ペアリングワイン

【九州・沖縄編】ご当地グルメとワインの最高のペアリングを楽しもう!

この記事では、北から南まで日本各地のご当地グルメとワインとのペアリングをご提案してまいりました。

前回の「関西編」 に続き、今回で最終回、九州・沖縄エリアの郷土料理とワインを選りすぐってご紹介します。

料理はワインと合わせることによって、片方だけでは体感できない味わいのハーモニーが生まれます。

ぜひ皆さんの思い出のご当地グルメとお気に入りワインの、ベストペアリングを見つけてくださいね。

1. カステラ(長崎)

16世紀半ばにポルトガルから伝わり、長崎で400年以上の歴史を持つ焼菓子「カステラ」。

基本の原料はシンプルながら店によって味わいは異なり、最近では抹茶やイチゴなど様々なフレーヴァーが生まれ人気を博しています。

最近ではワイン味の「カステラ」もあり、お酒好きの方へのお土産に喜ばれています。

甘い焼き菓子とワインのペアリングは、ヨーロッパでも古くから行われており珍しくありません。

しっとりとした甘さの「カステラ」には甘いワインがピッタリです。

◎白ワイン
プレーンやチーズ風味などの「カステラ」には、ボルドーのソーテルヌやドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイなどの貴腐ブドウによる極甘口ワインがオススメです。

蜂蜜のようなアロマとねっとりとした甘さが、甘くコクのある「カステラ」とよく合います。

ドイツのリープフラウミルヒのようなカジュアルに楽しめる甘口ワインも良いでしょう。

◎赤ワイン
プレーンはもちろん、チョコや黒糖、ベリー風味の「カステラ」には、ポートワインがオススメです。

ポートワインのしっかりしたボディ、ベリーの風味は、味わいの濃いフレーバーやフルーツ風味の「カステラ」とよく合います。

○ロゼワイン
アメリカのブラッシュワインは爽やかなフレッシュなベリーの香りと甘さがバランスよく、様々なフレーバーの「カステラ」とよく合います。

○スパークリングワイン
イタリアのアスティは甘口白スパークリング、ランブルスコは甘口赤スパークリングで、お好みの「カステラ」のフレーバーと合わせて楽しめます。

2. 辛子レンコン(熊本)

「辛子レンコン」は、江戸時代から熊本で愛され続ける代表的な郷土料理です。

麦味噌に和辛子などを混ぜた辛子味噌をレンコンの穴の中に詰め衣をつけて揚げた料理で、レンコンの歯ごたえとカラシの辛味、味噌の旨味が絶妙な味わいを作り出しています。

ツンっと鼻に通り、独特の香りのある和辛子や麦味噌には、酸味とハーブ香のある白ワインがよく合います。

◎白ワイン
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは酸味とグレープフルーツやグリーンハーブの香りがあり、和辛子の香りと辛味によく合います。

酸味は辛子味噌の繊細な旨味を引き立たせてくれます。

「辛子レンコン」によく付けられているマヨネーズともマッチします。

○赤ワイン
日本のマスカット・ベーリーAは根菜のニュアンスがあり、レンコンの風味と同調します。

○ロゼワイン
マスカット・ベーリーAのロゼはフレッシュな酸味とブドウ独自の風味を併せ持ち、「辛子レンコン」との相性は抜群です。

○スパークリングワイン
瓶内二次発酵で作られるシャンパーニュにはパンや酵母のニュアンスがあり、複雑な風味を持つ「辛子レンコン」によく合います。

キレのある泡が辛子のツンとした風味ともマッチします。

3. とり天(大分)

「とり天」は大分県が発祥で、現在では日本各地でも広まる人気の料理です。

下味をしっかりつけたジューシーな鶏肉を天ぷらにして、大分名産のかぼすを絞り、ポン酢や醤油につけていただきます。

きりっと冷えた辛口の白ワインがよく合います。

◎白ワイン
フランス・ロワールのミュスカデはスッキリとして軽く、豊かな酸味もあり、鶏肉の繊細な旨味を引き立てます。

また、同ロワールのソーヴィニヨン・ブランは豊かな酸味と柑橘の香りがあり、カボスともよく合います。

×赤ワイン
風味の強い赤ワインは鶏肉の個性を弱めてしまいます。赤ワインを選びたい場合はピノ・ノワールやマスカット・ベーリーAのようなライトボディのワインを選びましょう。

○ロゼワイン
色の淡く酸味が豊かなプロヴァンスのロゼが、鶏肉の旨味とタレに合うでしょう。

○スパークリングワイン
カジュアルなスパークリングが全般的によく合います。

特にスペインのカヴァはスッキリとしてフルーティ、軽やかな中にも旨味もあり、「とり天」の衣や肉の旨味にもぴったりです。

4. 黒豚しゃぶしゃぶ(鹿児島)

鹿児島名産の黒豚は、コクのある肉の甘みがあり脂はあっさりと上品。

その肉の美味しさをしっかり味わえる「黒豚しゃぶしゃぶ」は鹿児島が発祥で、地元でも人気の料理です。

鍋のだし汁にくぐらせた豚肉を、つゆやゴマだれ、生卵につけていただきます。

ワインは、白やロゼが最適ですが、軽い赤も楽しめ、様々なスタイルのワインに合わせやすい料理です。

◎白ワイン
ブルゴーニュのシャルドネの、安定したストラクチャーとエレガントな果実と樽の香りは黒豚のコクと甘み、繊細な風味をを引き立たせてくれます。

○赤ワイン
ブルゴーニュのピノ・ノワール。優しいベリーの香りとスパイシーな樽香、シルキーなタンニンは、鹿児島の黒豚の旨味に寄り添い豊かな味わいのレイヤーを与えます。

○ロゼワイン
フランス・タヴェルの、色合い深く果実の熟した風味が感じられるロゼワインは、「黒豚しゃぶしゃぶ」の繊細ながらしっかりしたコクと旨味に奥深さを加えてくれます。

○スパークリングワイン
シャンパーニュには酵母と熟成が生み出す旨味の風味があり、「黒豚しゃぶしゃぶ」のコクや風味ともよく合います。

5. ゴーヤチャンプルー(沖縄)

「ゴーヤチャンプルー」は沖縄県の郷土料理で、ゴーヤと豆腐、スパム、卵などをチャンプルー(沖縄の方言でごちゃ混ぜ)にして炒めたもの。

ゴーヤの独特の苦味と、スパムの塩味、ダシの旨味が相まって食欲をそそります。

ワインはよく冷えた、フレッシュな白ワインがよく合います。

◎白ワイン
日本ワインのデラウェアの特徴である、微かな苦味とゴーヤの風味が同調し、心地の良いバランスを生み出します。

甲州やナイアガラも良いでしょう。弾ける甘いフルーツの香りは「ゴーヤチャンプルー」に豊かな風味を加え食欲をそそります。

特に、それらの白ブドウ品種の新酒(収穫したてのブドウで作られるワイン)の若く瑞々しい香りは、ゴーヤの苦さを柔らげ美味しさを引き立てます。

○赤ワイン
少し甘みのある赤ワインが「ゴーヤチャンプルー」の豊かな味わいによく合います。イタリアのアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラの陰干しブドウから香る凝縮したブドウの甘い香り、複雑ながら明るいアロマは「ゴーヤチャンプルー」の具材の様々な風味にマッチします。

○ロゼワイン
イタリアやスペインの果実味豊かなロゼや、アメリカのジンファンデルから作られる程よい甘さのブラッシュワインが「ゴーヤチャンプルー」によく合います。

○スパークリングワイン
イタリアのアスティやプロセッコの、フレッシュフルーツの香りとほんのりした甘さは、ゴーヤや具材の豊かな味わいを深め美味しさのハーモニーを奏でてくれます。

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平山 智予

日本ソムリエ協会ワインエキスパート、日本ドイツワイン協会連合会ドイツワインケナー、英国WSET LEVEL3 Award in Wine、ワイン検定ブロンズ&シルバー講師
オーストラリア大使館主催イベントの公式ワイナリーサポートや、恵比寿のミシュラン・ピグブルマンでのソムリエール経験のほか、クリエーターとして日本ワイナリーを撮影し大丸東京にてVRドームスクリーン展示を行う。
特にカリフォルニアワインを愛し、毎年現地に赴いてワイナリーの方々とワイン談義をするのを楽しみにしています。 平山 智予の記事一覧 

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