ペアリングワイン

気づいたら”クセ”が”くせ”になっている?!おすすめオレンジワイン3選

レッド、ホワイト、ロゼ、オレンジ、グリーン、パープル・・・これらは全部ワインの色です。

近年、ワインはとてもカラフルになってきて、写真映えすることから、よくSNSなどでも目にしますね。

今日はその中でも、数年前から世界的に大人気で、赤、白、ロゼに続く、第4のワインとして既にその地位を確立している、オレンジワインについてのお話です。

知ってはいるけど、まだ飲んだことがないと言う方も結構いらっしゃるようですね。今回は、そんな初めての方でも飲みやすい三本を紹介しますので、この機会にぜひお試しください。

白ブドウ × 赤ワイン製法 = 古くて新しいワイン

オレンジワインは、その名前からオレンジを使ったフルーツワインのように思われがちですが、白ブドウを使って、赤ワインと同じ方法で造られたブドウ100%のワインなのです。

白ワインは、白ブドウの果皮・種子を取り除き、果汁だけ発酵させて造りますが、オレンジワインは白ブドウを使って、赤ワインを造る時と同じく、果汁と果皮・種子を一緒に発酵させて造ります。

とは言え、使うのは白ブドウだけなので、黒ブドウを使うロゼのような赤みがかった発色はないのですが、白ブドウの果皮からでる色素によってできる美しい琥珀色が特徴です。

それゆえ、オレンジワインの故郷であるジョージアでは、「オレンジワイン」ではなく「アンバー(=琥珀色)ワイン」と呼ばれているそうです。

長い間、ジョージア国内だけで流通していたアンバーワインは、イタリア・フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のワイン生産者の手によって、オレンジワインという名前で再生、販売され、世界中に広がることとなるのです。

主張する、でも浮かない個性

今回のタイトルにもなっているオレンジワインの「クセ」とは、一体何でしょうか。それは、白ワインのような芳香をもちながらも、飲み口は、白でも赤でもないオレンジワイン独特のうま味と、飲みごたえのあるボディを指しています。

オレンジワインは、その製造過程で数カ月もの間、白ブドウの果汁と果皮・種子を一緒にすることから、そのエキスがワインに十分に溶けでています。

そしてその中には、もちろん赤ワインほどではありませんが、ブドウの果皮・種子から由来するタンニンも含まれています。このうま味と程よいタンニンが、飲み応え感と、お料理と合わせても浮かない、しっかり寄り添う安定感を生み出しているのです。

今やオレンジワインは、ジョージアやイタリアだけでなく、その他多くの国や地域で造られています。使用する白ブドウの品種も、メジャーなシャルドネから、その土地にしかないようなマイナーな品種まで多種多様です。

こんな多様性に富んだオレンジワインですが、共通して言えることは、上記に述べたとおり独特な個性をもちながらも、絶対的に「フードフレンドリー」なワインであるという事です。

実証 ~飲んでみよう!

「論より証拠。そのオレンジワインの「クセ」とやらを体験してみよう!」

そんな風に思ってくださった皆さまに、私のおすすめ3本をご紹介します。ぜひ以下のポイントを押さえてお楽しみください。

①少し高めの温度で飲む
オレンジワインの適温は、ライト/ミディアムボディの赤ワインと同じくらいでお考えください。季節にもよりますが、12~15度が良いと思います。冷やし過ぎると、オレンジワインの風味が感じられず、もったいない!

②3~5日かけて飲んでも美味しい
その製造方法から、比較的酸化に強いタイプのワインです。抜栓してから数日かけて、変わりゆく味の変化をお楽しみください。

③あえてペアリングが難しいと言われている料理に合わせてみる
一般的に、うま味や辛みが強いお料理にワインは合わせにくいと言われています。しかし、オレンジワインの最大の強みはここ!うま味と飲みごたえのあるオレンジワインには、ピリッとした中華料理やタイフード、うま味の強い卵や、和食の甘辛い煮汁とも相性ばっちりです。

▶︎オレンジワイン アランサット ボルゴ サヴァイアン

原産国:イタリア
生産地:フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア
品種:ピノ・グリージョ 85% 、 ソーヴィニヨン・ブラン 15%
アルコール度数:13%
容量:750ml

アプリコットや白桃などジューシーなフルーツ香と、ハーブや紅茶の爽やかな香りが嬉しい1本。飲み口は香り程の甘さはなく、フレッシュな酸味と心地よい苦み。

ピノ・グリージョ(=ピノ・グリ)は、オレンジワインに使われることが多い品種の一つです。くせがなく、オレンジワイン初心者の方には、特におススメです。

【私は、これとペアリンGooooo!】煮卵
煮卵を単品で食べて、ワインと合わせることは、まずないと思いますが・・・。煮卵のうま味にも、浮かずに寄り添うということの実証です。

▶︎クレメンタイン ピノ グリ ローガン ワインズ

原産国:オーストラリア
生産地:ニューサウスウェールズ
品種:ピノ・グリ100%
アルコール度数:13%以上14%未満
容量:750ml

オレンジと言うより、むしろロゼに近い赤みがかった鮮やかな色。香りだけだと、ほぼ白ワインのようなフレッシュさですが、飲んだ時のアタックは強く、しっかり骨太な味わいのワインです。特に、インパクトの強い、酸っぱ辛いお料理との相性が良いです。

【私は、これとペアリンGooooo!】酸辣湯麵
こんなタイプのお料理に合うワインがあるなんて感動です!

▶︎エセンシア・ルラル パンパネオ・アイレン・エコ

原産国:スペイン
生産地:カスティーリャ・ラ・マンチャ
品種:アイレン100%
アルコール度数:12%
容量:750ml

スペインで一番多く生産されている白ブドウ品種アイレン100%のオレンジワイン。梅シロップ、りんごの蜜など濃縮感のある果実味と、しっかりとした酸を同時に感じ、程よいうま味に食欲がそそられます。

今日ご紹介した他二本と比べると、若干クセを感じますが、まさにこれこそが一度飲むとくせになってしまう一本です。

【私は、これとペアリンGooooo!】レンコンのきんぴら
レンコン独特の風味を殺さず、かつ甘辛い味付けにもワインが負けていません。

まとめ

私が初めてオレンジワインを飲んだ時は、赤でもない白でもない、その独特な味に少し驚いたものの、しばらくはその味を忘れられませんでした。

「クセがくせになる」などど、ふざけたダジャレのように聞こえますが、実際に少しクセがある味は、記憶にも残りやすく、くせになってしまう事は往々にしてあります。

チャーミングなオレンジ色の外見に、うま味たっぷり、飲みごたえのある不思議なワイン・・・一度飲めば、その魅力の虜になること間違いなしです。

ぜひお試しください!

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佐野 朱美

J.S.A. ワインエキスパート / WSET Lev.2
ワインショップ、バー、ワインのインポーターで働きながら、最近はライターとしても活動中。
ワインの楽しさを幅広く知ってもらうため、常に初心に立ち返ることを心がけています。
個人的には、人もワインも、少しクセがあるほうが好きです。 佐野 朱美の記事一覧 

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