キレイになる!発酵食とワインのペアリング~赤ワイン編~
前回に続いて、今日は「キレイになる!発酵食とワインのペアリング」赤ワイン編のご紹介です♪
サンサンと輝く太陽の恵みをそのままボトルに閉じ込めたような、たっぷりとジューシーな赤ワインと「発酵食」を取り入れたお料理で、身体の中からキレイに、健康的に!私のイチオシ発酵食品「酒粕」を使ったお料理からご紹介します。
魚介類の酒粕入り和風ブイヤベース
“飲む点滴”「酒粕」。真夏のような気温が続いたかと思えば、梅雨寒でちょっとひんやり・・と体調管理が難しいこの時期は、お腹の中もちょっと疲れ気味。酒粕とお味噌のダブル発酵パワーがじわじわと身体に染み渡る栄養満点スープで、本格的な夏に向かって栄養チャージ!魚介類の旨味もふんだんに、和仕立てのトマトの酸味もおだやかに食欲をそそります。
【魚介類の酒粕入り和風ブイヤベース】
▼材料(約2人分)
・魚介類(エビ、あさり、いか、かじきまぐろ、わたりがに等)…200g程お好みの量
・ホールトマト…100g
・酒粕…40g
・たまねぎ…半分
・しいたけ…2枚
・にんにく…ひとかけ
・水…300ml
・日本酒、片栗粉…大さじ3
・固形コンソメ…1個
・味噌…小さじ1
・オリーブオイル…適量
・塩、コショウ、パセリ…少々
・月桂樹の葉…1枚
▼作り方
①《魚介類の下ごしらえ》あさりは塩水につけて砂抜きし、殻をこすり合わせて洗う。エビは背ワタを取り、片栗粉をまぶし日本酒をふりかけ揉みこむ。少し置いてから水洗いすると臭みが取れます。
② ①等の魚介類に日本酒、塩、こしょうを振って10分程置く。
③ しいたけは薄切り、玉ねぎ、にんにくはみじん切りにし、鍋に熱したオリーブオイルでしんなりするまで炒める。
④ ③にホールトマトをつぶしながら加え、水、酒粕、コンソメを加える。
⑤ 煮立ったら魚介類、月桂樹の葉を加え、再び煮立ったらアクを取り、味噌を加える。
⑥ お好みで塩、こしょうで味をととのえ、パセリをふりかけ出来上がり。
おすすめのペアリングワインはこちら。
▶︎シャトー・ド・クーレーヌ シノン ソレイユ・ド・クーレーヌ
「太陽」をワインの名前に掲げた朗らかなワイン。このキュヴェの最初の輸出国が日本だったことを記念して名付けられたそうです。
すみれの花が香るような華やかさながら、しとやかで素直、おだやかな果実味は、酒粕やお味噌などの和の食材をはじめ、どんなお料理にも合わせやすい一本。
フランスロワール地方の黒ブドウ代表カベルネ・フランを100%使用し、丁寧なマロラクティック発酵(M.L.F)を想像させる滋味深さを持ったワインです。
マロラクティック発酵(M.L.F)
醸造タンクの中で巻き起こる微生物のドラマ
先ほど登場しましたマロラクティック発酵(M.L.F)とは、アルコール発酵を終えて圧搾された出来立てのワインを、乳酸菌の力で酸味をやわらげて、柔らかく、まろやかで豊潤な香味を持ったワインに変える醸造技術です。
戦国時代さながらに様々な微生物が勢力争いを繰り広げる醸造タンクの中で、アルコールにも強く、耐酸性にも秀でている乳酸菌は主発酵の後に輝かしい功績を残します。それがマロラクティック発酵(M.L.F)なのです。
ワイン以外のお酒の世界でも乳酸菌は非常に重要な役割を持つ微生物で、日本酒には野生の乳酸菌を育成する「生酛造り」という伝統的な醸造法がある他、最近ではマロラクティック発酵(M.L.F)を日本酒の世界にも取り入れようという動きも出てきています。
既存の枠におさまらない新たなチャレンジ。お酒とお料理のペアリングにも新しい美味しさが見つけられそうでワクワクしますね♪
夜を日についで繰り返された微生物の過酷な戦いが終わり、無事、新酒の時期を迎えた日本酒蔵元の玄関を飾る「杉玉」。清々しいたたずまいです。
強く、たくましく、鍛えられた“健康美”あふれるワイン
ここで一本、微生物の力のみならず、すべてにおいて逞しく健康美あふれるワインをご紹介します。
栃木県足利市の山の斜面にひろがる自家葡萄畑とワイナリーで、真摯に職人気質にワインと向き合い続けるココ・ファーム・ワイナリー。試行錯誤を続け見つけたこの地に最適な葡萄品種は、個性的なものも多く、それがこちらのワイナリーの面白さです。
このワインのセパージュは「ノートン」「タナ」「小公子」とどれをとっても力強く、「小公子」においては山ぶどうの血統を受け継ぐというワイルドさ!しかも、野生酵母での主醗酵から野生乳酸菌によるマロラクティック醗酵、無清澄・無濾過という、それはもうまさに“葡萄酒”のイメージです。
しかし、お味はノートンのスパイシーな果実味×タナのコク×小公子の野性味豊かな香りと酸味、それぞれの葡萄品種の特性がバランスよくブレンドされ、エレガントささえも漂うナチュラルな仕上がりです。
スタッフド・マッシュルームとワインの陽気で気さくなペアリング
そして、このワインとおすすめのお料理はこちら。
「スタッフド・マッシュルーム」
マッシュルームの中にいろんな具材を詰めて焼くスタッフド・マッシュルーム。今回はまるごとマッシュルームとベーコンにパン粉を混ぜてカリッと焼き上げ、バルサミコ酢を添えました。
にんにくの効いたマッシュルームの香り高い旨味とバルサミコ酢のドライな酸味がひろがる後引く味わい。少しだけ冷やしたジューシーなワインと一緒に、夏の太陽が待ち遠しい陽気で気さくなペアリングです。
バルサミコ酢は、葡萄の果汁を木樽に入れて長期間、自然発酵させた発酵食。その飽きのこないコクのある味わいは、どんなお料理にも絶妙な美味しさをプラスする名バイプレイヤー。そして、ポリフェノールの他にも、たくさんの栄養素が凝縮された状態で含まれているという、発酵食の中でも指折りの美容効果、健康効果なのです。
【スタッフド・マッシュルーム】
▼材料(12個分)
・マッシュルーム…12個(ホワイト6個、ブラウン6個などお好みで)
a:ベーコン(みじん切り)…2~3枚
a:パン粉…30g
a:マヨネーズ…大さじ2
a:すりおろしにんにく…小さじ1/4
a:塩、粗挽きこしょう、小麦粉…各少々
▼ハニーバルサミコソース(1人前)
・バルサミコ酢 大さじ2
・醤油 大さじ1
・はちみつ 大さじ1強
▼作り方
① マッシュルームの軸とスプーンで少しくりぬいた中身はみじん切りにする。マッシュルームの中身をスプーンで少しくりぬくことによって具が落ちにくくなります。
② マッシュルームはaと合わせる。
③ マッシュルームの内側に小麦粉を振り、②を詰める。
④ トースターの天板にクッキングシートを敷き、焼き色がつくまで10~12分こんがり焼く。
⑤ ハニーバルサミコソースは材料すべてを鍋に入れ、少しとろみがつくまで煮詰め、マッシュルームに添えて出来上がり。今回はうっかり忘れてしまいましたが、荒く砕いたローストナッツも添えると絶品です!
味わいも、栄養効果も、私たちの生活に欠かせないくらい、なじみ深いものになった発酵食。まだまだたくさんありそうなワインとのペアリングを美味しく探しながら、元気でキレイな夏をお過ごしくださいね。
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ボーダレスなお酒の楽しみ方を見つけると心躍るソムリエ兼唎酒師、お客様の欲しいものを探し出すことに至福の喜びを感じるワインアドバイザー、その道のプロフェッショナルな方々とコラボしながらお酒を楽しむ会の企画運営など、いつも冒険の旅の行き先を探しています。
一日も早い健やかな日々の訪れを心から願いながら。
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