【関東編】ご当地グルメとワインの最高のペアリングを楽しもう!
人にはそれぞれ懐かしい故郷の味があり、旅先で出会った思い出のグルメがあります。
あなたのお気に入りの郷土料理と、ワインを合わせて楽しんでみませんか?
しかし多くの和食とワインの組み合わせはまだ珍しく、イメージしにくいもの。
この記事ではエリアごとに、全国ご当地グルメとワインのペアリングをわかりやすく解説しています。
前回の「北海道・東北編」 に引き続き、今回は「関東エリア」のご紹介です!
1.常陸秋そば(茨城)
県内外にファンが多い「常陸秋そば」は、力強いコシと豊かな蕎麦の風味と甘みが特徴のブランドそば。
茨城県は江戸時代より、品質の高いそばの産地として評価が高く、数々の名店がこのそばを使用しています。
そばには、白ワインが良く合います。食材の風味やコクがしっかりしているので、赤やロゼとも合わせやすい料理です。
◎白ワイン
酸味のある辛口。ニュートラルでそばの香りを生かしながらも華やかなアロマを持つ、ドイツのリースリングなどがピッタリ。
また、フランス・ロワールのソーヴィニヨン・ブランが持つ青いハーブの香りは、そばにカボスを絞ったような爽やかなアクセントを与え、薬味のネギともマッチします。
○赤ワイン
繊細で穏やかなライトボディ。ドイツや日本のピノ・ノワール(ドイツ名:シュペートブルグンダー)が合います。
滑らかなタンニンと品種の持つ土野菜のニュアンスが、そば本来の持つ香りとマッチします。
○ロゼワイン
淡く酸味のある辛口。フランスのロゼ・ド・ロワールなどの、程よいタンニンがソバのコクとよく合います。
○スパークリングワイン
シャンパーニュなど瓶内二次発酵で作られるワイン。瓶内の発酵で出る優しい旨みが、そばの持つ穏やかなコクとマッチします。
2.宇都宮餃子(栃木)
栃木県には餃子の聖地として名高い宇都宮があります。
街には多くの餃子専門店があり、店ごとに異なる味わいが楽しめるのです。
宇都宮餃子は野菜の割合が多く、その豊かな甘みと絡み合う肉の旨味が特徴。
野菜と豚肉、白胡椒や香ばしく焼かれた皮をポイントにワインを選びましょう。
皮や野菜に合う白ワインと、肉と相性の良い赤ワインの両方の利点を併せ持つロゼワインは、餃子と絶妙にマッチします。
○白ワイン
爽やかで軽やかな辛口。ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデがよく合います。
完熟前のブドウを収穫することで出るフレッシュなレモンの果実味と、微発泡の爽やかさが餃子の美味しさを引き立てます。
△赤ワイン
餃子の味わいを弱くしてしまうので赤ワインはオススメしません。
赤ワインが飲みたい場合は、日本のピノ・ノワールのようなタンニンが繊細で穏やかなワインが良いでしょう。
◎ロゼワイン
辛口のロゼスパークリング。北イタリアのロゼ・スプマンテはドライから甘口まであり、好みやタレのコクに合わせて選べます。
○スパークリングワイン
フレッシュ&フルーティなワイン。幅広い泡と餃子は合いますが、しっかりしたボディがありながら爽やかな泡の軽快さを併せ持つ、イタリア・ランブルスコの赤ワインスパークリングも楽しいペアリングです。
3.下仁田ネギ焼き(群馬)
下仁田ネギは直径約5センチもの太さがある珍しいネギです。
甘みと辛味が強く、加熱すると内側がとろりとして滑らかになり旨味が際立ちます。
シンプルにソテーやホイルなどで焼いた「下仁田ネギ焼き」は野菜独自の風味が味わえる逸品。
ネギの持つ風味、甘みを際立たせるワイン選びがポイントです。
○白ワイン
酸味のある辛口。緑のハーブが感じられるソーヴィニヨン・ブラン。
下仁田ネギは香りがしっかりしているので、香りの豊かなニュージーランドワインとのバランスが良いでしょう。
酸味のあるワインを合わせることでネギの甘さが生きてきます。
△赤ワイン
繊細なネギの風味が隠れてしまうので赤ワインはオススメしません。
赤ワインが飲みたい場合は、日本のピノ・ノワールのようなタンニンが繊細で穏やかなワインが良いでしょう。
醤油や味噌などコクのある調味料を使うと赤ワインとも合わせやすくなります。
◎ロゼワイン
淡く酸味のある辛口。フランスのプロヴァンス、中でも涼しい気候で育ったフルーティさと酸の際立つニエルッキオ(サンジョベーゼ)が生み出すコルシカ島のロゼは繊細で、ネギの風味を際立たせます。
○スパークリングワイン
フレッシュで繊細なワイン。ワインの泡は野菜の辛味に同調し和らげ、甘みを引き出すためネギ料理によく合います。
繊細な泡立ちとボディの軽やかなフランスのクレマンがマッチします。
4.みそポテト(埼玉)
みそポテトは埼玉県秩父で古くから愛されるB級グルメです。
蒸したジャガイモをカラッと揚げて天ぷらにし、甘辛い味噌だれをたっぷりかけたおやつ。
サクサクの衣とホクホクのジャガイモの食感、味噌だれが絡むイモの優しい甘さが特徴。
味噌だれや食材と、ワインの個性をマッチさせるのがペアリングのポイントです。
○白ワイン
厚みのある辛口。よく熟して果実味がありボディが感じられる新世界(南北アメリカやオーストラリア等)のシャルドネは、しっかりとした味噌の風味や香ばしい衣に負けずよく合います。
◎赤ワイン
ジャガイモの風味と、根菜のニュアンスを持つ日本のマスカット・ベーリーAはとても相性が良いです。
滑らかなタンニンが味噌のコクともマッチします。
○ロゼワイン
濃く風味のあるワイン。辛口から少し甘みのあるものまで幅広く合います。チリのカベルネ種のロゼは豊かな果実味と程よくボディを与えるタンニンがあり、みそポテトの親しみ味わいにマッチするのでオススメです。
○スパークリングワイン
フレッシュで親しみやすいワイン。辛口から少し甘みのあるものまで幅広く合います。
新世界(南北アメリカやオーストラリア等)のタンク発酵(シャルマ方式)で作られる、豊かなフルーティさを生かした爽やかなスパークリングワインが合います。
5.さんが焼き(千葉)
漁港で賑わう千葉県房総半島では、アジと香味野菜を叩いて味噌などで味付けしたなめろうを、貝殻に入れて焼いたさんが焼きが良く食べられています。
ショウガや大葉の風味がアクセントになり、お酒がすすむ一品です。
アジ、香味野菜や味噌の風味が、ワインを合わせるポイント。
青魚の旨味や風味には、実は白よりも赤ワインがよく合います。
○白ワイン
爽やかな辛口。香味野菜には爽やかで酸の際立つフランス・ロワールのソーヴィニヨン・ブランが合います。
ただ、青魚は白ワインに多く含まれる亜硫酸と合わないこともあるのです。
亜硫酸無添加と明記されたワインを選ぶことで、そうした風味の不協和音を和らげます。
◎赤ワイン
タンニンが穏やかなライトボディ。しっかりした味わいと乳酸が含まれる青魚は、同じく乳酸があり程よくタンニンを含む赤ワインと同調します。
穏やかで優しいタンニンのあるフランス・ロワールやアルザスのピノ・ノワールがオススメで味噌のコクとも良く合います。
○ロゼワイン
色の濃い辛口。青魚には赤ワインのニュアンスが現れるフルーティなロゼがよく合います。
ポルトガルのロゼには黒ブドウのしっかりした色味と果実味、海を感じるミネラリティがありアジなどの青魚によく合います。
○スパークリングワイン
製法上、青魚と不協和音を起こす亜硫酸含有量が最も少ないのが瓶内二次発酵方式のスパークリングワイン。
素朴な親しみやすい料理なので、複雑な香りのあるシャンパーニュよりもカヴァやクレマンのカジュアルなワインが釣り合います。
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日本ソムリエ協会ワインエキスパート、日本ドイツワイン協会連合会ドイツワインケナー、英国WSET LEVEL3 Award in Wine、ワイン検定ブロンズ&シルバー講師
オーストラリア大使館主催イベントの公式ワイナリーサポートや、恵比寿のミシュラン・ピグブルマンでのソムリエール経験のほか、クリエーターとして日本ワイナリーを撮影し大丸東京にてVRドームスクリーン展示を行う。
特にカリフォルニアワインを愛し、毎年現地に赴いてワイナリーの方々とワイン談義をするのを楽しみにしています。
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