ペアリングワイン

春の味覚 山菜とニュージーランド・ソーヴィニヨンブランのペアリング

スーパーに並ぶ食材の顔ぶれも少しずつ春めいてきた、今日この頃。コートのいらない暖かさの中、街を歩くと幸せを感じます。一年の中で、一番好きな季節です。

暖かい気候はもちろん、何といっても春の食材が大好きです!春キャベツに新玉ねぎ、ホタルイカに初鰹、そして山菜は春を代表する季節の味覚ですね。

一年の中でも手にすることができる期間が限られている為、スーパーで春の山菜を目にすると、今年も春が来たなと嬉しくなります。

通年、私たちがスーパーで見かける「野菜」とは人の手で育てられたものを指し、「山菜」とは、野や山に自然と生える食用植物を指すそうです。長い冬を乗り越え、人間の手が加えられず育つ山菜は自然のパワーは詰まった食材とも言えますね。

子どもの頃は、あの独特な苦味があまり得意ではありませんでしたが、大人になりあの苦味が味わいに奥深さを与えているんだな、と気がつくようになりました。

山菜と言えば、ザ・和食のイメージですが、実はワインにも良く合います。特に、ペアリングとしておすすめしたいのは、ソーヴィニョン・ブランとの組み合わせ。

山菜特有の、どこからか感じる土の香りやハーブ香、口に入れた時のほろ苦さやえぐみは、ソーヴィニョン・ブランが持つハーブ香や適度な酸とミネラル感を感じる味わいととても相性が良いです。

今回は、特にハーブ香の特徴を顕著に持つニュージーランドソーヴィニョン・ブランとのペアリングをご紹介します。

山菜料理とソーヴィニヨン・ブランのペアリング

①筍のパスタ

山菜の王道といえばタケノコではないでしょうか。タケノコと言えば、筍ご飯や若竹煮などの純和風のお料理も良いですが、ワインと合わせるなら筍のパスタがおすすめです。

ペペロンチーノ風にオリーブオイルとにんにく、そして和風出汁で仕上げれば、この季節にしか味わえない春パスタを楽しめます。

タケノコは何層にもなり、噛めば噛むほど旨みが広がる食材なので、ワインも少しだけボリュームのあるミディアムボディのものを。

【合わせたいワイン】

▶︎CRAGGY RANGE TE MUNA ROAD Vineyard Sauvignon Blanc

・産地:マーティンボロー / 北島
・ワイナリー:クラジーレンジ
・品種:ソーヴィニョン・ブラン
・容量:750ml

ジャスミンやセージのような鼻に抜けるようなハーブ、ライムなどの柑橘類の香り。飲み口はドライですが、熟した林檎のような濃密な味わいにミネラル感が現れます。

クラジーレンジはニュージーランド国内でも人気の高いワイナリーです。春の日の休日に、少し良いワインと筍のパスタ、いかがでしょうか?

②山菜の天ぷら

タラの芽やこごみ、ふきのとうなどお好きな山菜で。サクッとした天ぷら衣に少しだけお塩を振って頂きたいですね。塩に山椒パウダーを混ぜて、山椒塩につけると一気に料亭の味になります。

サクッと揚がった天ぷらには、爽やかな香りと酸がキリっと感じられるワインで、天ぷらにレモンを絞ったような感覚で楽しみましょう。

ワインに複雑性がありすぎると、せっかくの山菜の味わいが負けてしまうので、ライトな味わいのワインが合わせやすいですよ。

【合わせたいワイン】

▶︎Spy Valley Sauvignon Blanc Marlborough

・産地:マールボロ / 南島
・ワイナリー:スパイ バレー
・品種:ソーヴィニョン・ブラン
・容量:750ml

レモンやオレンジのフレッシュなアロマ、アカシアのような可憐な花のニュアンスにミントのようなハーブ香も加わります。味わいは、ライムのような酸と心地よい苦味が主体で、余韻まで爽やかな印象でまとまっています。

サラダなどの前菜から揚げ物まで、幅広く合わせて楽しめる1本です。

③フキのマリネ

フキと言えば、我が家では「油揚げとフキの煮物」が定番ですが、皆さんのご家庭ではどんな風に食べられていますか?定番の和食ももちろん良いですが、ワインと合わせて楽しみたい「フキのマリネ」をご紹介します。

下処理をしたフキを、オリーブオイルとワインビネガーを1対1(お好みで塩少々)で混ぜたマリネ液に1時間以上浸します。ワインビネガーをバルサミコ酢に変えるとさらにコクのある味わいになります。

【合わせたいワイン】

▶︎Peter Yealands Sauvignon Blanc

・産地:マールボロ / 南島
・ワイナリー:イーランズ
・品種:ソーヴィニョン・ブラン
・容量:750ml

今回ご紹介したワインの中で一番ニュージーランドソーヴィニョン・ブランらしさが出ている1本です。ミントやアスパラなどの緑のハーブ香、レモンやライムの柑橘類とパッションフルーツのような華やかなアロマが広がります。

味わいは、心地よい酸とミネラル感を感じ、優しい飲み口です。

まとめ

山菜が食べれる時期は本当に一瞬です。是非、この時期にしか楽しむことのできない「山菜 × ソーヴィニョン・ブラン」のペアリングを試して春を感じてみてくださいね。

《関連記事》
旬の味覚♪春の山菜とイタリアワイン
爽やかさ香る!世界各国のソーヴィニヨン・ブラン
自然派ワイン初心者には、ソーヴィニヨン・ブランがおすすめ!
ずばりこれ!初夏におすすめソーヴィニヨン・ブラン3選
冬も飲みたいおすすめソーヴィニヨン・ブラン

高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す