ペアリングワイン

本場イタリア流カルボナーラに合うワイン

イタリア料理の中で最も有名な一品といっても過言でないカルボナーラ。日本でもイタリアンレストランのみならず、家庭でもよく食されるパスタ料理かと思います。

そんな大人気のカルボナーラですが、ワインとのペアリングとなると意外に悩みませんか?

今回は、本物のカルボナーラとは何なのか、そして本場イタリアではどのようなペアリングが楽しまれているのか、現地の情報をお伝え致します!

カルボナーラの歴史

まず最初に、カルボナーラの発祥について。実は様々な説がり、炭焼き職人(イタリア語でCarbonaro)が似たパスタ料理を食べていたから、あるいは第二次世界大戦中、ローマに駐留していたアメリカ兵が地元のトラットリアにベーコンを持ち込み、パスタ料理に使って欲しいと頼んだことから、このどちらかが有力と見られます。

いずれにせよ、「カルボナーラ」という名が使われるようになったのは比較的最近で、1950年にイタリアの新聞が「アメリカ兵がローマで好んで食べるパスタ、カルボナーラ」という記事を出したが一番最初であると言われています。

イタリアでも大人気の一品ですが、こちらでは「ローマの郷土料理」という認識が今でもとても強いです。

本物のカルボナーラとは?(レシピ付き)

続いて、本場で作られるカルボナーラをレシピ付きで説明しますね。

生クリームは使いません!日本では生クリームや牛乳入りのものが主流かと思いますが、イタリアではNGです。

イタリア人に「カルボナーラに生クリームを入れる」というと、大抵の人が激怒します、ご注意ください!

まず最初に材料(二人前)
・スパゲッティ(あるいはリガトーニ)…200g
・卵黄…3つ
・グアンチャーレ(あるいはベーコン)…80g
・ペコリーノロマーノ(あるいはパルメザン)…35g
・黒こしょう…適量
・塩(パスタを茹でる用)…適量

グアンチャーレとは、豚の頬肉を香辛料とともに塩漬け、熟成したものであり、特にイタリア中部でよく食されます。

上記の写真の下方のものです。通常のベーコン(イタリア語でパンチェッタ)と比べ、圧倒的に脂肪分が多く、この脂がグアンチャーレの1番の魅力です。

炒めるとカリカリに仕上がり、お肉は口の中でとろけます。炒めた際に出る油はソースにそのまま使い、濃厚な仕上がりになる秘訣でもあります。

もう一つの違いは、グアンチャーレは燻製されないためクセのない味わいです。

チーズは見つけられたらぜひペコリーノロマーノを使用してください。こちらはローマが位置するラツィオ州を代表する羊乳から作られるチーズです。

見た目はパルメザンに似ていますが、ペコリーノの方が塩気が強く、少しスパイシーな味わいです。

パルメザンで代用してもいいのですが、パルメザンはデリケートなチーズなので最終的なソースの「しまり」に違いが出てきます。

また、この塩っぽいペコリーノ、グアンチャーレを使用するためソースにお塩を加える必要はありません。

では作り方を見てみましょう。

①沸騰したお湯に塩を加え、パスタを茹でます。

②パスタを茹でている間に刻んだグアンチャーレをカリカリになるまで炒めます。炒め終わったら焦げないように一度フライパンから取り出します。油は使いますのでそのままフライパンに残してください。

③ボウルに卵黄、ペコリーノ、パスタの茹で汁を大さじ1加えよく混ぜます。

④茹で上がったパスタを②のフライパンに入れ、グアンチャーレ、③の卵黄液を加えよく混ぜます。この際、火にはかけません!

⑤仕上げに黒こしょう、お好みでペコリーノを振りかけ完成です。

意外とシンプルですよね?このやり方ですと濃厚なカルボナーラが失敗いらずで作れますよ。

最後に湯煎することも可能ですが、うまくいかないと卵黄がスクランブルエッグ状態になってしまうので私は基本やりません。代わりに新鮮な卵をお選びください!

カルボナーラ、ワインペアリングのポイント

カルボナーラが完成したところで、ワインペアリングのポイントを見ていきましょう。

余談となりますが、イタリア人は愛国心が強く、ワインは基本イタリアワインしか飲みません。もちろんプロであれば他国のワインも飲みますが、一般的には国産のものを好んで飲みます。

ですので、イタリア人に「カルボナーラに合わせるワインは?」と聞けば、皆口を揃えてイタリアワインを挙げます。

ペアリングを考える際に、卵黄、グアンチャーレから生まれる旨味、ペコリーノの塩気、そして黒こしょうのスパイシーさ、これらの要素に注意を払う必要があります。

濃厚な味わいに負けない風味の豊かなフルボディ、そしてある程度の酸味を持つワインを選びましょう。

しかし上記だけの条件ですと、スパークリング、白、赤、どれでも合う気がしますよね?

はい、実はそうなのです!最後は自分の好みでワインをチョイス出来ます。それでは一つずつ見ていきましょう。

カルボナーラに合うおすすめワイン3選

▶︎フェッラーリ・ペルレ・ミレジム

イタリアのスパークリングワインの代名詞である、フェラーリ社。中でもこちらの一本はイタリアのワイン好きから好まれて飲まれる一本です。

山岳地帯で栽培されるシャルドネの特徴であるフレッシュさが最大限にいかされています。

* 原産国:イタリア
* 産地:ロンバルディア州
* 品種:シャルドネ
* アルコール:12.5%
* 容量:750ml

▶︎フラスカーティ スペリオーレ エポス ポッジョ レ ヴォルピ

こちらはローマっ子が太鼓判を押す一本。郷土料理には郷土ワイン!

フラスカーティは、ラツィオ州を代表する白ワインで、豊かなフルーツ&フローラル香の中に苦味、酸味から生まれるフレッシュなミネラリティを持つのが特徴です。

カルボナーラに合わせる定番の一本ですよ。

* 原産国:イタリア
* 産地:ラツィオ州
* 品種:マルヴァジアディカンディ50%, マルヴァジアディラツィオ40%, トレビアーノ10%
* アルコール:13%
* 容量:750ml

▶︎スキアーヴァ ホフスタッター

ラストは赤ワイン。カルボナーラとペアリングするのに一番難しいのが赤ワインです。

と言いますのは、タンニンが強すぎてしまいますと、口の中が乾燥しているかのような感覚を与えてしまうからです。

赤ワインを選ぶ際はこちらの一本のようにタンニンの少なく、フレッシュでフルーティーなものを選びましょう。

イタリアワインならスキアーヴァの他にバルベーラ、フラッパート、スキオッペッティーノがオススメです。

* 原産国:イタリア
* 産地:トレンティーノ アルト アディジェ州
* 品種:スキアーヴァ、一部ラグレイン
* アルコール:13%
* 容量:750ml

おわりに

本場流カルボナーラのペアリング、いかがでしたか?ぜひご自宅でも本物カルボナーラとイタリアワインを楽しんでくださいね!

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ヘスリンク ニコル

フォトグラファー
イタリアワイン連盟(FISAR)公認ソムリエ & WSET Level3

フィレンツェの美大を卒業した後、イタリアマルケ州にてフリーランスのフォトグラファー/ライターとして活動。
個人では行きづらい、ディープなイタリアを日本の方々に紹介したいと、エノガストロミーを題材とした現地ツアー会社Lu Girettuを設立。 ヘスリンク ニコルの記事一覧 

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