ペアリングワイン

ECO先進国ニュージーランドが誇るおすすめ自然派ワイン3選

ECO推進国ニュージーランドの現状

2020年7月1日より、日本でもレジ袋の有料化が始まったりと世界的に広まるECO推進ですが、ここニュージーランドでは、日本との違いに驚くほどECOが日常に根付いたECO先進国と言えるでしょう。

まず、ニュージーランドでは2018年にプラスティック袋の廃止が決められ、現在ではレジ袋以外でも生活に関わるプラスティック製品の削減を肌身をもって感じます。

レジ袋はまず街で見かけることはありませんし、ストローやお弁当のお持ち帰り容器なども紙素材で出来たものが一般的に普及しています。

そして、家庭内では100%とは言えませんがラップは出来るだけ使わない、その代替えにシリコンコンテ―ナーやビーワックスから作られたフードカバー(蜂蜜を固めて生地に馴染ませたものでラップの代用品)など繰り返し使えるものを取り入れる、歯ブラシも竹から作られたものなど使用するなど、出来る限りプラスティックを削減するという意識が日常の一部となっています。

また、オーガニックショップに限らず普通のスーパーマーケット、サタデーマーケットなどでも無農薬野菜や果物を多く目にします。

サスティナブル農法で造られるニュージーランドワイン

こういった環境に対する配慮はワイン造りにも影響しています。最近では、日本でも耳にする機会が増えてきた「サスティナブル」という言葉。

単純に和訳をすると「持続可能な」という意味ですが「サスティナブルな社会を目指す」や「サスティナブルな生活」などと使われるこの言葉の意味合いは「地球環境を壊さず、今後未来もこの地球を守る為にできる私たちが起こす行動」と言えるでしょう。

皆さんご存知でしょうか?実はワインの原料、ブドウ栽培を始め農業が地球環境に及ぼす影響というのは非常に大きいと考えられています。

その例としてまず、作物を作るために元々あった自然を取り壊す可能性があり、その作物を育てる為に農薬を使う可能性があります。

そして、その農薬によって元々あった自然・生き物を排除する可能性があり、その作物を収穫するのには重機が必要で、その重機を動かす為にはCO2が排出されます。

こういったように、私たちが一本のワインを飲む為に自然に与える影響というのが多かれ少なからずあるということが現実なのです。その現実を踏まえたうえで、できる限り自然に優しい方法でワイン造りをする。というのが「サスティナブル農法」です。

ニュージーランドでは、1997年に世界のワイン産業においても初めてとなる「サスティナブル農法」についての機関Sustainable Winegrowing NZ(SWNZ)を発足しました。SWNZでは主に水、廃棄物、害虫駆除、気候変動、人々のカテゴリーに分け地球に優しい農業をする為の項目が厳しくルール化されています。ニュージーランドではこのSWNZに加入しているワイナリーを含め、数多くのワイナリーができる限り自然環境に負担を与えないワイン造りを目指しています。

自然派ワインには、上記でお話したように自然を傷つけないよう取り組みをしながら造られる「オーガニックワイン」や月の満ち欠けなど自然の流れに由来してワイン造りを行う「ビオデナミ法」などいくつかカテゴライズされていますが、今回はニュージーランドで「サスティナブル農法に基づいて造られている」おススメワインを3本ご紹介します。

厳選!ニュージーランド自然派ワイン3選
1)BABY DOLL Pinot Noir Yealand

Yealandワイナリーはサスティナブルなワイン生産はもちろんのこと、「カーボン・ゼロ」を目標に掲げ二酸化炭素・一酸化炭素の排出をゼロにする取り組みを行っています。

ワイナリーの周りには太陽光・風力発電を設立し元々その地に根付く古来種を20万本以上植樹するなど自然環境に配慮した取り組みを行っています。

また、このワインの名前でもある「BABY DOLL」とはヴィンヤードに暮らす「小さな羊たち」を意味しこの羊たちが雑草を食すことで除草頻度が減り、オーガニックなワインに造りに繋がっているのです。

▶︎BABY DOLL Pinot Noir Yealand

*ワイナリー:イェーランド
*産地:マールボロ
*ブドウ品種:ピノ・ノワール
*アルコール度:13.5%
*容量:750mℓ
*味わい:よく熟した赤い果実、そして口の中に含むと心地よいタンニンを感じられます。フレンチオークからくるトースト香も混ざり合い余韻まで十分に楽しむことができます。

2)Flying Sheep Sangiovese

日本でのファンも多い日本人醸造家、大沢泰造さんが手掛ける「大沢ワイン」。そのフラッグシップワインでもある「Flying Sheep」。元々牧羊地であった地を開拓しヴィンヤードにされたことから羊さんたちへの敬意も込められてつけられた名前だそうです。

大沢さんご自身が海外でワイン造りをすると決意された際に「安全で美味しいワイン造りは、最高のぶどうを作ることから始まる」という信念を持ち数々の産地を巡った中で、自然環境に優しく美しい国ということでニュージーランドを選ばれたそうです。

この思いはワイン造りにももちろん反映されていて厳しいSWNZの基準をクリアしFlying Sheepを造られています。エチケットにも「Flying sheep(飛ぶ羊)」が描かれていて誰かに教えたくなるそんなワインです。

▶︎Flying Sheep Sangiovese

*ワイナリー:大沢ワイン
*産地:ホークスベイ
*ブドウ品種:サンジョベーゼ
*アルコール度:14.5%
*容量:750mℓ
*味わい:ニュージーランドでは大変珍しいイタリア原産品種であるサンジョベーゼで造られたワイン。ブラックカラントや熟したプラムなどの果実味が口の中に広がり、タンニンと果実味とのバランスが非常に良く取れた一本です。

3)Richmond Plains Blanc de Noir

リッチモンドワイナリーは農薬や除草剤を一切使わず、またブドウ造りから醸造まで月の満ち欠けに基づきワイン造りをする「ビオデナミ法」で造られるワインです。

2008年にニュージーランドでは初めてビオデナミ認証を受けるなどニュージーランドのオーガニックワインのパイオニア的存在です。

自然由来のワイン造りを行う一方で、伝統に囚われすぎることなくブラン・ド・ノワールなど革新的なワイン造りも行うワイナリーです。

International wine competitionでベストワインに輝くなど世界でも高い評価を受けているワイナリーですが、実際にお会いしたオーナーのLarsさんは全くおごることのない人柄で「良いワインを作りたい」という一心でワイン造りをされています。

正直、あまりオーガニックワインに関心がなかった私の考えを180度変えてくださった方です。

▶︎Richmond Plains Blanc de Noir

*ワイナリー:リッチモンド
*産地:ネルソン
*ブドウ品種:ピノ・ノワール
*アルコール度:13%
*容量:750mℓ
*味わい:ピノ・ノワールから造られる白ワイン「ブラン・ド・ノワール」です。レモンピールなどの爽やかなシトラス系のアロマの中に熟れたネクタリンなど少しボリューム感のある果実身が加わります。

まとめ

日本ではあまり環境問題を日常的に考える機会がまだまだ少なく、「ECO」や「オーガニック」というとなぜかセレブや海外に影響された一部の人達が推奨している話と思われてしまいがちなのですが、これは地球の外れのどこかの国で起こっている話ではなく、日本も含め地球全体で起こっている現実です。

次回ワインを選ぶときに、ワインを一杯飲むときに、一人でも多くの人が「今日は自然派のワインを飲んでみよう!」と思っていただけるきっかけとなればうれしい限りです。

自然の中で乾杯しましょう!

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高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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