ペアリングワイン

お家で贅沢!ローストビーフに合うワイン

ローストビーフとワインを合わせるポイント

ローストビーフは、イギリスで生まれた伝統的な料理で、日曜の午後の食事でメインディッシュとして食されてきました。塊で焼き上げた牛肉を薄く切り分け、グレイビーソースをかけ、ローストビーフを焼き上げた際に出た肉汁を染み込ませたヨークシャー・プディングを添えるのが伝統的スタイル。

日本でも人気で、ローストビーフ丼など気軽に食べられる進化系のお料理もありますね。グレイビーソースはもちろん、赤ワインソースや、オニオンソース、醤油ベースのソースにわさびを合わせたり様々なスタイルがあります。

お惣菜でも人気ですし、豪華なイメージがありつつも、案外簡単に作れてしまうので、お祝い事の際に作ったり、お家でローストビーフを食べる方も多いのではないでしょうか?

ローストビーフとワインを合わせるのに重要なポイントがあります。それは、お肉の脂の量と、お肉の厚さや調理法による硬さで咀嚼の回数とワインの渋み・タンニンの量を合わせることです。

ワインのタンニンは口内を刺激し、口内が乾きます。口内が乾くと、咀嚼によって唾液を分泌させる必要があります。そのためワインのタンニンが多いほど刺激が強いので、中和するのに脂身が多く、咀嚼を多くする必要がある分厚いお肉が好ましいという訳です。

ローストビーフは、薄く切られていて、お肉もしっとり柔らかいので、滑らかな質感で、渋みが程よく控えめのワインが良く合います。他のお肉料理でもいえることですので、是非応用していただけると幸いです。

それでは、ローストビーフと相性の良いワインを紹介させていただきます。

バルベーラ・ダルバ・トレ・ヴィーニェ ヴィエッティ

常に安定して突出した品質の高さで世界中で高い評価を受けているヴィエッティ。バローロやアルネイスが有名ですが、ドルチェットやバルベーラも絶品です。

チェリー、ラズベリー、カシス、バラ、スミレの芳しいフローラルな香り、黒胡椒、枯葉、ヴァニラ、インクの香りも感じられ、シルキーなテクスチャーにチャーミングで豊かな果実感、バルベーラらしい溌剌としなやかな酸に、きめの細やかなタンニンとミネラルが繊細に伸びやかに感じられます。

ピエモンテ名物の牛肉のタルタルや、ステーキとも合わせられるバルベーラは、牛肉との相性が良く、インクや鉄っぽい香りと赤身の風味がマッチし、ローストビーフの焼き加減に関わらず上手く寄り添ってくれます。シンプルにグレイビーソースをかけたローストビーフにおすすめです。

▶︎バルベーラ・ダルバ・トレ・ヴィーニェ ヴィエッティ

* 原産国:イタリア
* 産地:ピエモンテ
* 品種:バルベーラ・ダルバ
* 生産者:ヴィエッティ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

中央葡萄酒 グレイス・カベルネ・フラン

日本が世界に誇るワイナリー中央葡萄酒。山梨県明野の自社畑で育てられたカベルネ・フランのワインは、日本の赤ワインの中でもトップクラスの味わいで、是非お勧めしたかったワインです。長い日照時間と風通しの良さなど、恵まれたテロワールの明野のワインは凝縮した果実味が特徴的です。

ブラックベリー、ブルーベリーのコンポート、カシスの芽、トースト、ミルクチョコレート、ヴァニラの香り、柔らかく滑らかな口当たり、凝縮した果実味に、フレッシュな酸と若々しさがありながらも、熟れたタンニンがエレガントに纏まっています。

ほんのりと香るヴェジタルな香りが、ローストビーフの中でもオニオンのソースをかけたものと同調し良く合います。是非お試しください。

▶︎中央葡萄酒 グレイス・カベルネ・フラン

* 原産国:日本
* 産地:山梨
* 品種:カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド
* 生産者:中央葡萄酒
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

サルジェ・ド・グリュオー・ラローズ

メドックの格付け2級のシャトー・グリュオー・ラローズのセカンドワイン。ブラックベリーのコンポート、ドライプラム、ミント、ミルクチョコレート、モカ、ヴァニラ、鞣革、シガーの複雑な香り、滑らかな質感に、重厚な果実感、しなやかな酸に溶け込んだタンニンが芳醇な香りとともに長く続きます。

サンジュリアン特有の滑らかさが、ローストビーフの滑らかな質感と合います。そして、合わせるのは赤ワインソースがおすすめです。

▶︎サルジェ・ド・グリュオー・ラローズ

* 原産国:フランス
* 産地:ボルドー
* 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ 、カベルネ・フラン
* 生産者:シャトー・グリュオー・ラローズ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

林農園 五一わいん 桔梗ヶ原メルロ

今や日本が誇るメルロの産地となった桔梗ヶ原ですが、この地に初めてメルロを植えたのが林農園です。

カシスやブラックベリーのコンポート、青草、コーヒー、なめし皮、ヴァニラの香り、たっぷりとした果実味に、やわらかいテクスチャー、フレッシュな酸あり、滑らかで溶け込んだタンニンのバランスがよくエレガントなミディアムボディの赤ワインです。

長野のメルロからよく感じられるのですが、ほんのりと青草のような香りのするメルロに合わせて、ローストビーフにワサビを添えた醤油ベースのソースともに食べるとより互いの風味が引き立ちます。

▶︎林農園 五一わいん 桔梗ヶ原メルロ

* 原産国:日本
* 産地:長野
* 品種:メルロ
* 生産者:林農園
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:720ml

霜降りの脂の多いローストビーフの場合には、樽の効いた甲州や、グラーヴの白、カリフォルニアのシャルドネなど、脂の甘さを引き出して相性良く楽しめます。

ローストビーフとワインを合わせて贅沢なひとときをお楽しみください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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