ペアリングワイン

実力派ワイナリー『レ・モレッテ』のおすすめワインとペアリング

イタリアのヴェネト州のワイナリー『レ・モレッテ』。約2000年前から存在する白ブドウの古代品種「トゥルビアーナ」にこだわり、そのポテンシャルを最大限に発揮したワインを作り続ける、D.O.C.ルガーナの実力派ワイナリーです。

今回は、そんな『レ・モレッテ』のおすすめワインとペアリングをご紹介します。

D.O.C.ルガーナ

ルガーナ地区は、イタリアのヴェネト州とロンバルディア州にまたがる、白ワインの生産が盛んな地域です。ガルダ湖の南側に位置し、周辺地域の中では標高が高く比較的温暖な気候が特徴です。それは地中海性気候に近く、ブドウ栽培に非常に適した地域となります。

ガルダ湖に近い地域の土壌は粘土質が多く含まれており、フルーティーな味わいと適度なミネラル感を持つ、高品質なワインを生み出しています。

自然との調和を目指す「レ・モレッテ」

レ・モレッテは、D.O.C.ルガーナの中でもガルダ湖に最も近い場所にブドウ畑を所有しています。約100年前から続くワイナリーで、3代目で現オーナーのファビオ氏は、ワインの品質にはブドウ・畑が最も大切とし、自然環境への尊敬や調和を第一に考えています。

ワイナリー名も、「モレッラ(マガモ)」から名付けられており、彼らの栽培地域は野鳥が生息する自然環境豊かな地域であることが表されています。

彼らは全体の2/3が白ワイン、1/3が赤ワインを生産していますが、その中でも最も情熱を注ぎ、その魅力を世界に知らしめているのが、白ブドウの古代品種「トゥルビアーナ」です。

トゥルビアーナから造られるワインは、適度な酸とミネラルが特徴な爽やかなワインですが、粘土質土壌で造ることで高品質な長期熟成も可能となり、素晴らしいポテンシャルを発揮します。

そんなレ・モレッテが造り出すワインの中から、おすすめのペアリングをご紹介します。

「早飲み・熟成」2タイプが楽しめる
『ルガーナ マンドラーラ』

『ルガーナ マンドラーラ』は、レ・モレッテが造るルガーナワインの中では最も若く、早くから飲むことのできるワインです。早飲みでも、爽やかさとともに既に複雑味と長めの余韻があり、ブドウ本来の果実感を楽しむことができます。瓶熟成させることで、より香りと味わいに深みが出て、トゥルビアーナ種の秘めたポテンシャルを感じることができます。

原産国:イタリア
産地:ヴェネト
品種:トゥルビアーナ100%
容量:750ml

おすすめペアリング料理
白身魚のアクアパッツァ

白身魚の淡白な味わいとハーブの香りがワインの爽やかさと、オイルの少しの濃厚さがワインの余韻とよく合います。

使用する白身魚は基本的に何でもOKですが、これから春の季節は鯛がおすすめです。他の魚に比べても格段に旨味があり、入れるだけで味付けはほぼ不要になるのでお手軽です。

▼材料(1人前)
白身魚(できれば鯛)…80g
アサリ…5ヶ
プチトマト…2ヶ
白ワイン(ルガーナ)…40ml
水…80ml
にんにくスライス…2~3枚枚
オリーブオイル(ピュア)…25ml
オリーブオイル(エキストラヴァージン)…適量
パセリみじん切り…ひとつまみ
レモンスライス…1枚

▼作り方
①魚の表面に塩を振る。
②フライパンにニンニクスライスとオリーブオイル(ピュア)を入れ、弱火で温める。
③にんにくからオイルに味が移ったら、にんにくを取り出して魚の皮面をパリッとなるまで焼く。
④白ワインを入れ、少し詰めてから水を加えて、中火で魚に火を入れる。
⑤水分が2/3量程になったらプチトマトを入れ、パセリとオリーブオイル(エキストラ)も加える。
⑥皿に移し、仕上げに少しオリーブオイル(エキストラ)をかけてレモンを乗せる。

味わいは赤ワイン?長期熟成が生んだ豊かなボディ
『ルガーナ リゼルヴァ』

『ルガーナ リゼルヴァ』は、トゥルビアーナ種の特徴と、ルガーナの温暖で粘土質、という恵まれたテロワールを見事に表現した白ワインです。先にご紹介した『ルガーナ マンドラーラ』とはまた違った、長期熟成による非常に豊かな味わいを感じられます。

このワインは、良いヴィンテージにしか造られず、生産本数は2000本から多くても4000本にとどまります。1部は樽熟成され、瓶熟成を経て、収穫から2年経ってリリースされる、イタリアの白ワインの中でも珍しい長期熟成型の白ワインで、その味わいは赤ワインのように濃厚で豊かなものになります。

原産国:イタリア
産地:ヴェネト
品種:トゥルビアーナ100%
容量:750ml

おすすめペアリング料理
鴨肉のステーキ

ミディアムレアに仕上げた、ジューシーな鴨肉のステーキを合わせました。鴨は赤身肉で、多少味に癖もあるため、赤ワインを合わせるのが一般的ではあります。しかし、熟成されたルガーナ リゼルヴァの味わいが見事にマッチし、最高のペアリングなることは間違いありません。

▼材料
鴨胸肉…100g
塩・胡椒…適量

▼作り方
①鴨胸肉の皮面に、格子状に切れ目を細かく入れる。
②鴨胸肉に塩・胡椒をまんべんなく振る。
③フライパンを火にかけ、鴨肉の皮面をきつね色になるまで焼く。
④身の方もさっと焼色をつけ、180℃のオーブンに5分ほど入れる。
⑤オーブンから取り出し、中心温度を金串などで確認する。(約50~60℃になるように)
⑥アルミホイルでくるみ、5分程寝かして完成。

濃厚・フレッシュ。絶妙なバランス
『セライロッソ ロッソ デル ヴェロネーゼ』

最後におすすめするのは、彼らの造る赤ワイン『セライロッソ ロッソ デル ヴェロネーゼ』です。彼らが造るワインは、決してトゥルビアーナに拘った白ワインだけではなく、その他のワインも高品質なものです。

黒ブドウ3品種をブレンドして造られた、バランスの取れた赤ワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンのみ陰干しを行い、その味わいの濃縮感を高めています。

その他の品種に関しても、彼らのワイナリーの特徴である穏やかな気候のもとで育つため、繊細なタンニンの、エレガントな赤ワインが出来上がります。

重すぎず軽すぎず、といった、気軽に楽しんでいただける味わいでありながら、その確かな品質を感じられるワインだと言えます。

原産国:イタリア
産地:ヴェネト
品種:メルロー、カベルネ・ソービニヨン、コルヴィーナ
容量:750ml

おすすめペアリング料理
サルシッチャと茄子のパスタ

ピリ辛のサルシッチャ(イタリアのソーセージ)のスパイシーさと茄子のまろやかなソースが、バランスの良いワインの味わいとよく合います。

サルシッチャは適度にほぐしてミンチ肉のジューシーさを残すと、ワインの程よいタンニンとのペアリングはバッチリです。

▼材料(1人前)
サルシッチャ(市販)…1本(100g程)
茄子(中)…1ヶ
オリーブオイル(ピュア)…適量
白ワイン…30ml
水…適量
粉チーズ…適量
パスタ(スパゲッティ)…100g

▼作り方
①茄子は1cm程のサイコロ状にカットし、180度に熱した油で1分程度素揚げし、キッチンペーパーに上げる。
②サルシッチャの皮を剥き、中身を適度にほぐす。
③フライパンにオリーブオイルを入れて、サルシッチャをソテーする。
④白ワインを加えてアルコールを飛ばし、①の茄子を加えて潰しながら火を入れる。
⑤茄子が潰れて、どろりとしたソース状になったら水を入れて濃度を調整する。
⑥茹でたパスタを入れて、ソースと絡める。
⑦皿に盛り、粉チーズをかけて完成。

古代からその土地に存在するブドウ品種と、そのテロワールの魅力を最大限に発揮し、高品質かつ個性的なワインを造り出す『レ・モレッテ』。

今後も更に注目すべきワイナリーのひとつであることは間違いありません。

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峯森 洋平

JSA認定ソムリエ
イタリアンレストランの料理人として勤務する中、料理とワインのペアリングの魅力に惹かれ、ソムリエ資格を取得。
その後ソムリエとしてサービスを担当。
料理人としての経験を活かし、お客様が楽しかったと思ってもらえるような提案ができればと思います。
気軽にワインと料理、デザートを楽しむお店を開くのが夢です。
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