ペアリングワイン

身体が喜ぶナチュラルさ!原点回帰のワイン

より自然な方へ

かつては、ブドウの収量を得るために農薬を多量に使って除草剤を使用し、周辺の環境や生態系を壊してワイン造りを行うのがスタンダードの時代がありましたが、時代の流れとともにワインを造る側も飲む側も意識が変わり、ワインのトレンドが変わっています。

近年人気のワインのキーワードとして浮かぶのが『原点回帰』です。1960〜70年代のカリフォルニア・ワインを表したニュー・カリフォルニア・ワインや、農薬や除草剤を使わず、野生酵母による発酵の昔ながらの造り方をした自然派ワイン、オレンジワインや、そのルーツであるワイン発祥の地ジョージアのワインなどここ数年人気が続いています。

今ワインのトレンドは、原点回帰しながら、世の中のニーズに沿って進化しています。それでは、特に注目を浴びる『原点回帰』のワインを紹介します。

ニュー・カリフォルニア・ワイン

新しい世代の生産者たちが中心となって、リーズナブルな価格帯で1960〜70年代の土地固有のテロワールを表したカリフォルニア・ワインを表したニュー・カリフォルニア・ワイン。繊細にテロワールを反映したカリフォルニアワインを試してみませんか?

▶︎アルノー・ロバーツ シラー・ソノマ・コースト

カルト的な人気を誇るアルノー・ロバーツ。カリフォルニアの土壌のポテンシャルを探りながら様々な挑戦を続けているネイサンとダンカン。ワインは野生酵母で発酵され旧樽で熟成をし、ブドウ本来の風味を重視しています。

レッドチェリー、カシス、スミレ、黒コショウ、鞣し革など野趣のある香りに、ヴァニラのニュアンス。凝縮感のある果実味にフレッシュな酸とアグレッシブなタンニンが若々しい印象。しっかりとポテンシャルの高さを感じさせます。

『土地固有の風土を表す本来のエレガントなワイン造り』をスローガンに革命を起こそうとしています。ネイサンはロバート・モンダヴィの愛妻として知られるマーグリット・モンダヴィの孫で、エチケットの可愛らしいお花と天使の絵もマーグリット・モンダヴィによるものです。

* 原産国:アメリカ
* 産地:カリフォルニア
* 品種:シラー
* 生産者:アルノー・ロバーツ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

自然派カオール

フランスの南西地方カオールのワインは、『黒ワイン』と呼ばれ、色が濃くタンニンの強いワインとして有名で、少しでも飲みやすくするために1990年代より、ワインに酸素を供給するミクロ・ビラージュという醸造方法を施して造られるようになりました。

カオールの生産者の中では、ミクロ・ヴィラージュを行わずに自然なワイン造りに取り組む生産者が増えています。その中でも一押しの生産者がロスタルです。

▶︎オブラス・コンプレタスNo.2 ロスタル

『地元で自然なワイン造り』をモットーに果実味がありながらエレガントなワイン造りを行っているロスタル。伝統品種マルベックを使って、ミクロ・ビラージュや通常行うルモンタージュは行わず、ピジャージュも上部の果皮が乾かない程度にして、必要な分だけエキスとタンニンを抽出する50年以上前の伝統的なカオールのワイン造りを再現しています。

実際、地元のお爺さんたちに飲んでもらったところ『これだ!こうゆうのがカオール・ワインだ!』と大好評だったそう♪カシス、プラムなどの黒系果実やローズペタルなどの甘やかでフローラルな香りに、鞣し革、腐葉土の香り、柔らかくピュアな果実味に熟れたタンニン、中盤から余韻にかけて旨みの詰まったエキスがしなやかな酸とともに広がります。

* 原産国:フランス
* 産地:南西地方
* 品種:マルベック、メルロー
* 生産者:ロスタル
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

オレンジワイン

オレンジワインとは、白ブドウを用いて赤ワインのように醸造したオレンジ色のワインです。ルーツであるジョージアはアンバーワインという名称を使用しています。

自然派ワイン人気とともに瞬く間に人気が高まったオレンジワイン。自然派ワインの生産者は極力SO2の添加を抑えて、もしくはまったく使用せずワイン造りを行っています。

白ワインには赤ワインのようにタンニンが多く含まれないため酸化のリスクが高まりますが、オレンジワインには通常の白ワインよりもタンニンが多く含まれるためSO2の添加を控えることができます。こういった理由からも、自然派ワインの生産者がオレンジワインを生産しているのです。

▶︎マセラシオン・ド・ゲヴェルツトラミネール・レ・ピュセル ドメーヌ・ジュリアン・メイエー

ビオディナミの伝道師ジュリアン・メイエー。メディアにはあまり登場しませんが、品質の高さから熱狂的なファンを獲得しています。

ツェルベルグとフロンホルツの数カ所にある小さな区画のゲヴュルツを半分は3週間醸し、もう半分は直接圧搾したものをアッサンブラージュし、3ヶ月発酵し5ヶ月熟成させて、SO2は無添加で造られています。

山吹色の色調、マンゴーなどのトロピカルフルーツ、オレンジピール、ミント、蜂蜜の芳醇な香り、滑らかでまったりとした果実味には優しい甘みと濃密なエキス分!じんわり広がる酸に、余韻のアールグレイティーのような心地良い苦味が良いアクセントになっています。

* 原産国:フランス
* 産地:アルザス
* 品種:ゲヴェルツトラミネール
* 生産者:ドメーヌ・ジュリアン・メイエー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

身体に摂り込むものは、ナチュラルで、美味しいものが嬉しいですね♪

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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