ペアリングワイン

冷やして美味しい赤ワイン!チルドレッドのワインペアリング

ワインを美味しく楽しむ上で『温度』はとても大切な要素です。一般的に白ワインは6℃~9℃、赤ワインのライトボディなら12℃~14℃、フルボディなら15℃~18℃が美味しく飲める目安と言われています。

今回は、そんな常識を覆す、冷やして美味しい赤ワイン!『チルドレッド』の楽しみ方をご紹介いたします!

チルドレッドとは?

主に欧米で支持されている赤ワインの楽しみ方、チルドレッドは3℃〜7℃程度に冷やして味わいます。

冷蔵庫、もしくは冬場ならば外気温程度のキンキンに冷えていると感じる温度ですね。

では、どのようなタイプの赤ワインがチルドレッドに向いているのでしょうか?

具体的には以下のような特徴の赤ワイン選びをおススメします。

◎果実味豊かでジューシー、フレッシュな味わいの赤ワイン。
◎酸味が多い、もしくはやや甘めの赤ワイン。
◎価格帯1000円~3000円程度の、比較的安価で熟成年数の若いワイン。

逆にチルドレッドに向いてないのは、以下の特徴の赤ワインです。

●タンニンが多く、渋みや重厚感を感じる赤ワイン。
●長い熟成年数を経て、樽香や複雑味を持つ赤ワイン。
●価格帯でいえば5000円以上のいわゆる高級赤ワイン。

上記のようなワインは、温度を下げることでその魅力が閉じこもってしまい、十分に味わうことが出来ません。

セラーや室温で管理し、セオリー通りの温度で飲むことで、そのポテンシャルをいかんなく発揮してくれるでしょう。

次に、『チルドレッド』に最適な赤ワイン2本とおすすめのペアリングをご紹介いたします。

冷やしても美味しい!おすすめのチルドレッドワイン

▶︎ボージョレ・ヴィラージュ キュヴェ・カー・ヴェー・カリーム・ヴィオネ

* 原産国:フランス
* 生産地:ブルゴーニュ地方 ボージョレ地区
* 生産者:カリーム・ヴィオネ
* 品種:ガメイ100%
* タイプ:ミディアムボディ
* 容量:750ml

モルゴン村周辺では彼を知らない人がいないほどの人気者、カリーム・ヴィオネ(Karim VIONNET)は、ボージョレを愛し、ガメイを愛し、地元から熱烈に愛される男です。

彼のドメーヌは、ボージョレ地区のモルゴン村、コート・ド・ピィの丘の麓に位置しており、計5haの自社畑をほぼ1人で管理しています。

ブドウ品種は黒ブドウのガメイ種のみ。樹齢平均40年のブドウ樹を所有しており、畑は100%ビオロジック。

彼の造るボージョレは、酸とボリュームとのバランスに高い評価を得ており、最近では収穫したブドウを冷やすための手製の冷蔵室をカーヴに設置するなど、更なる品質向上を目指しています。

今回ご紹介するワインは、収穫したガメイを日本酒造りにも使われる鉄製のホーロータンクで7日~9日間マセラシオン・カルボニックで醸した後、タンクで6ヶ月熟成しています。

ブルーベリーやミュールなどの黒い果実の甘い香りにオレンジピールなど柑橘の香りがほんのり重なり、カリームの理想とする果実味豊かでジューシーなワインのど真ん中を行くスタイルに仕上がっています。

彼いわく驚くほど艶やかで、「ビロードのような」という表現に相応しいテキスチャーを持っています。パリではビストロの間で人気を博し、日本ではワインのプロの間で話題になりました。

ワイン造りに日本人が協力してくれたこともあり、カリームは日本が大好きなのだそうです。彼の名前カリーム・ヴィオネ「KV」がエチケットに描かれ、その「KV」を囲う○は日の丸をイメージしています。

【おすすめのペアリング】
赤身牛肉の旨味がたまらない、ローストビーフ!

◎ペアリングのポイント
今回のワインが持つ果実味豊かなジューシー感は、キリッと冷やした後も失われず、よりみずみずしさを発揮します。

そんなワインには、旨味豊かな肉厚のローストビーフはいかがでしょうか。両者の相性はその鮮やかな色合いも◎。

想像しただけで、思わずヨダレが..!ワインのフルーティな香味とローストビーフの焼き目の香ばしさも絶妙なマリアージュを感じさせてくれます。

▶︎ガヴィオリ・ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ・アマービレ

* 原産国:イタリア
* 生産地:エミリア・ロマーニャ州
* 生産者:ガヴィオリ
* 品種:ランブルスコ種100%
* タイプ:微発報、やや甘口
* 容量:750ml

続いては、こちらのワイン。

ランブルスコは、イタリアのエミリア・ロマーニャ州の伝統的な弱発泡性赤ワインです。

アルコールがやや低めで微発泡性、やや甘口といった特徴を持っており、ランブルスコというのはブドウの品種名でもあります。

細かくクリーミーな泡はランブルスコ最大の特徴!

『グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ』は、ランブルスコの中でも特にコクのある贅沢なタイプとして知られており、わずか3つの産地だけが名乗ることができるDOC格付けの特別区画です。

今回ご紹介するのは、1794年からランブルスコを造り続けるガヴィオリの超特別区画からできる一本。

まるでクリームのようなキメの細かい泡に、濃厚紫のインクのような色あい。口に含むと薔薇の花びらのような贅沢で甘い香りが広がり、高級ブドウを使用しているからこその極めてエレガントな長い余韻を味わえます。

地元イタリアではキーンと冷やしたランブルスコと高級パルマの生ハムやパルメザンチーズのワインペアリングが愛されています。

【おすすめのペアリング】
自家製でも意外と簡単、燻製の盛り合わせ!

◎ペアリングのポイント
ランブルスコの持つ優しくクリーミーな甘みと、燻製の塩気は相性抜群!本場イタリアでも生ハムやサラミ、チーズなどやはり塩気の多いものとのペアリングされることが多いようです。

口の中の燻製の香味や油分とランブルスコの細かい泡が調和してくれるのもgood!果実味豊かな余韻が残り、得も言われぬ満足感に包まれます!

まとめ

いかがだったでしょう?ワインの楽しみ方には、『適した温度』や『適したグラスの形』『ペアリングするべき料理』などの一種のセオリーのようなものが存在することは確かです。ですが、チルドレッドのようにセオリーに少しの変化を加えることで、思わぬオリジナルの味わい方をみつけることもできます。

自分だけの楽しみ方を発見するのもワインの魅力かもしれませんね。

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Yuhei Shioya

JSA認定ソムリエ / フリーライター

横浜で30年以上の歴史を持つオーセンティックバーのマネジャーを経験。
ウイスキー、ワインをはじめとした酒類全般、ペアリングの分野で幅広い見識を持つ。現在はこれまでの経歴を活かしフリーライターとして、酒類やペアリング、翻訳業など、執筆を生業として活動している。
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