困った時の救世主?!ロゼワインをおすすめしたいこんな時
フランスではロゼワインの生産量が白ワインを抜き、消費量もワイン全体の約30%以上を占めています。ロゼワインの消費量、生産量共に全世界No.1のフランスですが、驚くことにロゼワインの輸入量もNo.1です。
その他各国でもロゼワイン市場は拡大しています。しかし、日本では未だにロゼワインへの親しみはさほどなく、スティルワイン合計のうち、ロゼワインの割合はわずか約3%とされています。
何故か「ロゼワインって甘いんでしょ?」と聞かれることが多いのですが、そのイメージになってしまった背景には、日本で起きた1980年代のワインブームで、フランスのロゼ・ダンジューなどの甘口ロゼワインが流行ったことが影響していると考えられます。
更に、お花見シーズンになると桜色のロゼワインは注目を浴びますが、その期間の短さはまさに桜の花の如く儚いものです。フランスでロゼはバラ色を意味しますが、桜色に繋がるのは日本人独特の感性ですね。
ロゼワインがシャンパーニュを超えた高価なものならばまだ分かりますが、生産量が安定しており基本的にリーズナブルなのにもかかわらず、頻度が少ないイベント的にしか注目されないということは非常に勿体なく感じます。
しかしそんなロゼワイン、実は困った時の救世主になってくれる非常に心強い味方です。
ホームパーティーでは主役に?!
ワイン持ち寄りのホームパーティー等で何を持って行こうか迷ったことはありませんか?
その時の食事内容やワインのテーマが決まっていればまだ選びやすくはなりますが、テーマのないホームパーティーですと、揃った食事に統一感がない場合も多いと思われるので、合わせるワインのバランスも難しいですよね。
そんな時の救世主がロゼワイン。
赤ワインと白ワインの良いところを併せ持つ為、たいがいの食事に違和感なく寄り添ってくれます。また、色調が鮮やかで可愛らしいので、テーブルを華やかに彩ってくれます。
目でも楽しめるところがまたロゼワインの魅力ですね。事実、近年欧米でのロゼワインの消費量が著しく増えている背景にも「インスタ映え」が深く関係しており、ミレニアル世代の投稿がブームを牽引しているようです。
もうひとつのメリットとしては、他の人のチョイスと被りにくいという点かと思います。持ち寄りの際に、ロゼワインが何本も被ってしまった!という事はなかなか起きないのではないでしょうか。
フルーツやスイーツとも合わせやすいものが多いので、前菜から最後のデザートまで、全てのシーンで幅広い活躍を見せてくれるでしょう。
こんなにたくさんの魅力を持ち合わせている人が1人でもホームパーティーの中に居たら、きっと初対面でも仲良く打ち解けられ、楽しい空間になること間違いなしですよね。
ロゼワインにもそんな期待が出来ると思うのです。そういった意味では主役にすらなり得るかも知れません。
バーベキュー場の万能選手
ロゼワインはバーベキューの場でもおすすめです。
バーベキューと聞くと、=肉!というイメージが真っ先に湧きますが、肉だからといってその後に=赤ワイン!というイメージには結び付きにくいですよね…
バーベキューは気温が高めの季節の日中に行なわれる事が多いでしょうし、火を扱う為に喉が乾きます。そうなるとやはりキンキンに冷えたビールや缶酎ハイ、ワインであれば冷やして飲みたいスパークリングワインや白ワインに座を奪われてしまいがちです。
いくら赤ワインに合いそうなお肉料理があるとは言え、乾いた喉を赤ワインで潤したいとはあまり思えません。そんな時にまたしても現る救世主がロゼワインです。
ぶどう果皮からもたらされた若干のタンニンが脂のあるお肉にも合いますし、爽やかな酸味はシーフードとの相性も良いので万能選手です。
バーベキューでは、お酒とじっくり向き合って味わいたい、というよりも、皆で盛り上がってその場を楽しみたい!というスタンスの方がほとんどだと思いますから、万人にうけそうなものを用意するというテーマも大切です。
香りの特徴が強過ぎたり、味わいが複雑だったり等、個性があまり強くないロゼワインならば普段ワインを飲まない方でも受け入れてもらえそうです。
何と合わせたら良いか分からない料理にも!
中華料理やエスニック料理にワインを合わせる、と聞くと、あまりワインを飲み慣れていない方だとイメージが湧きにくく難しく感じるかも知れません。
しかし、この様に何と合わせたら良いか分からない料理内容の時にも救世主になってくれるのがロゼワインです。
まず中華料理やエスニック料理が「何と合わせたら良いか分からない」に繋がる理由はおそらく「様々な香りと味、刺激の要素をたくさん持ち合わせているから」だと思います。
食材もスパイスも我々日本人からすると比較的個性的なものが多いですよね。
辛味、酸味、甘味の要素がそれぞれ主張した味わいの料理に合わせるワインは、何かが片寄った味わいのものだと料理の味わいのバランスを著しく崩してしまうリスクがあります。
何か一つだけ選ぶとしたら、赤ワインと白ワインの良いところを持ち合わせ、バランスがとれているものが多いロゼワインが適当でしょう。
ロゼワインは総合的にリスクが低いワインなのです。
個性を見極めてより美味しいペアリングに
甘味が強い料理と辛味が強い料理は共通してワインの甘味や果実風味を弱め、苦味、酸味、渋味、アルコールの刺激を強める為、ワインは甘味がありタンニンは少なくアルコール度が高くないものが好ましくなります。
よって、スイートチリソースで食べる生春巻きやエビチリ等はロゼダンジューやホワイトジンファンデル等が良いでしょう。激辛を好む方は先述した法則を逆手に取れば、舌に刺激を感じられるので試してみても面白いかも知れません(笑)。
酸味が強い料理はワインの酸味を弱め、ボディ、甘味、果実風味を強める為、酸味が強いトムヤムクン等なら辛口でスッキリとしたタイプが好ましいです。 魚介類との相性も良いプロヴァンスロゼは如何でしょうか。
まとめ
万能で、かつ基本的にリーズナブルなロゼワインを活用しない理由は無さそうですね。
ロゼワインと一口に言っても、製法、品種、産地等の違いから、キャラクターは実に様々ですから、ペアリングの可能性も無限大です。
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❁日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
❁WSET Level3 pass with distinction
先入観にとらわれず、常に新しい「美味しい!」を発見したい、食べる事と飲む事が大好きな人。
香りや味わい等の「感覚」を誰にでも分かりやすく言葉にして表現することが大切だと思っております。
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