旬の味覚♪春の山菜とイタリアワイン
段々と暖かさを感じる日も増えてきて、もうすぐ春ですね。
イタリアは南北に長い半島を海が囲んでいて、北はアルプス山脈、真ん中をアペニン山脈が連なっています。
こうした地形の入り組んだ組合わせのおかげで、イタリアにも日本と同じように四季を色濃く映した食材が出回ります。
この共通点のおかげで、日本の食材とイタリアワインを合わせる時に意外としっくりくるものが多いのが面白いところ。
普段見慣れたお野菜でのペアリングも美味しいですが、この時期にしか出回らない食材とワインで季節を感じてみませんか?
というわけで、今日は春の山菜を使ったお料理とそれに合わせたイタリアのワインを楽しみたいと思います。
こごみのお浸しとヴェルメンティーノ
こごみは先がくるくると巻かれた形の山菜です。まるで屈んでいるように見えるので、漢字で「屈」と書いて、こごみです。アク抜きの必要がないので、とても使い易い食材です。
よく似た山菜でゼンマイがありますが、産毛が生えているのがゼンマイです。ゼンマイはアク抜きをしてくださいね。
シャキシャキとした食感のこごみはそのままお浸しで。作り方はとてもシンプルで、湯掻いたこごみを醤油・味醂・酒+出汁に浸けておくだけ。仕上げにオリーブオイルで香りを付けるとワインとの親和性がよりアップします♪
▶︎リヴィエーラ リーグレ ディ ポネンテ ピガート ヴィニェート カ ダ レーナ / プンタ クレーナ
こちらの料理に合わせるおすすめのワインは、ジェノヴァのあるリグーリア州の白ワイン。このピガートという葡萄品種は、一度は絶滅しかけた古代品種で、柑橘の皮のニュアンスと、フレッシュな酸味が特徴です。
たらの芽のフリットとプロセッコ
ほんのりとした苦さともちッとした食感のたらの芽。古くから「山菜の王様」とも呼ばれて親しまれてきました。
天ぷらでももちろんOKですが、イタリア風のフリットにするとちょっと違う雰囲気に。
フリットは天ぷらとよく似ています。そもそもイタリア語で「揚げもの」を意味するのがフリットです。天ぷら粉にメレンゲを加えることでふわっと仕上がります。
▶︎コネリアーノ・ヴァルドッビアデネ・プロセッコ スペリオーレ / レ・マンザーネ
こちらの料理と相性が良いのは、スプマンテの中でも軽やかな味わいのプロセッコ。フルーティーすぎるのがたまにありますが、こちらのレ・マンザーネはキレのある品の良い味わい。高級レストランでも採用されている、コスパの優れた超良品です。
ふきのとうとチーズのリゾットとソーヴィニヨン
最後にご紹介するのは、ふきのとうを使ったリゾットです。
雪解けの頃に出てくるふきのとうは、ふきの花のこと。ほろ苦い風味は、天ぷらにしてビールなども美味しいですね。
苦味が得意じゃない方は、サッと茹でてアク抜きをしましょう。
▼材料(2人分)
・米…180g イタリア米がおすすめですが、日本米でもOK
・ふきのとう…5〜6個
・固形ブイヨン…1個
・粉チーズ…50~80g
・バター…30g
・塩…適量
・黒胡椒…適量
▼作り方
1)米は洗わずに温めたオリーブオイルのフライパンで数分炒める。
2)別の鍋に600ccのお湯を沸かし、固形ブイヨンを加えてスープを作る。
3)米にオイルが回ったら、ブイヨンスープをレードル2すくいをフライパンへ。
4)フライパンの水分が減ってきたら、その都度ブイヨンスープを加えていく。
5)③〜④を続ける間にふきのとうを170℃の油で素揚げしておく。
6)米が中央の白い部分が見えなくなるぐらい、味見をしてみて歯の先に少し芯を感じるぐらいのタイミングで、素揚げしたふきのとうの内、2つを細かくカットしてフライパンで軽く混ぜ合わせる。
7)火を止め、バターと粉チーズを加えて混ぜ合わせる。
8)皿に盛ったら素揚げのふきのとうの残りを乗せ、黒胡椒をかける。
こちらのリゾットに合わせるおすすめのワインは、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州から。
北をアルプス、南をアドリア海に挟まれたコッリオ地域のワインは、冷涼さと温暖さを併せ持ったユニークな味わいとなります。
ほろ苦いふきのとうの風味とチーズの甘みが、柑橘の酸味、豊かな果実味にとてもよく合います。
旬のものは健康にも良い!
山菜料理とワインの組み合わせ、参考になりましたか?
旬の食材は季節感を味わえるだけでなく、風味や味わいが豊かになるので、余計な調味料を加えなくても十分美味しく食べられます。
結果的に塩分や糖分を自然に抑えることができるので、自然と健康的な食生活を送ることにもつながりますね。
フレッシュの山菜はこの時期にしか出回りませんので、スーパーなどで見かけたら是非試してみてください♪
《関連記事》
・春の味覚山菜とニュージーランド・ソーヴィニヨンブランのペアリング
株式会社クインディ 代表取締役/winetango公式ワインディレクター
都内や地元横浜のインポーター、レストランなどで研鑽を積み、2013年イタリア全土の数々のワイナリーを巡る旅へ。
各所のワインイベントに精力的に参加。自然体でワインと暮らす人々との出会いをきっかけに複雑に見えるワインを楽しさと共にシンプルに伝える事を目指す。
帰国し「ヴィノテカ・サクラ」で店長兼シェフソムリエとしての通算9年の勤務を終えた後、対面接客で伝えてきたワインの楽しみ方をより多くの⼈に伝えていくためワイン通販システム「winetango」を始動。2021年、飲食店の総合支援を目的とした株式会社クインディ設立。
村上 潤の記事一覧
新着口コミ
ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す
都道府県から探す