ペアリングワイン

今が飲み頃?!本当に旨いボージョレ・ヌーヴォー♪

自然派ボージョレ・ヌーヴォーのすすめ

毎年11月の第3木曜日に解禁されるボージョレ・ヌーヴォーは、本来は農民たちがその年のブドウの収穫を祝って飲むワイン。日本ではバブル景気が後押しし、プロモーションが大成功!かつては輸入量が世界第一位に輝いた時期もありました。今では人気が下火になり、輸入量はアメリカに抜かれ、一昔前のお祭り騒ぎは何処へやら。「ボージョレ・ヌーヴォーは美味しくない。」とネガティブな評判まで広まってしまいました。

確かに、スーパー等で購入できるような工業的に造られた安価なボージョレ・ヌーヴォーは口に合わないという方も多いかと思います。しかし、ボージョレは自然派の神様マルセル・ラピエールの偉大な影響もあり、自然派の造り手も多く、新しい世代の生産者が参入したり、ピノ・ノワールの系譜であるガメイからブルゴーニュの素晴らしいピノ・ノワールを彷彿とさせるようなワインが次々と生まれています。

彼らの造るボージョレ・ヌーヴォーは、工業的に造られた安価なボージョレ・ヌーヴォーとは全くの別物です。そして、ブルゴーニュのコート・ドールと比べ、リーズナブルな価格で楽しめるので、肩肘張らないデイリーワインとして気軽に楽しめるのも魅力の一つです。瓶詰めされてから半年後くらいから味わいが落ち着いてくるので、味わいを楽しむなら飲むタイミングは解禁日ではなく今がおすすめです。

今回は、おすすめの造り手のボージョレ・ヌーヴォーを紹介します。見かけたら是非手に取ってみてくださいね。

ボージョレ・プリムール・セレネ ラ・タルバルド

今はこんなヌーヴォーがあるんだ!と嬉しい驚きをくれるのが、船便でのんびり日本へやってくるラ・タルバルドのセレネ。シルヴェールが造るワインは、昔ながらの美味しさを体現し、透明感のあるピュアな果実味が溢れています。彼は子供の頃からブドウ畑で叔父さんの手伝いをし、2012年よりブラッセ村のブドウ畑を引継いでワイン造りを始めました。

このワインのオシャレで印象的なデザインのエチケットには、ギリシャ神話に登場する月の女神セレネが描かれ、ビオディナミを象徴しています。

摘みたてイチゴや赤スグリ、スミレなど可憐でフローラルな香り。透明感溢れるピュアなエキス感に、繊細なミネラルによる瑞々しさ、中程度のタンニンによって輪郭がしっかりと感じられます。

スルスルとした飲み心地の良さで気付いたらあっという間にグラスが空になってしまいます。自然派ヌーヴォーならではの身体に沁み込むような優しい風味が魅力です。

ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー レミ・デュフェイトル

2006年よりブドウ栽培を開始し、2011年にドメーヌを立ち上げたレミ・デュフェイトル。モルゴンの巨匠ジャン・フォイヤールに見出され、瞬く間に人気生産者の仲間入りを果たしました。

このワインは、ブルイィにほど近いサン・テチエンヌ・ヴァレンヌなど樹齢60年のガメイから造られます。ガメイを全房でコンクリートタンクにてマセラシオンカルボニック。補糖等は一切行いません。醸造中も瓶詰め時もサンスフル無添加で仕上げています。

よく熟したダークチェリーやフランボワーズの香りが溢れ、味わいにも繊細な果実味が前面に出たチャーミングなスタイル。この繊細な味わいの広がりは工業的なヌーヴォーにはとても表現できません。レミのワインは、よりエレガントなスタイルのブルイィもおすすめです。

ボージョレ・ヌーヴォーの廃棄問題

あまり世に知られてはいないかもしれませんが、スーパーや百貨店のワイン売り場等で大量に仕入れられた工業的なボージョレ・ヌーヴォーは売れ残ってしまうと保管するコストをかけないよう大量廃棄されてしまうことも少なくありません。

ワインは賞味期限があるものではありません。「調理用に使ってください。」と、より安価な価格で飲食店等に販売するところもありますが、それにも運送コストや人件費等の費用がかかってしまうため、やらずに廃棄してしまうのです。

今は日本でもSDGsが推進されて、食品ロスが問題視されていますが、未だに廃棄されてしまうワインがある現状。ワインに限らずですが、廃棄されてしまうのはとても残念なことです。

少しでもムダを無くすよう考え、個人や企業がこの問題に取り組むためにももっと問題意識を持つ必要があります。これからの時代は、SDGsの観点からも、環境に配慮した栽培・醸造を行う自然派のボージョレ・ヌーヴォーがおすすめです。

少し値が張るかもしれませんが、造り手を応援する気持ちや、ワインや地球環境への愛をもって、是非お楽しみいただければと思います。

Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」や「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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