ペアリングワイン

B級グルメとワインペアリング

庶民的で美味しい料理『B級グルメ』にもビールではなく、ワインを合わせて楽しみたい。そんな時に、ぜひ参考にしてください。

旨さを倍増させるワインを飲むことで、B級から、A級グルメに昇格すること間違いなしです!

ハンバーガー

ハンバーガーは、甘辛い照り焼き、チーズバーガーなど子供の頃から大好きな人が多いですよね。

私がオススメするのは、イタリアのランブルスコとカリフォルニアのジンファンデル。やや果実の甘味のある渋みの控えめのワインと合わせてみてください。パンズや、ソース、パティの甘さをより引き出してくれます。

ランブルスコは、残糖分のあるドルチェがおすすめです。微発泡の泡も心地よく食欲を刺激します。ジンファンデルをカジュアルにコーラで割って飲むのもオススメです。

グランディ・コルディス・ランブルスコ・ドルチェ / チェヴィコ

ランブルスコの世界的ブランドであるチェヴィコの造るランブルスコ・ドルチェは、甘さがありつつも繊細な味わいです。フレッシュなイチゴ、イチジクのコンポート、スミレの砂糖漬けの芳醇な香り。変に甘ったるいところがなく、優しい甘さに、スムースな口当たり。気軽に飲める値段も魅力的な1本です。

オールド・ヴァイン・ジンファンデル・カリフォルニア・スモーキング・ルーン / ドン・セバスチャーニ&サンズ

コストパフォーマンスの高いカリフォルニアワインを造る名門ワイナリーのワイン。プラムや、ダークチェリー、クローヴ、ヴァニラや、スモーキーな香り、甘やかでジューシーな果実味に、フレッシュな酸と、穏やかなタンニンがあります。これぞジンファンデルな1本です。

お好み焼き

甘くコク深いスパイシーなソースと、マヨネーズのクリーミーな質感と酸味があるソースの味わいが特徴的ですが、繊細なワインを合わせると、ワインの繊細な味わいが、濃厚なソースに負けてしまいます。このソースの要素とばっちり合わせる必要があります。

チリ、南フランスで造られているカリニャンのワインがオススメです。合わせると風味が増長して感じられるので、満足感も上がります。カリニャンのジューシーな酸のおかげで、食が進み、何枚も食べたくなってしまうので注意が必要です。

ル・カリニャン・ド・ラ・ソース / ドメーヌ・フォン・シプレ

世界遺産の城塞都市カルカッソンヌを東に30km進んだところにあるドメーヌ・フォン・シプレ。フレデリック・コサールの影響で、自然な栽培に目覚めたドメーヌが、ワイン造りの変革を行い、濃厚ながらも繊細さのあるワインに進化しました。ドライプラムやダークチェリー、リコリス、キャラメル、カカオの複雑な香り、豊かでコクのある果実味に、しなやかな伸びのある酸と溶け込んだタンニンが纏まりのいいワインです。

焼きそば

スパイシーかつコクが豊かな味わいの焼きそばは、胡椒をたっぷりかけて、コート・デュ・ローヌの赤ワインを合わせてみてください。さらにスパイシーさを引き出して、より刺激的な味わいになります。

シラーに含まれる胡椒の香りはロタンドンといい、オーストラリアのシラーズには含有量が少ないので、フランスのコート・デュ・ローヌのワインがオススメです。

コート・デュ・ローヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ / ドメーヌ・ダンデゾン

環境保全に力を入れるテラ・ヴィティスのメンバーであり、その全員が、エステザルク葡萄栽培組合という小規模組合の一員です。1/3をドメーヌ名で出荷し、1/3を組合名、1/3をネゴシアンへの売却します。ブドウ畑は個々で管理しますが、設備や農具は共有するシステムです。

このコート・デュ・ローヌは、珍しくシラー100%。二つの異なる産地、異なるキャラクターのシラーをブレンドしているので、スパイシーさフルーティーさを兼ね備えたワインに仕上がっています。ワイルドストロベリーや、カシスのコンポート、コショウの香り、ジューシーで凝縮感のある果実味があり、穏やかな酸と溶け込んだタンニンの纏まりがいいワインです。

たこ焼き

たこ焼きは、中の出汁とタコの旨味を充分に楽しむ為に、かけるソースは少なめ、もしくは無しで、優しい甘さのあるデラウェアのスパークリングワインと合わせてみてください。

たこ焼きのトロっとした食感に、少し甘さのある生地がデラウェア独特の甘さとよく合い、出汁とタコの旨味も上手く引き出して楽しむことができます。

てぐみ・プチ・デラウェア / 丹波ワイン

大阪のお隣京都にある丹波ワインのやや辛口のスパークリングワイン。酸化防止剤を一切使わず、濾過もしていない為、旨味たっぷりのうす濁りの生詰スパークリングです。

ミラベルやリンゴなどの黄色いフルーツや、ミントの香り、デラウェアらしい優しい甘味があり、フレッシュな酸と、オレンジの果皮のような心地よい苦味があり、プチプチと弾ける泡がジューシーな1本です。

餃子

餃子とワインを合わせるポイントは、中の具材のニラの風味が大きく作用します。オススメはレモングラスのような風味のあるヴィオニエ、そして、ジャスミンのような香りのあるトロンテスです。どちらもニラの風味とよく合い、エスニックな風味を高めてくれます。

ヴィオニエ・バラエタル / コノスル

チリの名門コノスルのヴィオニエです。アプリコット、白桃のコンポート、レモングラスなどアロマティックな香り、滑らかな口当たりで、豊かな果実味に、しなやかな酸、レモングラスを食んだような微かな苦味があります。

ミッシェル・トリノ・クマ・オーガニック・トロンテス / ボデガ・エル・エステコ

アルゼンチンのエル・エステコによるオーガニックシリーズ。標高の高い環境で寒暖差は25℃にも及びます。

名産地カファジャテで栽培され、豊かな酸を携えたトロンテスは、ジャスミン、白桃のコンポート、ライチの豊かな香りに、豊潤な果実味を引き締める溌剌とした酸があります。

牛丼

甘辛いタレの牛丼は、玉ねぎと牛肉のメイラード反応の甘やかさと、合わせてアモンティリャードを合わせます。より甘く、コクが増長するのでオススメです。

アモンティリャード・ロス・アルコス / エミリオ・ルスタウ

一人のアルマセニスタ(古くからボデガを持ち、代々受け継ぐシェリー樽を200樽以上所有している人のこと)によって設立されたエミリオ・ルスタウは、現在わずか50名ほどのアルマセニスタと個々に契約を結んでいます。

名前や、タイプ、それらの樽数などをエチケットに記入し、個人消費されることが多かった希少な彼らのシェリーを、ルスタウは製品化し、販売し続けています。

レーズン、ヴァニラ、ヘーゼルナッツ、モカや栗の熟成感のある香りに、果実の凝縮したコクと丸みのあるテクスチャーに、ドライな余韻が引き締めます。

B級グルメとワインの組み合わせは、日常の食事+日常のワインで、美味しい化学反応が起きる楽しみを味あわさせてくれます。その為には、ちょっとしたワイン選びのコツや、料理とワインを繋ぐちょっとした工夫が架け橋になってくれます。

楽しいワインライフをお過ごしください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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