから、ワイン選びに悩んでしまうんです。例えばパワフルなタンニン(渋味)を持ったワインと合わせると、より「痺れ」や「辛味」が強調されて、口の中で味わいのバランスが崩れてしまうことがあります。ワイン選びとしては少し玄人向きです。
最低限知っておきたいミックススパイス「五香粉」
同じ香りや味わいを選ぶときにポイントにしているのは、中華料理に多く見られるスパイスです。
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「八角/スターチス」「シナモン」「クミン」「胡椒」など
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これらのスパイスの香りを持ち合わせたワインを選ぶと簡単にペアリングが成立します。逆を言えば、これらの香りが料理に入っていれば、ワイン選びが容易になるということですよね。
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「五香粉」(ウーシャンフェン)
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ご存じの方も多いかと思いますが、中国の代表的なミックススパイスです。その名のとおり5つのスパイスが混合されていてその組み合わせはメーカーによって色々です。主に使われているのは先にあげた「シナモン」「クミン」「八角/スターチス」をはじめ「クローブ」「甘草」などです。
「五香粉」(ウーシャンフェン)の使い方は簡単。例えば「餃子」を作るときには、タネを少し混ぜたり、「青椒肉絲」を作るときは牛肉を炒めるときに少しふりかけたりするだけで、グッと家庭料理がアップグレードします。
どのタイプを選べば間違いない?
では、そのようなスパイスの香りを持ち合わせたワインとは、どんなタイプになるのでしょうか。選ぶコツがあれば知りたいですよね。
Q、「やっぱり辛口の白ワインですか?」
Q、「赤ワインが好きなので赤で合わせたいんですけどタンニンとは合いませんか?」
といった色のタイプで知りたい方のためにシンプルに、この4タイプをまずお伝えしたいと思います。
「オレンジワイン」
「アロマティックな白ワイン」
「色が濃い目のロゼワイン」
「エキゾチックな赤ワイン」です。
「アロマティック」?、「エキゾチックな赤ワイン」って何?ますます分からないですよね。具体的にご紹介していきます。
タイプ別!中華に合うおすすめワイン
①「オレンジワイン」
クヴェヴリと呼ばれる土の樽(カメのようなもの)の中で発酵、熟成させたワインでジョージアの伝統的なワインの製造方法です。今では世界中でこのクヴェヴリを使ったワインが作られています。
タイプはアンバーワイン(いわゆるオレンジワイン)です。白ブドウ品種・ルカツィテリを皮ごと使い、旨味やコクを出しています。その少し個性的な製法からワインにオリエンタルなスパイスのニュアンスが出て、中華料理と非常に馴染みます。
*原産国:ジョージア
*産地 :カヘティ
*タイプ:オレンジ
*生産者:Orgo / オルゴ
*味わい:辛口・旨味・コクあり
*品種:ルカツィテリ
②「アロマティックな白ワイン」
フランスのアルザスで作られる白ワイン。ゲヴュルツトラミネールという品種はアロマティックな香りが特徴的です。
このクラインクネヒトの作るゲヴェルツトラミネールは天然酵母を使用しナチュラルな造りに仕上がっています。そのためワインからはナチュールらしい甘草や八角のような香りもとれます。
スパイシーな香辛料とも相性が良いですよ。私は「空心菜炒め」と合わせるのが好きです。
*原産国:フランス
*産地 :アルザス
*タイプ:白
*生産者:Kleinknecht / クラインクネヒト
*味わい:やや辛口・旨味・アロマティック
*品種:ゲヴュルツトラミネール
③「色が濃い目のロゼワイン」
南フランスのローヌにあるタヴェルで作られるロゼはジューシーな果実味はもちろん、ドライハーブのようなニュアンスを感じることができます。
更にしっかりとした骨格をもち、控えめなタンニンも持ち合わせたこのタイプのロゼは、中華料理の五香粉のように、複雑な香りをまとった料理とのバランスもとりやすいんです。
*原産国:フランス
*産地 :コート・デュ・ローヌ > タヴェル
*タイプ:ロゼ
*生産者:E.Guigal / ギガル
*味わい:辛口・果実味・旨味
*品種:グルナッシュ、サンソー、シラー
④「エキゾチックな赤ワイン」
▶︎モンジャール・ミュニュレ マルベック キュヴェ”M” ヴァン・ド・フランス【MM】
マルベックという品種は南フランスや、南米アルゼンチンなどが有名ですが、ブルゴーニュの畑で作られるのは少し珍しいので今回ご紹介しました。
ワイナリーのモンジャール・ミュニュレはブルゴーニュでの歴史は長く、世界的にも有名で安心・安定の素晴らしいワインをつくるドメーヌ。そこが作るマルベックは品種の風味をいかしつつも非常にエレガントです。
果実由来の甘味が、少し刺激的な中華料理(例えば、回鍋肉など)とよく合います。土地由来なのかタンニンはマルベックにしては控えめで、「辛味」「痺れ」のある料理の個性を消すことなく、バランスをとってくれますよ。
*原産国:フランス
*産地 :ブルゴーニュ
*タイプ:赤
*生産者:モンジャール・ミュニュレ
*味わい:辛口・ミディアムボディ
*品種:マルベック
まとめ
ビールや紹興酒ももちろん良いペアリングが楽しめますが、ワイン好きならやはり大好きなワインとペアリングを楽しみたいものです。
コツをつかんで上手にワイン選びが出来たら、「お家中華」がもっと楽しくなりますよね。是非皆様の参考になれば嬉しいです。
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Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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