ロゼを味方につけると、ワインペアリングはもっと楽しくなる!!
空気はすっかり暖かくなり、咲き乱れる花々。今年も気が付けば、もうすっかり春が来ていました。
つい先日まで、暖かい部屋で、こっくりとした深紅の赤ワインを飲んでいた、ワインラバーの皆様も、そろそろ冷えたワインを、ごくごくと飲みたくなってきているのではないでしょうか?スパークリングワインや白ワインも良いけれど、「今だからこそ」ロゼワインがおすすめです。
「ロゼワインは使いづらい」とか「何と合わせれば良いのか分からない」という声もよく聞きます。実は“おうちごはん”との相性が良いロゼワイン。その真価を知れば、ペアリングの心強い味方として、いつもそばに置いておきたくなること間違いなしですよ。
飾りじゃないのよピンク色は
美しいピンク色が特徴のロゼワインですが、実はこの色こそが、悲しいことに、一部の人たちから敬遠されている理由の一つとなっているのです。
ピンク色は、「かわいい、女性、柔らかい、甘い、若い」といった印象が強く、たとえそれが飲み物であっても、あのあまりにもかわいすぎるピンク色のワインを、手に取って飲むことに、恥じらいを感じる男性が多いのも事実です。
また、過去に一時流行したロゼワインの多くは甘口タイプだったことから、多くの人にとってロゼワインは、「女性が飲む、かわいい色の甘いワイン」というイメージが、定着してしまったのだと思われます。
しかし、惑わされてはいけません!?近年のロゼワインは、あのかわいいピンクの見た目とは裏腹に、ミネラル感たっぷりの辛口や、飲みごたえのある骨太なものまで、多くの人が抱いていた、不名誉なイメージを覆す、さまざまなタイプがあるのです。
何よりもあのピンク色は、お飾りなんかではなく、赤ワインと白ワインの良いところを併せ持っている『証の色』なのですから、実はマッチするお料理がとても多いというのも納得です。
“おうちごはん”が茶色くなりがちな事実
私たちが普段一人で、もしくは家族と食べる“おうちごはん”は、比較的「茶色く」なりがちですよね(※もちろん「うちの食卓は、彩り豊かよ」とおっしゃるご家庭も多いかと思いますが)。
煮物、焼き物、炒め物などなど・・・こうなってくると、「ワインは赤かな?白かな?いやいや、そもそもワインを“おうちごはん”には、合わせないんじゃない?」となってしまいます。いえいえ、そんな時にも、ぜひワインを合わせてください、しかもロゼワインを!
ペアリングの際、一番簡単で基本となるのは、見た目の色を合わせる方法と言われています。白っぽい/色の薄い食べ物には、白ワインを。赤っぽい/黒っぽい/色の濃い食べ物には、赤ワインを。
そして、中間にある茶色っぽい食べ物には、ロゼを合わせます(もちろんサーモンなど同じピンク色の素材にも◎)。おしょうゆやポン酢、麺つゆなど、茶色い調味料を使うことが多い日本の“おうちごはん”には、ロゼワインが、とてもしっくり合うのです。
イタリアン・フレンチはもちろん、茶色いお料理が多い和食や中華料理も、ロゼワインとはまさに相思相愛の関係ですよ。
ロゼワインのある一週間
≪月曜日≫手作り肉じゃがとほうれん草のおひたし
▶︎トスカーナ ロザート フラワー パワー ポデーレ 414
原産国:イタリア
生産地:トスカーナ
品種:サンジョヴェーゼ
アルコール度数:13%
容量:750ml
こちらのワインは、イタリアワインらしいイキイキとした酸を感じる辛口です。和洋中何にでも合う万能さと、デイリーワインとして楽しめる価格で、毎日の食卓に欠かせない一本となること間違いなしです。
ワイン自体の味はしっかりしているのに、お野菜+お出汁のような繊細なお料理の味を殺すことなく、もれなく引き立てます。冬には、おでんと合わせてみたいですね。
≪木曜日≫デリで買ったギョーザとアボカドサーモン巻き
ギョーザは付属のタレで。
原産国:日本
生産地:岡山県
品種:安芸クイーン75%・MBA16%・シャルドネ他9%
アルコール度数:10%
容量:750ml
こちらのワインは、ハッとするほど鮮やかな赤みが強いロゼ色。元気なトロピカルフルーツの香りにハッとし、飲むと意外なほどの辛口に、またまたハッとさせられます。
自然派ワインによく感じる、豆の様な濃いうま味と酸のバランスが良く、フィニッシュの心地よい苦味がくせになります。衝撃的な日本ワインの素晴らしさに、最初から最後まで、驚かせられっぱなしの一本。
非常にユニークなワインであるがゆえ、まぐろよりサーモン、葉物野菜よりアボカドなど、合わせるお料理も、素材自体の味にボリュームと複雑性のあるものがおすすめです。
≪土曜日≫ブリ大根とイクラ丼
ブリ大根はしょうがをきかせて。
原産国:フランス
生産地:プロヴァンス
品種:サンソー、グルナッシュ、ロール、ティブラン
アルコール度数:13%
容量:750ml
有名過ぎるほど有名な、あのミラヴァル・ロゼより、少しカジュアルなスタイルのロゼワインがこちら。
繊細な柑橘系と小さな白い花のニュアンスが感じられ、フィニッシュの塩味が心地よいドライな一本です。美しいボトルは、プレゼントやパーティーでも喜ばれそうです。
ワイン自体はライトであるものの、魚の脂と相性が良く、特筆すべきは、なかなか合わせるのが難しいと言われている魚卵(イクラ)や、ブリが生臭くなることもなく、最後までワインの個性と魚介のうま味、両方を感じることができます。
こんなスタイリッシュな見た目でブリやイクラに合うなんて、ストライクゾーンの広さに脱帽!
まとめ
“おうちごはん”とワインを合わせたい時、白か赤か迷ったら、その時はぜひ、ロゼワインを選んでみてください。見た目の華やかさだけでない、実は万能なロゼワインを味方につけたら、家でも外でも、ペアリングのバードルがぐんと下がって、ワイン選びが楽しくなりますよ。
また、暖かくなるこれからの季節、そこまでキンキンに冷やさなくても、美味しく飲めるのが、ロゼワインの魅力の一つです。これからのキャンプやBBQ、夕暮れのアペリティフにも、ロゼワインは欠かせません。
もう、買わない理由が見つかりませんね!今まで、あまりロゼを飲んだことがないと言う方も、ぜひ今こそお試しくださいね♪
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J.S.A. ワインエキスパート / WSET Lev.2
ワインショップ、バー、ワインのインポーターで働きながら、最近はライターとしても活動中。
ワインの楽しさを幅広く知ってもらうため、常に初心に立ち返ることを心がけています。
個人的には、人もワインも、少しクセがあるほうが好きです。
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