【中部編】ご当地グルメとワインの最高のペアリングを楽しもう!

出身地のご当地グルメを聞かれると、誰でも思い出される懐かしい味がそれぞれあるでしょう。

また、日本の各地を旅する中で出会った美味しい郷土料理に、感動した思い出もあるはずです。

こうした和のグルメには、日本酒やビールを定番で合わせてしまいがちではないでしょうか。

たまには雰囲気を変えて、ご当地グルメと大好きなワインを合わせてみませんか?

前回の「関東エリア編」に引き続き、今回は、中部エリアの代表的なご当地グルメ5選とワインのペアリングをご提案します!

1. ます寿し(富山)

富山の伝統の味、ます寿しは味付けした桜鱒(サクラマス)を使った押し寿司です。

底に笹を敷いた木製の容器に塩漬けの桜鱒の身を並べ、上に酢めしを押し詰め笹で包み込み、重石をして作られます。

富山のます寿し店は市内だけでも十数店舗あり、お店によって味わいはかなり異なります。

甘さ、酸味、塩味、魚の旨味など、好みの店が主体にする味にワインが寄り添うように合わせましょう。

◎白ワイン···爽やかな辛口。

甘みの強い寿司にはボディのある南ブルゴーニュのシャルドネやピノグリ、お酢のよく効いた寿司には酸のはっきりした全般的なソーヴィニヨン・ブラン、塩味の多い寿司には後味がキリッとしたシャブリなどドライな白全般が合います。

○赤ワイン···桜鱒のコクのある味わいには穏やかなタンニンを含むライトボディの赤ワインとよく合います。

マスカットベーリーAや、穏やかなフランス・ロワールやアルザスのピノ・ノワールがオススメです。

○ロゼワイン···ライトな辛口。

ピンク色の桜鱒の身と似た色合いのロゼワインは味わいの強さも同調し合わせやすい組み合わせです。プロヴァンスのロゼなど。

○泡···全般的によく合います。

甘みが感じられるます寿司にはプロセッコなど残糖のあるワインや、シャンパーニュやカヴァなど酵母の風味があるワインが旨味や酢飯に合うのでオススメです。

2. 笹団子

笹団子は、米どころ新潟で古くから愛される郷土菓子。

控えめな甘さのあんが入ったヨモギ団子を笹で巻き、イグサでしばり蒸したもので新潟のお土産として有名です。

笹団子は、ヨモギの良い香りともちもちした食感、優しいあんの甘みが特徴的なお菓子。

日本や近隣のアジア諸国以外に見られない笹とヨモギの豊かで特徴的な香りは和ハーブと言え、洋ハーブやグリーンのアロマを持つ白ワインと合わせると面白いマリアージュが楽しめます。

あんの甘みや小豆のコクも良いアクセントになり、ロゼや赤ワインとも合います。

◎白ワイン···若い中甘口のワイン。

アルザスのリースリングやゲヴェルツトラミネールなどの少し甘さがあり香り豊かなワイン。日本のナイアガラやデラウェアのアロマと合わせるのも面白いでしょう。

甘口ではないですがハーブ香を持つソーヴィニヨン・ブラン主体のブレンドワインである、ボルドーブランも合わせやすいワインです。

ソーヴィニヨン・ブラン自体は、酸が高いワインが多いので甘い団子と合わせると酸っぱく感じてしまうことがあるので気をつけましょう。

○赤ワイン···団子の優しい甘さや小豆のコクは赤ワインのタンニンやボディとも合います。

ライトからミディアムボディのワインまで合わせられます。

また日本のキャンベルアーリーやピオーネなどは甘口の赤ワインが多く、その独特のフレーバーは団子の香りと面白いマリアージュを見せてくれます。

○ロゼワイン···ロゼワインには赤ワイン同様、ボディやタンニンが感じられるので餡子と合わせやすいです。

アメリカのホワイトジンファンデルやフランスのロゼダンジューなど、少し甘口のものであればよりマッチします。

○泡···全般的によく合います。

イタリアの赤スパークリング、ランブルスコとも合います。

3. うなぎの蒲焼(静岡

静岡といえばうなぎで名高いエリアです。

浜名湖の温暖な気候で育つ浜松のうなぎや、清らかな南アルプス伏流水で育てられた大井川のうなぎなどが有名で、肉厚さと皮の柔らかさ、味わい深さに定評があります。

このうなぎに甘辛ダレを絡ませ、炭火でじっくり焼いた蒲焼にはやはり赤ワインがよく合います。

香ばしい炭火の香りや、山椒の風味にはスパイシーなワインがベストペアリングです。

○白ワイン···重厚感のあるうなぎを爽やかに食べるなら、ドライで軽いワイン。

ニュージーランドのソーヴィニヨンブランや南アフリカのシュナンブラン、シャブリのシャルドネも良いでしょう。

タレと鰻、焼き方にこだわった高級店では、樽香とボディのあるブルゴーニュの複雑なシャルドネも、深いうなぎの蒲焼の味わいとマッチするのでオススメできます。

◎赤ワイン···スパイシーなローヌのシラーや、重厚さとエレガントさを備えたボルドーの赤が合います。

ロワールのカベルネ・フランは骨格の強さを持ちながら軽やかな滑らかさもあり、川魚であるうなぎとも相性が良いワインです。

タレの味が濃い場合は味わいやボディのしっかりしたアメリカやチリなどの新世界もおすすめです。

○ロゼワイン···全般的に合わせやすいですが、色の濃いロゼはタンニンや風味がはっきりしており、うなぎの蒲焼によく合います。

甘辛タレに合わせて少し甘口のものも良いでしょう。

○泡···辛口から中甘口まで全般的に合います。

スペインのカヴァの華やかで味わいのあるワインや、イタリアの赤スパークリング、ランブルスコが料理の味に負けず、邪魔せずよく合います。

4. 手羽先(愛知)

愛知県、名古屋の人気グルメといえば手羽先が挙げられます。

カラッと揚げた鶏の手羽先に甘辛だれと胡椒で味付けしたもので、鳥の旨味が絡み合い、スパイシーでジューシーな味わいが特徴です。

手羽先は一つ一つが小さく、いくつものピースをスナック感覚でテンポよく楽しむ料理で、ゆっくり味わうスティルワイン(泡のないワイン)よりも、ライブ感のある泡のスパークリングワインとのマッチングがオススメです。

味わいとしては淡白な鶏を使っていることから白ワインにも、甘辛でスパイシーな味わいと骨付近に凝縮される鶏の旨味から赤ワインにも、しっかり味がついているものの強すぎないことからロゼワインにも、共に合わせやすいグルメです。

○白ワイン···ドライの辛口。

アルザスのゲヴェルツトラミネールは胡椒のニュアンスがあり、スパイシーな手羽先と良いマッチングとなります。

○赤ワイン···スパイスのアロマを持つローヌのシラーや、ピノ・ノワールなどのライトボディの赤ワインがおすすめです。

○ロゼワイン···程よい濃さのタレと鶏の味わいに、優しいタンニンとボディを持つロゼワインはよく合います。

全般的に合いますが、あまり色の濃くないプロヴァンスなどのロゼが料理と同調しマッチします。

◎泡···辛口のワイン。

カジュアルなイタリアのスプマンテなど、フレッシュでフルーティなワインがよく合います。

5. 越前カニ鍋(福井)

福井県の越前カニといえばブランド蟹として有名な海鮮食材です。

日本海の厳しい荒波で育ったカニは身がよく締まり、プリプリの蟹肉と口内で広がる甘みがあります。

シンプルな鍋料理はスープに蟹のダシがよく出て、食材のおいしさを堪能できる調理法です。

ワインはこの蟹の繊細な風味と甘味を生かす白ワインを選びましょう。

◎白ワイン···ドライの辛口。

日本の甲州ワインは白い花のような繊細なアロマや、強すぎない酸味、穏やかな風味があり、蟹の味わいに優しく寄り添うペアリングができます。

ポルトガルの沿岸部で作られるアルバリーニョワインは海のミネラリティが感じられ、蟹の持つ磯の香りにもマッチします。

△赤ワイン···赤ワインは食材の持つ繊細な風味より強くなってしまうのであまりオススメできません。

赤ワインが飲みたい場合はピノ・ノワールやガメイなどのライトボディのワインを選びましょう。

○ロゼワイン···甲殻類の持つ香り高い風味はロゼワインと合わせやすいです。

フランスの沿岸部、プロヴァンスのロゼとの相性が良いです。

○泡···辛口のワイン。

ジュラのスパークリングは複雑さを持ちながら爽やかでキレの良い味わいがあり、カニと野菜類のダシがよく出た、優しいながらも様々な味わいが織りなすスープにもマッチします。

平山 智予
日本ソムリエ協会ワインエキスパート、日本ドイツワイン協会連合会ドイツワインケナー、英国WSET LEVEL3 Award in Wine、ワイン検定ブロンズ&シルバー講師
オーストラリア大使館主催イベントの公式ワイナリーサポートや、恵比寿のミシュラン・ピグブルマンでのソムリエール経験のほか、クリエーターとして日本ワイナリーを撮影し大丸東京にてVRドームスクリーン展示を行う。
特にカリフォルニアワインを愛し、毎年現地に赴いてワイナリーの方々とワイン談義をするのを楽しみにしています。