ペアリングワイン

イタリア・ローマ名物のパスタに合うワイン

イタリア、ローマの名物パスタ料理といえば、スパゲッティ・カルボナーラ。日本でもなじみのあるカルボナーラは、ご存知、卵を使ったとろとろのソースです。

今回は、このローマ名物のパスタとそのペアリングワインについてご紹介します。

ローマ名物カルボナーラ

ローマ名物のパスタ、カルボナーラ。世界で有名になったカルボナーラは、いろいろなアレンジ・バージョンが存在します。 ここでは、本場のカルボナーラをご紹介します。

材料は、とってもシンプルです。キーポイントは、「グアンチャーレ」と「ペコリーノ・ロマーノ」。グアンチャーレは、豚ほほ肉の塩漬け。パンチェッタとよく似ていますが、パンチェッタは豚バラ肉の塩漬けです(「グアンチャ」は「頬」、「パンチャ」は「お腹」の意)。

グアンチャーレはパンチェッタより脂身が多く、コクと甘みがあります。ペコリーノ・ロマーノは、ローマ地方で作られる羊のミルクのチーズ。他の地域のペコリーノチーズと比べ、ペコリーノ・ロマーノは塩気が強いのが特徴です。

カルボナーラには、このふたつの材料が欠かせません。これらを使わないとまったく違った味になります。本場の味を楽しみたいかたは、ぜひご紹介するレシピでお試しください。

グアンチャーレがない場合はパンチェッタで、ペコリーノ・ロマーノがない場合はパルミジャーノチーズで代用することができます。(その場合、繰り返しになりますが、味は異なりますので、ご了承ください。)

スパゲッティ・カルボナーラのレシピ

カルボナーラは、「炭焼き風」という意味で、炭坑夫の間で食べられていた料理だったから、黒胡椒が炭のように見えるからなど、諸説がありますが、名前の由来はよく分かっていません。こんなに有名な料理ですが、意外と歴史は浅く、第二次世界大戦後の料理だといわれています。

【スパゲッティ・カルボナーラのレシピ】

▼材料(2人分)
スパゲッティ…160g
卵…卵1個と卵黄1個分
グアンチャーレ…70g
ペコリーノ・ロマーノ…50g
白ワイン…1/4カップ
黒胡椒…適量

▼作り方
①グアンチャーレを約1センチ幅の細切りにする。
②フライパンにグアンチャーレを入れ、弱火で炒める。
③グアンチャーレがカリカリになったら、フライパンから取り出す。
④グアンチャーレから出た脂が残っているフライパンに白ワインを注ぎ、アルコールを蒸発させる。
⑤ボウルに、卵とペコリーノ・ロマーノとたっぷりの胡椒を入れ、かき混ぜる。
⑥パスタをゆで、ゆでたパスタを④に入れ、混ぜる。
⑦弱火にして(火を止めてもOK)、⑤とゆで汁を加えながら混ぜ、③を入れる。とろっとしたら出来上がり。

カルボナーラとワインペアリング

卵とグアンチャーレというパワフルな組み合わせのカルボナーラには、酸味のある引き締まった白ワインがぴったりです。料理の脂とワインの酸味が出会ったときに、両者のよさがさらに引き出され、滋味豊かになります。それを習慣的に知っているローマの人たち。とてもポピュラーなペアリングです。

フラスカーティは、ローマの南東約20キロにあるフラスカーティ周辺で造られる白ワイン。古代ローマ以来の歴史があり、中世には教皇や貴族たちに愛されてきました。

マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディア種、マルヴァジーア・デル・ラツィオ種を主体としたこのワインは、しっかりとした酸味があり、フレッシュな果実味が感じられます。特に、「フラスカーティ・スペリオーレ」は、DOCGの指定を受けていて、やわらかで厚みのある味わいです。

▶︎ポッジョ・レ・ヴォルピ フラスカーティ・スペリオーレ

ポッジョ・レ・ヴォルピは、ローマ近郊のモンテポルツィオ・カトーネにあるメルジェ家が営むワイナリー。1920年からワインの生産を始め、1996年、3代目のフェリーチェ・メルジェ氏がポッジョ・レ・ヴォルピを設立しました。

彼らが造るコストパフォーマンスのよいワインは、高い評価を受けています。大変人気があり、注目されている造り手です。このフラスカーティ・スペリオーレは、白い花や青草のフレッシュな香り、青リンゴや洋梨のフルーティーな芳香が感じられ、すがすがしいさわやかな味わいです。

▶︎フォンタナ・カンディダ サンタ・テレサ フラスカーティ・スペリオーレ・セッコ

フォンタナ・カンディダは、1958年に設立されたワイナリーで、フラスカーティ最大の規模を誇ります。そのサンタ・テレサは、イタリアワインガイド誌でも高い評価を得て、フラスカーティを代表する地位を獲得しています。

フラワリーな香り、ハーブのアロマが広がり、リンゴの香りはみずみずしく芳醇です。いきいきとした酸が感じられ、まろやかな味わい。非常にコストパフォーマンスが良いフラスカーティ・スペリオーレです。

まとめ

世界で有名になったローマのカルボナーラ。ぜひローマ式のカルボナーラとローマ近郊のフラスカーティで、永遠の都の味を堪能してください。

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太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
▶︎フィレンツェ・イン・タスカ 太田 由歌の記事一覧 

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