イタリアの伝統菓子パネットーネとワインペアリング
イタリアの伝統菓子である「パネットーネ」。イタリアのクリスマスに欠かせないお菓子です。
今回は、パネットーネとそのワインペアリングについてお話しします。
イタリアの伝統菓子パネットーネ
パネットーネは、ふわふわのパンのようなイタリアのお菓子で、卵黄をたっぷり使い、バターを練り込んだ生地を発酵させて焼きます。
16世紀、ミラノのパン屋さんがクリスマスに、バターとレーズンの入ったパンを顧客のために作ったのがパネットーネの始まりです。
発酵に時間がかかり、作るのが大変なため、現在では市販のものを買うのが一般的です。バニラの香りがほんのりするやわからい食感は、老若男女から愛され続けています。
パネットーネは、クリスマスの1か月前くらいから店頭に並び始めます。スーパーマーケットで売られている大手製菓メーカーのパネットーネから、近所のお菓子屋さんやパン屋さんの手作りパネットーネまでさまざまです。
パネットーネが出回り始めると、人々はパネットーネを購入し食べ始めます。クリスマス当日にだけ食べるものではなく、クリスマス前から少しずつ食べます。それもそのはず、パネットーネのスタンダードな大きさは1キロ!
イタリアのクリスマスは、東方の三博士がキリストを訪れた公現祭の1月6日まで続くので、その日まで食べ続けます。クリスマスプレゼントとしても喜ばれ、家庭では何個ものパネットーネが消費されます。
レーズンとオレンジピールが入るのが、スタンダードのパネットーネ。アレンジ版としてヴェローナで生まれた「パンドーロ」も、パネットーネと同様にクリスマス時期に食べられます。パネットーネ派かパンドーロ派に分かれるところですが、子どもはパンドーロを好む傾向があります。
最近では、レーズンやオレンジピールが苦手な人のために、チョコレートチップが入っているパネットーネや、レモンクリームが練り込まれているパネットーネもあり、バリエーションが豊富です。
日本でも近年メジャーになってきたパネットーネ。クリスマスの時期にぜひ食べてみてください。
パネットーネの食べ方
パネットーネは、食後のデザートですが、午後のおやつや、朝食にも食べられます。常温保存で日持ちするので、いつでも手軽に食べることができます。
たいてい、切ってそのまま食べられますが、クリームを添えるとリッチなデザートになります。クリームは、ホイップした生クリームでもよいですが、ザバイオーネがイタリア流です。
ザバイオーネはリキュールを使ったクリーム。中世から伝わり、とても人気のあるイタリアのクリームです。ザバイオーネは、パネットーネに限らず、スポンジケーキやシュークリーム、ティラミスにも使うこともできます。
ザバイオーネだけをスプーンですくって食べてももちろんおいしい!そんな万能なザバイオーネのレシピをご紹介します。
【ザバイオーネのレシピ】
▼材料(4人分)
卵黄…4個
砂糖…25g
ヴィンサント(またはマルサラ酒)…70g
▼作り方
① 小鍋にヴィンサントと半分量の砂糖を入れ、弱火で温める。このときに熱くなりすぎないようにする(35度くらい)。砂糖が溶けたら火を止めて置いておく。
② ボウルに卵黄と残りの砂糖を入れ、泡だて器でかき混ぜる。
③ ②に①を入れ、湯せんで、常に混ぜながら加熱する。
④ もったりしてきたら、湯せんから外し、ボウルを氷で冷やしながら混ぜる。
⑤ 盛りつけて出来上がり。
パネットーネのワインペアリング
パネットーネを食べるときに必須なのは、甘口のスプマンテ(スパークリングワイン)です。パネットーネと甘口スプマンテは切っても切れない関係。スーパーマーケットでは、パネットーネと甘口スプマンテがセットになっているパッケージもポピュラーです。
ふわっとした食感のパネットーネと、ほんのり甘い泡のスプマンテは、心地いいペアリング。そして、華やかな泡は、お祝いの時期を盛り上げてくれます。
甘口のスプマンテといえば、アスティ。ピエモンテ州で造られるアスティDOCG(統制保証原産地呼称)は、フレッシュな花の香りとフルーティーな味わいが特徴です。
2020年、「シャンパーニュ&スパークリングワイン・ワールドチャンピオンシップ」では、アクエージのアスティがアロマティック部門の最優秀賞を受賞しました。
世界も認めるアスティは、イタリアを代表するスプマンテのひとつです。アクエージのアスティは、白い花、桃、オレンジピールのアロマがあり、フレッシュな味わいです。
イタリアの偉大な赤ワイン、バローロで有名な老舗ワイナリー、フォンタナフレッダも、アスティを造っています。伝統あるフォンタナフレッダのアスティは、マスカットの香り、アカシアの花の香りがさわやかで、繊細な甘さのバランスもよく、さわやかな飲み口でおすすめです。
まとめ
イタリアの伝統のお菓子パネットーネ。クセになる甘さがイタリアらしい味わいです。ぜひ甘いアスティスプマンテとペアリングして、乾杯してみてください。
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イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
▶︎フィレンツェ・イン・タスカ
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