ペアリングワイン

夏カレーとワインのペアリング!

猛暑が続くと無性にカレーが食べたくなるのはなぜでしょうね。昨今、「カレーとワイン」のペアリングはメディアや雑誌などでも多く見かけるようになってきました。単にカレーと言ってもその種類はとても多いですよね。

◎人参、じゃがいも、たまねぎがゴロゴロ入った「グランドマザーカレー」的なもの

◎炒め玉ねぎとハッシュドビーフを使った「欧風ホテルカレー」的なもの

◎数種類のスパイスを調合した「本格インドカレー」的なもの 等

また、季節や気分でその日食べたいカレーも変わってきますよね。同時に合わせる飲み物も、ビール、ラッシー、ワインとあり、組み合わせも色々。

今回は、かなり個人的見解が入りますが、私が「ワインに合う」と思う「カレーのタイプ」と「ワインのタイプ」をご紹介します。

ワインに「合うカレー」と「合わないカレー」とは

冒頭にも書きましたが、カレーには色々なタイプがあります。味わいの点で大きく分けるなら「甘口」と「辛口」。

「甘口」と言っても、お子様カレーのような甘さではなく、玉ねぎやエシャロット・セロリなどの香味野菜をじっくり炒めた甘味のきいた「欧風ホテルカレー」タイプであれば、ワインの果実味・甘みと同調してとても良く合います。

逆に、玉ねぎをじっくり炒めるのではなく、他の野菜と一緒に煮る「グランドマザーカレー」タイプはワインよりもビールや冷え冷えの麦茶がよく合います。

そして「辛口」。「夏カレー」と言えば、やはり刺激味を楽しめるスパイシーなタイプが美味しいですよね。だからと言って、青唐辛子やハバネロ、タバスコなどの舌への刺激が強いものは、当然ですがワインよりは「ラッシー」や「牛乳」が良いでしょう。

同じ刺激味でも舌がピリピリするようなものではなく、「クローブ」「シナモン」「ターメリック」「コリアンダー」「クミン」などのスパイスを使ったカレーはワインと相性が良いです。

奥深いスパイスの香りは、ワインの中にも共通して存在しています。これらのスパイスを使用した「インドスパイスカレー」の様なタイプはワインと良く合いますよ。

カレーとワインを合わせるときのマイルール

「今日はカレー」という日のマイルールは2つです。

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*あまり高いワインとは合わせない
*ワインと相性の良い食材を隠し味に入れる
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高いワインは言わずもがな、繊細で複雑味があり余韻もとても長いものが多いですよね。どんなに美味しいカレーでもカレーの味の主張が大きく、繊細なワインの味わいを100%味わうには少し勿体ない気がしませんか。ペアリングを考慮してワインを選べば、カジュアルなもので充分美味しくペアリングを楽しむことができます。

また、カレー側にもひと手間を加えます。ジャムやチョコレート、カカオニブ、コーヒーなど、ワインから感じとることができる味わいの要素を何か1,2品隠し味として入れます。コクが出て美味しさも、ペアリングもアップグレードしますよ。

「フォン・ド・ヴォー」を使ったマイルドな「欧風ホテルカレー」におすすめのワイン

▶︎タイ・ロッソ ダニエーレ・ポルティナーリ

子牛の肉や骨で出汁をとり、タマネギ,ニンジン,セロリ,トマト,ニンニクなど香味野菜を炒め、長時間煮込んだ「フォン・ド・ボー」を使ったカレーはとても上品な味わいに仕上がります。

このダニエーレ ポルティナーリ が手がけるタイロッソという品種(旧:トカイロッソ)は、北イタリアの土着品種です。果実味からくるベリーの甘酸っぱさと、柔らかなタンニンや旨味が「フォン・ド・ボー」とよくペアリングします。

*原産国:イタリア
*産地 :ヴェネト
*生産者:ダニエーレ・ポルティナーリ
*品種 :タイ ロッソ(トカイ ロッソ)
*容量 :750ml

スパイス香るマイルドな「本格インドスタイルのカレー」におすすめのワイン

▶︎マカシヴィリ・ワイン・セラー キシィ

KISI(キシィ)という品種はあまり、聞きなれないかもしれませんが、ジョージアでは代表的な白ブドウ品種です。

店員さんにおすすめを聞くと、エキゾチックなインドタイプのカレーには、フランスアルザスに代表される、ゲヴェルツトラミネール品種をすすめられることが多いです。ゲヴェルツトラミネールの香り、甘みがスパイシーな料理と違和感なく馴染むからです。

このKISI(キシ)にもまた、白桃やメロン、赤いリンゴなどの甘みや、クローブやスターチスなどのスパイスのニュアンス、ナッツの余韻が感じとれます。

この複雑な味わいと香りの要素が、スパイスを沢山使うインドスタイルのカレーと上手くペアリングし、よりエキゾチックなコクを感じられると思います。

*原産国:ジョージア
*産地 :カヘティ
*生産者:ヴァジアニ・カンパニー
*品種 :キシィ100%
*容量 :750ml

「夏カレー」と合わせる万能「夏泡」.。o○

▶︎ランブルスコ バーチョ NV カンティーナ チェーチ

見た目にもとてもアイキャッチーで、一度見たら忘れられないインパクトのあるスパークリングワインですよね。

既にご存じの方も多いかと思いますが、あの元サッカー選手(日本代表)の中田英寿氏プロデュースのイタリア赤泡「ランブルスコ」です。

程よいタンニンと甘み・果実味・酸味のバランスがよく、上品な欧風スタイルのカレーとよく合います。また、柔らかな微発泡は、スパイシーなカレーの刺激味と調和します。

猛暑が続くこの時期は、この赤泡(ランブルスコ)をしっかり冷やして、ちょっとスパイシーなカレーを楽しむのもおすすめですよ。

*原産国:イタリア
*産地 :エミリア ロマーニャ
*生産者:カンティーナ チェーチ
*品種 :ランブルスコマエストリ *容量 :750ml

いかがでしたでしょうか。カレーは今や、様々なタイプがありますよね。ワインと同様奥深い世界だと日に日に感じています。季節や気分に合わせて、どんなカレーに、どんなワインを合わせるのか考えるのも楽しい時間です。今晩は「カレー」にしませんか?

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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