ペアリングワイン

夏の料理とオレンジワインを合わせるゴールデンルール

ワインと料理の関係について、どのように考えていますか?

少なくとも、この記事にたどり着いて下さった皆様は、料理とお酒には相性というものがあるということは言うまでなくご存知ですよね。「マリアージュ」や「ペアリング」といった言葉は近年、私達の暮らしの中にも随分浸透してきているのを肌で感じています。

レストランでワインを選ぶときは、どの組み合わせが良いのか分からなくても、優秀なソムリエさんがスマートに組み合わせを選んでくれることでしょう。

では、毎日の食卓ではどうでしょうか。

そんなときに、“ワインペアリングがスムーズにできるゴールデンルール“についてご紹介します。

今回は、「夏の定番料理とオレンジワインの組み合わせ」にフォーカスしてお話していきます。

今更聞けない!?そもそもオレンジワインとは?

「オレンジワイン」のトレンドは相変わらず人気上昇中の為、お店のポップ等で丁寧に説明されているものが増えました。なので、ここであえて説明するまでもないかもしれませんが、念のため。

とは言っても、赤ワインや白ワインの醸造方法の段階から解説をするのはやめにして、ここでは「最低限度押さえておきましょう」という点だけ説明します。

◆原料はブドウです(笑)

オレンジの香りがするものありますが、オレンジ果汁が入っているわけではありません。白ぶどう品種から作られており、果皮の見た目の色はマスカットの様に緑や黄色がかった色をしています。

◆作り方の違いで赤ワインや白ワインとは違う味わいになる。

醸造方法から詳しく知りたい方は、是非ネットで検索してみて下さい。詳しい説明が沢山出てきます。今回はペアリングを考える上で、押さえておいて欲しいポイントだけお伝えします。それは、白ぶどう品種を赤ワインの醸造方法でワインにする為、味わいに「タンニン」があるということです。

オレンジワインのすごいところ

タンニンがあるということは、要するに、白ワインには無いが赤ワインにはある要素(利点)が、オレンジワインにはあるということです。

爽やかな白ワインと相性の良いアクアパッツァやオイルパスタ、赤ワインのタンニンと相性の良いスパイシーな味付けの肉料理にも、どちらにも合わせられるというわけです。

一度の夕食で、ワインを一本飲み切ることができなくても、翌日の料理次第では、ペアリングが可能になる実に汎用性の高いワイン、それが「オレンジワイン」と言えます。

夏料理とオレンジワインの組み合わせのゴールデンルール

ルールと言っても、基本的に人間の好みは十人十色ならぬ、十舌十色です。ですからルールにとらわれず、自由な発想も新しい発見があって良いと思っています。

ですがここでは、自分だけでなく家族や友人たちと一緒に夏のオレンジワインを楽しむために知っておくと便利な、たった2つのゴールデンルールをご紹介します。

◆1つ目:夏の定番、香辛料たっぷりのカレー!には、スパイシーなオレンジワイン。

これは「同調で相乗効果」を狙うペアリングのルール。カレーには刺激的なスパイスの他、シナモンや八角、クローブ、ブラックペッパーなど、オリエンタルを感じる香りが沢山入っています。そこにエレガントなブルゴーニュや優しい日本の甲州を持ってきてしまっては、どこか味わいがぼやけてしまいます。

スパイシーなカレーが喉を通ったあとは、ハーブやレモングラスなどの爽やかな香りの他、胡椒や八角などのオリエンタルな香りのワインが心地よいはずです。またしっかりしたタンニンがカレーに負けないバランスをとってくれますよ。

|ペアリングパターン|

ナンカレードッグ × レ・コステ ジャンマルコ・アントヌーツィ(イタリア)}

ハーブや、胡椒、アロマティックでどこか薬膳のようなニュアンスがあるので、カレーのフレーバーと非常に調和します。

◆2つ目:汗をかきながら食べるのが気持ち良いトウガラシ料理には、香りの個性と果実の甘味を感じるオレンジワイン。

今度は、対比した味わいでバランスを狙うルールです。刺激がアクセントとなる生春巻きのチリソースや冷やし担々麺などは、上記のようなスパイシーなワインも合いますが、料理やソースの刺激の度合いが強い場合、ワインの味わいが浮いてしまうかもしれません。

対比したワインを合わせてホットになっている口や舌を、ブドウの果実からくる甘味が優しく包み込んでくれる感覚になると思います。

|ペアリングパターン|

冷やし担々麺 × キシ ヴァジアニカンパニー(ジョージア)

ジョージアでつくられるこのワインは、クヴェヴリという古くから伝わる壺の中でワインを発酵させてつくります。そのため、スパイスやハーブの香りを複雑に纏っており、担々麺の刺激と上手くバランスをとります。

また、長めに醸されたまろやかな舌触りが、五香粉という中国の代表的なスパイスミックスを入れた冷やし麺とよく合います。

まとめ

夏の料理とオレンジワインのゴールデンルールについて、簡単にまとめると、

[オレンジワインは、ペアリングとして汎用性の高いワイン]

[夏料理とオレンジワインの組み合わせのゴールデンルール]

① 同じ香り、味わいを選んで相乗効果を狙うルール

② 対比する味わいを選んで、調和を狙うルール

このルールやポイントを知っているだけで、ワインのある暮らしが定着し、心豊かになれると思います。

最後の最後に伝えたいことをもう1つ。

“夏のキッチンに「五香粉」と「レモン」の常備を!”

ご家庭で夏の料理とオレンジワインを組み合わせてみて、何か味がぼやけてしまうようならこのアイテムが最強です!

今年の夏も暑そうです。夏バテ防止に香辛料!心の癒しにオレンジワインを!是非最高のペアリングで楽しんでみてはいかがでしょうか。

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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