ペアリングワイン

大人の贅沢!ショコラとワインのペアリング

ショコラとワインの贅沢な組み合わせ

秋の夜長にショコラとワインを堪能する贅沢で大人なひとときはいかがでしょうか?

ショコラといっても種類が豊富で、相性の良いワインもそれぞれです。それぞれのショコラに合わせたワインを組み合わせるとお互いの風味を高め合い、なんとも幸せな余韻となります。

今回は、ショコラの種類別に、相性の良いワインを紹介させていただきます。

ムース・オ・ショコラ

チョコレート好きにはたまらないフランスの定番デザート『ムース・オ・ショコラ』は、その名の通り、チョコレートのムースです。口当たりがふんわり柔らかく、濃厚なチョコレートの味わいが儚く溶けていきます。

相性の良いワインは、同じくムース、チョコレートの風味に負けない骨太系のシャンパーニュがおすすめです。

▶︎ボランジェ・スペシャル・キュヴェNV

1829年創立のシャンパーニュメゾン。大きなシャンパーニュメゾンとしては珍しく自社畑率が高く6割半をまかなっていることでも知られています。

映画『007』主演のジェームズ・ボンドが愛飲するシャンパーニュとしても知られているダンディなイメージのシャンパーニュですが、イメージだけでなく味わいもダンディなんです。

一次発酵を小樽で行い、コクの深い骨太でダンディな味わいのシャンパーニュを造り出しています。香りは、焼きリンゴや、アカシアの花の蜜、ローストしたアーモンドやトーストの香り、豊かな果実味に、太く穏やかな酸、長い余韻があり、飲みごたえのあるシャンパンです。

一般的には合わないと言われているシャンパーニュとショコラの組み合わせですが、シャンパンの泡立ちによって、口当たりがマッチし、ボランジェならショコラのコクに寄り添えるため、最高のペアリングが叶います。

* 原産国: フランス
* 産地: シャンパーニュ
* 品種: ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエ
* 生産者:ボランジェ
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

オランジェット

オランジェットは、砂糖漬けのオレンジピールをチョコレートでコーティングしたフランス生まれのお菓子です。ほんのり苦味がありつつも爽やかな風味のオレンジピールと濃厚なチョコレートを合わせたバランスの良さが魅力です。

合わせるワインは爽やかなオレンジの風味を引き立てる南アフリカのデザートワインがおすすめです。

▶︎キアモント・フルーフォンティン

南アフリカを代表する自然派ブティックワイナリーのキアモントが手掛ける高品質なデザートワイン。

ドライアプリコットやライチ、オレンジの砂糖漬け、蜂蜜、アーモンド、ベルガモットティー、ヴァニラの香り、しっかりとした粘性で、凝縮した果実味と濃厚な甘さが長く続き、フレッシュな酸が輪郭を引き締めます。

ワインのもつオレンジの砂糖漬けの風味がオランジェットとマッチし、余韻にオレンジの風味が長く続きます。合わせると食べるのが止まらなくなるので注意が必要です。

* 原産国:南アフリカ
* 産地:ステレンボッシュ
* 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
* 生産者:キアモント
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:500ml

プラリネ

プラリネとは、香ばしくローストしたアーモンドやヘーゼルナッツに、砂糖を焦がして作ったキャラメルを加えキャラメリゼにし、ペースト状にして一口サイズのチョコレートの中に詰め込んだものです。キャラメルとナッツにチョコレートは本当に相性が良いですよね。

合わせるワインは、アーモンドの豊かな香りが印象的な甘口のシェリーがおすすめです。

▶︎エミリオ・ルスタウ ペドロ・ヒメネス・サン・エミリオ

1896年創立のスペイン屈指のシェリーメーカー。天日干しにして糖度を高めたペドロ・ヒメネスから造った甘口シェリーです。

甘く煮詰めたアプリコット、レーズン、ミルクチョコレートや黒蜜、甘いコーヒー、シナモン、アーモンドなど複雑な香り、とても滑らかでとろりとした舌触り、凝縮した果実味があり、熟成感のある複雑な風味が贅沢で長い余韻へと繋がります。

プラリネのアーモンドや、ヘーゼルナッツのキャラメリゼの香りと見事同調し、風味を高めます。

* 原産国:スペイン
* 産地:ヘレス・デ・ラ・フロンテラ
* 品種:ペドロ・ヒメネス
* 生産者:エミリオ・ルスタウ
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:750ml

トリュフ

高級食材のトリュフの形に似ていることから名前がつけられたトリュフ。チョコレートに生クリームやバターを加えたものをボール型にまとめて、ココアパウダーなどをまぶしたもので、お店によってレパートリーが豊富にあります。中に本当のトリュフが入っているものもあります。

合わせるワインは、定番のバニュルスですが、とっておきを紹介します。

▶︎バニュルス・サンカンダージュ・ドメーヌ・ド・バヨリィNV ラ・カーヴ・ド・ラベ・ルー

カーヴの名前は19世紀後半に村の教会を修復する資金のために、バニュルス・ワインを販売することを思いつき、最初のネゴシアンを設立したラベ神父の名前を敬意をもって冠しています。ラテン語で黄金の谷を意味するバヨリィの畑は最上の区画です。

アプリコットのコンポート、ドライイチジク、ナツメ、ダークチェリー、オレンジのコンフィ、スパイスや、アーモンド、カカオの香り、滑らかな質感で、凝縮した果実味といい意味での酸化的な個性をもった酸、柔らかく溶け込んだタンニンが一体となり、長く芳醇な香りが押し寄せる余韻へとしなやかに繋がります。

滑らかな質感で口どけのよいトリュフと合い、ワインのカカオの香りが同調し、より豊かに余韻にも香ります。スパイス、アーモンド、トリュフ入りでも、幅広く合わせることができるので、おすすめです。

* 原産国:フランス
* 産地:ラングドック
* 品種:グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・グリ
* 生産者:ラ・カーヴ・ド・ラベ・ルー
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:750ml

是非、ショコラとワインを一緒に楽しんで贅沢なひとときをお過ごしください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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