ペアリングワイン

低糖質ダイエットの味方 よだれ鶏に合うワイン

ワインと食事のペアリングがピタッとハマると、一口食べて一口飲んでの無限ループに入ってしまいます。それがペアリングの楽しさであるけれども、ついつい食べ過ぎて翌朝体重計に乗ってみたら愕然とする結果に…なんてことはよくあることです。

蒸留酒の方がローカロリーとはいうものの、ワインそれ自体はカロリーはさほど高くないので、ワインだけを飲む分には体重にほとんど影響はありません。

ここで重要なのは、いかに体重の増加に影響を及ぼさず、そしてワインとの相性が良い料理を選ぶことが、ワインと食事のペアリングを罪悪感無く楽しむための秘訣であるということ。

こちらの記事では、ワインをより美味しく楽しめ、そのうえダイエットの強い味方である「よだれ鶏」とワインのペアリングについて紹介します。

よだれ鶏はダイエットとワインの味方

低カロリーで高タンパク。そして脂肪分・糖分共に少ない鶏むね肉は、ダイエットに最適な食材です。調理法によってはパサパサになって食べ飽きてしまいがちな食材ですが、ピリ辛なタレを使ったよだれ鶏は、食べ飽きるどころか病みつきになってしまう味わい。

家庭で調理する際、まず鶏むね肉を蒸すにあたっては、日本酒や塩で揉み込み、フライパンで蒸すとふんわり柔らかくジューシーに仕上がります。そこまで余裕がない場合は電子レンジでの調理で手軽に蒸し鶏を作ることができます。

そして肝心なタレですが、ネットでも書籍でも結構たくさんのレシピが見つかります。豆板醤やラー油などのピリ辛な味わいのもの、山椒を使ったシビレ系を強めた味わいのもの、黒酢を使った酸味とコクを増した味わいのものなど、いろいろなタイプがあります。

どのような傾向のタレのタイプであっても、バッチリと合うワインがそれぞれあります。美味しそうだなと思うレシピが見つかったら、下記を参考によだれ鶏とワインのペアリングを楽しんでみましょう。

万能タイプ:ロゼワイン

辛さを和らげる役割も、黒酢の酸味からまろやかな旨味を引き出してくれる役割をするのは、ロゼワインです。

こちらのロゼワインは、珍しいスロバキア産。国際的にはブラウフレンキッシュという名で知られるフランコフカ・モドラと、カベルネ・ソーヴィニヨンが50%ずつのブレンド。

チェリー系の果実味豊かな味わいと、オリエンタル系のスパイスのニュアンスがあり、よだれ鶏と合わせると口中で旨味を増幅してくれるようなような役割をして、どんどんとグラスとお箸の動きが止まらなくなってしまいます。

キンキンに冷えすぎているよりも、冷蔵庫ならば2時間くらい。10度前後に冷やすのがベストです。

山椒好きには:オレンジワイン

オレンジワインは全般的にフードフレンドリーなワインですが、醸しの期間が長いタイプはよりしっかりとした料理に、反対に短めのタイプはあっさりとした料理と特に高相性です。

こちらのオレンジワインは、フランス・アルザス産でピノ・グリ主体。醸しの期間は12日間で、オレンジワインとしては平均的なところ。

醸し由来のオレンジピールや八角のようなニュアンスが山椒の香りと相まって、中国料理特有のスパイシー感を増長し、食欲を増進させてくれます。

黒酢好きには:リースリング

脂っこい、また辛味の強い中国料理全般には、ほのかに甘みのあるリースリングが好相性ですが、黒酢の風味が強いよだれ鶏にズバリで合わせるなら、辛口タイプのリースリング、それもぺトロール香(リースリング特有の石油やプラスチックのような香り)がしないタイプが最適です。

こちらのリースリングは、先のオレンジワインと同じ生産者のもので、非常に爽快なタイプ。リースリング自体線の細いスッキリとしたタイプが多いですが、こちらのリースリングは爽快ながらも芯がしっかりとしているので、普通なら黒酢のボリューム感に跳ね返されてしまいそうなところ、しっかりと相乗効果を出してペアリングの妙味を楽しませてくれます。

まとめ

鶏むね肉は高タンパクで低脂肪かつ低糖質最適な食材で、ダイエットに最適。手軽に調理ができるうえ、タレの味付けも自分好みにカスタマイズすれば、楽しみ方が広がります。

そのうえ、タレのタイプによってぴったりと合うワインも様々。

・汎用性のあるタイプ:ロゼワイン
・山椒の効いたタイプ:オレンジワイン
・黒酢の効いたタイプ:辛口リースリング

逆に、飲みたいワインのタイプからタレの味付けの方向性を決める、というのも面白いです。またこのタイプの公式は、よだれ鶏に限らず中国料理全般に当てはまるので、もし他に料理を作る機会やお店で食べる機会があれば、思い出してみてください。

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秋元 賢介

日本ソムリエ協会認定ソムリエ
大手ワインショップや個人経営のワインショップの店長として、通算15年に渡り店頭にてワイン販売に従事。現在はナチュラルワイン専門のインポーターにて営業職。専門用語を如何に使わずにワインの魅力を一般消費者に伝えるかと、有名無名に関わらず安くて美味しいワインの発掘に腐心し続けている。
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