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プロヴァンス気分!ソムリエ厳選のロゼワインベスト5

夏のヴァカンス気分を高めてくれるプロヴァンスロゼ。魚介や、エスニックフードにも相性が良く、おしゃれなデザインも人気の理由です。

今回は、ソムリエ厳選のおすすめロゼワインを紹介します。

ロゼワインの魅力とは?

今世界的に、ロゼワインブームが到来していることをご存知ですか?過去15年間で、ロゼワインの消費量が30%も伸びています。

昔は色の濃いピンクのイチゴの香りのする少し甘いロゼを多く見かけましたが、今は淡いサーモンピンクのプロヴァンススタイルのロゼが流行っています。お料理に合わせやすく、守備範囲の広さからソムリエからも人気です。家飲みにもばっちりです。

2017年には、ロゼワインの消費が生産を上回り、供給難がニュースにもなりました。日本では、そこまでブームという感じはありませんが、激しい競争の中、高品質のロゼが増えています。今こそロゼワインの見直しをするのは、いかがでしょうか?

プロヴァンスロゼの特徴は?

フランスは最もロゼワインを生産し、消費しているロゼ大国でもあります。そのフランスの、世界的に最も有名なロゼワインの産地がプロヴァンスです。

コート・ド・プロヴァンスでは、ワイン生産量の約9割がロゼワインです。厳しい市場争いによって、人目を惹くようデザインが凝ったものが多く、品質も向上しています。

プロヴァンスの気候は地中海性気候で温暖で、雨が少なく、乾燥しています。ローヌ側から地中海に向けて吹く北風『ミストラル』の影響で、病害が発生しにくいため、有機農法を実践するドメーヌが多くあります。

味わいはスッキリした辛口の味わいで、郷土料理のブイヤベースなど魚介の料理や、近年注目されている生春巻きや、カオマンガイなど、エスニック料理との相性も良いので、幅広く合わせることが出来ます。

夏のテラスでパラソルの下、冷えたプロヴァンスロゼを飲むような、開放的な気分を味あわせてくれます。

プロヴァンスロゼは、本当に種類が多く、どれを選んで良いのかと迷うほどです。価格、品質ともに納得のできる、おすすめのロゼワインを選びましたので、参考にしていただければ幸いです。

5位 バンドール・ロゼ・クール・ド・グレン・シャトー・ロマサン / ドメーヌ・オットー

▶︎バンドール・ロゼ・クール・ド・グレン・シャトー・ロマサン / ドメーヌ・オット

100年以上前から自然農法に取り組むパイオニア的存在のドメーヌ・オットー。しかし、自然農法をプロモーションにして売り出したくないので、前面には出していません。キング・オブ・ロゼと呼ばれる実力があります。

このワインは、プロヴァンスの中でも、バンドールという産地で、生産されていて、ブドウは、特産のムールヴェドルが多く使われています。

コート・ド・プロヴァンスのロゼよりも、スパイシーで芳醇で滑らかな口当たり、丸みのある柔らかさが特徴的です。グレープフルーツ、フランボワーズ、オレンジの香りにスパイスや、ローズマリーなどハーブのニュアンス、柔らかで滑らかな口当たりに、優しい果実味と柔らかな酸が余韻まで長く続きます。

アクアパッツァなど魚介や、フライドチキン、ポークソテーなどの肉類とも相性良く楽しむことが出来ます。スパイスや、ハーブを使って香りを同調させると、より相性が良くなります。

オットーはいつ飲んでも、どのヴィンテージを飲んでも品質が安定しているのも魅力の一つです。是非お試しください。

●番外編 バイ・オット・ロゼ / ドメーヌ・オットー
セカンドワインのこちらも紹介します。ムールヴェドルは入っておらず、グルナッシュ、サンソー、シラーという品種構成で、よりチャーミングでフルーティーな香り、味わいです。ラタトゥイユや、トマトとモッツァレラのサラダなど、トマトの甘みが感じられる料理に、オリーブオイルをかけるとより好相性になります。

4位 ロック・エンジェル / シャトー・デスクラン

▶︎ロック・エンジェル / シャトー・デスクラン

ワインビジネスで大きな成功を収めたサシャ・リシーヌが買収したプロヴァンスのワイナリーです。醸造長は、約20年バロン・ド・ロートシルトでディレクターを務めたパトリック・レオン。ロゼワインの品質を引き上げたと称されるプロヴァンスロゼのみならず、世界のロゼワインを牽引するワイナリーです。

ロック・エンジェルは自社栽培のブドウを100%使ったキュヴェで、リュットレゾネでの栽培、収穫は夜間から早朝にかけて行われ、光学選果台にて選果を3度も行います。ステンレスタンクとフレンチオークを用いた発酵・熟成のプロセスで、クリーミーな質感と複雑性を高めます。

グレープフルーツ、ピンクペッパーやミントの爽やかな香りに、トーストの香り、豊かな果実味に、フレッシュでしなやかな酸味が余韻まで長く続きます。

シャトー・デスクランは、他のプロヴァンスロゼよりも繊細で、複雑な印象があります。生春巻きにスイートチリのソースをつけて、カオマンガイにスイートチリのソースをつけて、食べてからこのワインを飲むと、甘さと酸味のレベルが良くて、ピンクペッパーのようなスパイシーなニュアンスが料理のスパイシーさと同調して、美味しい余韻が口内に再び現れて、美味しさが蘇ります。

3位 ミラヴァル・ロゼ / ミラヴァル

▶︎ミラヴァル・ロゼ / ミラヴァル

アンジェリーナ・ジョリーとブラット・ピットが所有するワイナリー。2012年よりローヌにて屈指のワインを生み出すペラン・ファミリーに委託し、素晴らしいワインを生産しています。畑は100%オーガニックのこだわりがあり、如何なる化学薬品も使用していません。

ミラヴァル・ロゼは、自社畑の中でも特にいい区画のブドウを使用しています。標高が高いため、豊かな酸を携えています。サンソー、グルナッシュ、ロール、シラーは直接圧搾され、シラーのみ一部セニエ式で醸造するこだわりがあります。その後、ステンレスタンクとフレンチオークにて醸造され造られます。

フレッシュなストロベリー、白い花の若々しい香りの印象で、溌剌とした酸があり、爽やかさを感じさせる味わいです。このロゼは、繊細で軽やかな味わいなので、特にトマトやパプリカを使った冷前菜、エビのカクテルサラダなど魚介でも冷製の料理と特に好相性です。高品質でありながら、手頃な値段も大きな魅力です。

2位 シャトー・ミニュティ281 / シャトー・ミニュティ

▶︎シャトー・ミニュティ281 / シャトー・ミニュティ

シャトー・ミニュティーは、コート・ド・プロヴァンスで23しかないクリュ・クラッセの一つに選定された名門中の名門です。プロヴァンスでよく見かけるくびれたフォルムの瓶をデザインしたのもミニュティが最初です。

夏のバカンスで人気のサン・トロペを見渡せるガッサン村とラマチュエル村の間の日当たりのいい斜面に位置し、チョークや、白亜質の土壌で育ったブドウを使ったミネラル豊かなロゼが特徴的です。

みずみずしい白桃やメロンの香りに、白い花、ミネラルと酸味が豊かで、魚介類との相性が特に良いです。ホタテのソテー、魚介のサラダや、スープ・ド・ポワソンなど好相性です。

同2位 パッレット・ロゼ / シャトー・シモーヌ

パレットのAOCを認可させたドメーヌであり、パレットといえばシャトー・シモーヌです。歴史あるドメーヌで、伝統的なワイン造りをしています。

平均樹齢は50年以上で、110年以上のものも残されています。化学的な肥料や、除草剤は一切使用されていません。ブドウは手摘みで、厳しい選果が行われています。

ロゼは、グルナッシュ、ムールヴェドル、サンソーなどのブレンドで、一部除梗を行い、1/3はセニエ式での醸造で、小樽で澱と共に熟成させます。これにより、複雑で、旨味の豊かな味わいになります。

他のロゼと比べて、色調から濃く、フローラル、フルーティーであり、南フランスのガリーグの香りがします。味わいも果実味豊かで、酸味、タンニンともにしっかりとしているので、ポークソテー、仔羊のローストなど肉料理と合わせることが出来ます。

1位 バンドール・ロゼ / ドメーヌ・タンピエ

▶︎バンドール・ロゼ / ドメーヌ・タンピエ

原産地呼称バンドールの創設者であり、『バンドールの父』と呼ばれるリュシアン・ペイローが創設者で、現在は、天才醸造家ダニエル・ラヴィエが受け継いでいます。

全て手摘みで収穫され、厳しい選果、低温でのマセレーション、ステンレスタンクとセメントタンクを用いて、発酵、熟成を行います。5~10%セニエのワインとブレンドしています。

よく熟した白桃、柘榴、アニスの香り、豊潤でまろやかな味わいで、少し高めに13度~14度で飲むべきな複雑性のある落ち着いた印象のロゼワインです。芳醇な香りが特徴的なブイヤベースや、タジン鍋とも良く合います。

早飲みのプロヴァンスロゼのイメージを覆す素晴らしい出来栄えで、30年以上熟成したタンピエのバンドール・ロゼを飲んで深く感動したことを覚えています。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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