「しば漬け」は、「千枚漬け」「すぐき」と並んで、京都の三大漬物のひとつとして知られる、全国的にも人気が高い漬物です。

茄子やきゅうり、茗荷などを、京都・大原の名産である紫蘇の葉っぱと一緒に塩漬けにしたものが起源と言われ、古くから保存食として重宝されてきました。

しば漬けの名前の由来には諸説ありますが、今から800年ほど前、平家物語で知られる建礼門院が大原の寂光院で過ごされていた時、里の住人が献上したところ大層喜ばれ、大原女（おはらめ）が売り歩く芝にちなんで「しば漬けか」とおっしゃったのが始まりだとも伝えられています。

そんなしば漬けは、実はロゼワインとの相性がとても良いんです。

今回は、ロゼワインにピッタリの、しば漬け入りのおつまみをご紹介します。

そもそも、ワインにお漬物って合うの？

そもそも、しば漬けだけに限らず、お漬物とワインの相性が良いことは、まだそれほど知られていないかもしれません。

ワインに合わせる定番のおつまみと言えば、チーズ、生ハム、ドライフルーツなどを思い浮かべる人が圧倒的に多いと思います。

日本で古くから保存食として食されてきた味噌や漬物は、チーズと同じ「発酵食品」ですね｡

発酵食品は、微生物の働きによって新しく発生した栄養成分が加わって、健康増進に重要な役割を果たすと言われています。

また、日本の漬物には、野沢菜や奈良漬など、その名前が地名に由来しているものがたくさんあります。この点はチーズも同様で、カマンベール、ブリー、ゴーダといったチーズの名前は、その地名からつけられたものです。

漬物もチーズも、保存食として、健康食品として、各家庭で母から娘へと代々受け継がれてきた、まさに「おふくろの味」だったんですね。

日本全国に数ある漬物の中でも、ロゼワインとの相性が一番良いと思うのが、京都の「しば漬け」です。

しば漬けを食べやすい大きさに切って器に盛るだけでも、十分おつまみになるのですが、ひと手間加えるだけで、見た目にもお洒落で可愛らしいおつまみが簡単に作れますよ。

最初にご紹介したいのが、しば漬け入りクリームチーズのディップです。室温でしばらく置いてやわらかくなったクリームチーズに、細かく刻んだしば漬けを混ぜるだけの、超カンタンな一品。

しば漬けの紫がかったピンク色がとても綺麗で、簡単なのに美味しくて、見た目の華やかさもあるので、女子会やちょっとしたパーティーのオードブルに最適です。

ディップとして、バゲットやクラッカー、グリッシーニ等につけて食べるのはもちろん、盛りつけにもひと手間かけると、さらにお洒落に仕上がりますよ。

ラップに包んで小さなボール状に丸めた後、カラフルな串を刺してピンチョス風に。あるいは、手まり寿司風に、お重のような和風の器に並べて詰めるのも素敵ですね。

辛口のロゼ「ドメーヌ・シュヴロ ブルゴーニュ・ロゼ・サクラ」がおすすめです。

次にご紹介したいのが、クリームチーズのディップと同じくらいカンタンに楽しめる、しば漬け入りのポテトサラダです。ポテトサラダに、刻んだしば漬けをトッピングするか、混ぜ込むだけ。本当にポテトサラダと合うのか半信半疑な方は、まずトッピングから試してみてはいかがでしょうか。

冷奴に薬味をのせるのと同じような感覚で、大人好みの和風なポテサラが楽しめますよ。全体に混ぜ込むと、ピンク色の可愛いポテサラに仕上がります。

G7伊勢志摩サミット2016で採用されたことで話題となった、「シャトー・メルシャン アンサンブル ももいろ」がよく合います。

和風パスタには、しば漬けがよく合うんです！

和風パスタの定番の具材と言えば、明太子、ちりめんじゃこ、納豆、高菜などがよく使われますが、実はしば漬けもよく合うんですよ。

しば漬けの独特の風味と食感は、オリーブオイルとパスタとの相性が抜群です。ぜひ一度試してみてほしい、しば漬け入りのパスタ。作り方はとっても簡単です。

フライパンにたっぷりのオリーブオイルと、みじん切りにしたニンニクを入れて香りを出し、細かく刻んだしば漬けを加えます。 そこに、茹で上がったパスタを加えて、よく絡ませます。

塩・こしょうで味を調えて、器に盛りつけて、千切りにした大葉（青じそ）をトッピングします。トッピングした大葉の香りが、しば漬けの風味をさらに引き立ててくれます。具材には、お好みでちりめんじゃこやキャベツを加えても良いですね。

近年、人気急上昇中の南アフリカ産のロゼスパークリング「グラハム・ベック ブリュットロゼ」がおすすめです。先にご紹介したクリームチーズやポテトサラダのおつまみと同様に、辛口ロゼもよく合います。

「あぁ、ロゼ飲んで、しば漬け食べたい」とつぶやきたくなるかも！？

今回は、ロゼワインとの相性抜群の、しば漬け入りのおつまみをご紹介してきましたが、この記事を書きながら、私の頭の中では、あるＣＭのフレーズがずっとリフレインしていました。

そう、1987年に放送された、 フジッコ・漬物百選のＣＭです。

女優の山口美江さんが「あぁ、しば漬け食べたい」とつぶやくセリフは、当時の流行語となり、社会現象を巻き起こしましたね。

「あぁ、ロゼ飲んで、しば漬け食べたい」と思わずつぶやきたくなるくらい、ロゼに恋してもらえたとしたら、ロゼ好き＆しば漬け好きの私は、とても嬉しいです。

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