ペアリングワイン

イタリア式ランブルスコのペアリング

ランブルスコは、若々しいルビー色、微発泡のさわやかさ、アロマティックな香り、フルーティーな味わい、そして気軽な値段で、イタリアでも日本でもとても親しまれているワインです。

カジュアルに楽しむことができるワインなので、あまりペアリングは考えずに、デイリーのさまざまな料理に合わせてゴクゴク飲んでいませんか?

でも、ランブルスコこそ、ペアリングすべき料理があるのです!今回は、ランブルスコのペアリングをご紹介します。

ランブルスコの魅力

ランブルスコは、アルコール度数が低く、タンニンが控えめです。冷やして飲むので、さわやか感もあります。そのフレッシュさから、赤ワインというより白ワインのように飲むことができます。

こんなに有名なのに、格付けはDOCGではなく、DOC。ひとことでランブルスコといっても種類があります。「ランブルスコ・ディ・ソルバーラ」は、フレッシュでスミレのニュアンスがいかにもランブルスコらしく、イタリアでは一番人気です。

「ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ」は、色が濃く、ミックスベリーや熟したブドウの香りがあり、しっかりした味わい。

「ランブルスコ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェ」は、前述二つの中間といってよい存在です。

評価の高いランブルスコは、「カンティーナ・チェーチ」の「オテッロ・ネロ・ディ・ランブルスコ」。ベリー系の果実とスミレのニュアンスがあり、味わいはまろやかで、なめらかな口当たり。微発泡のさわやかさと、主張しすぎないタンニンとのバランスがとれています。

アペリティーボのペアリング

フローラルでフルーティーなランブルスコは、食前酒として飲まれることもあります。アペリティーボの際のペアリングは、なんといってもモルタデッラ。ボローニャ・ソーセージともいわれるこのハムは脂分がたっぷりあります。

ランブルスコの泡が、その脂分をさわやかに包み込んでくれます。モルタデッラはスライスではなく、ぜひ角切りの一口サイズにしてください。そうすると、モルタデッラの脂の味が感じられ、ランブルスコとのペアリングもさらにおいしくなります。つまようじで刺してパクパク食べると、後をひくおいしさ。友だちと楽しむアペリティーボ・タイムにはもってこいです。

ランブルスコのペアリングの代表

ランブルスコのペアリングといえば、だれもが最初に挙げるであろう代表格の料理ラザニアです。ランブルスコもラザニアも、エミリア・ロマーニャ州のもの。イタリアでは、その産地のワインと郷土料理がペアリングの基本の方法です。

ラザニアは、ミートソースとベシャメルとパルミジャーノチーズの組み合わせがどっしりとした味わいなので、しっかりとした赤ワインを合わせたくなるかもしれません。でも、重たい赤ワインを合わせると、ラザニアがさらに重たくなってしまいます。

ラザニアは、イタリア人みんなが愛する家庭料理。イタリアでは、日曜日に家族そろって昼食をする習慣があります。実家に帰ってくる息子や娘のために、母親が作る日曜日の定番料理がラザニアです。小人数分作ることが難しい料理ですので、人数が集まるときに料理します。おもてなし料理として最適です。

レストランでも人気メニューのイタリアを代表するラザニア。ぜひ作ってみてください。イタリアのマンマは、パスタも手打ちしますが、パスタマシンがないとのばすのが難しいので、ここでは市販のパスタのレシピをご紹介します。

【ラザニアのレシピ】
▼材料(6人分)
ラザニア用パスタ…360g
パルミジャーノチーズ…80g
バター…30g

<ミートソースの材料>
牛ひき肉…150g
生ハム(ない場合は牛ひき肉)…150g
バター…30g
濃縮トマトペースト…大さじ1
白ワイン…100ml
ブイヨン…250ml
玉ねぎ…1個
ニンジン…1本
セロリ…1片
塩胡椒 適量

<ベシャメルソースの材料>
バター…70g
小麦粉…50g
牛乳…750ml
ナツメグ…適量
塩胡椒…適量

▼作り方
<ミートソース>
① 玉ねぎ、ニンジン、セロリをみじん切りにする。生ハムは角切りにする。
② 鍋にバターを熱し、①を弱火で炒める。
③ ひき肉を②に加え中火で炒め、ワインを入れて、肉に色がつくまで炒める。
④ 少々のブイヨンにトマトペーストを溶かして③に加える。
⑤ 時々ブイヨンを加えながら、弱火で約1時間煮込み、塩胡椒で味を調える。

<ベシャメルソース>
⑥ ミートソースを煮込んでいる間に、ベシャメルを作る。別の鍋にバターを熱し、小麦粉を少しずつ加え、木べらで混ぜる。
⑦ 温めた牛乳を少しずつ⑥に加え、ダマにならないように混ぜながら、弱火で約10分熱し、ナツメグと塩胡椒を加える。

<ラザニア>
⑧ パスタは、たっぷりの塩を入れたお湯で茹で、お湯を切って布の上に置いておく。
⑨ 耐熱皿に20gのバターを塗って、パスタ、ミートソース、ベシャメル、パルミジャーノチーズの順番にくり返し重ね、層にしていく。一番上は、ベシャメルになるようにする。
⑩ ベシャメルの上に残り10gのバターをのせ、パルミジャーノをかけ、200度のオーブンで約20分焼く。焼き色がついたら出来上がり。

おうちでわいわい楽しむシーンにピッタリのランブルスコ。ぜひ、イタリアの伝統料理のラザニアと楽しんでみてください。

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太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
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