ペアリングワイン

2021年「ボージョレ・ヌーヴォー」ペアリング視点でワイン選び!

気がつけば2021年も、もう後半に突入です。早いー!中秋の名月が過ぎて、ハロウィンが来て、クリスマスを迎える前にワイン愛好家の皆様にとって、大切な毎年恒例の行事がありますよね。

新酒を「祝う」「感謝する」行事「ボージョレ・ヌーヴォー」。 ワインを愉しむ中で、味わいやコストパフォーマンスなどは大切なことではありますが、私個人としてはこのボージョレ・ヌーヴォーにおいてはそれらよりも大切にしたいことが2つあります。

個人的にボージョレ・ヌーヴォーで大切にしたいこと

*1つ目
「農家の皆さん!無事に収穫できて良かったですねー」「ブドウ収穫お疲れ様でした!」「美味しいブドウをありがとうございます!」 という「感謝」の気持ち。

*2つ目
そのワイナリーの、今年のヴィンテージを買うかどうかのひとつの指標として。ヌーヴォーを飲むことで遠く離れた日本でもその年の環境由来の「甘み」「酸味」などを、雑誌やメディアの情報だけではなく、自身の舌で確かめることができます。ボージョレ地区以外のワインを購入する際の参考にもしています。

とはいえ、真剣にワインだけ、1対1で向き合うわけではありませんよ。ヌーヴォーは気楽に美味しい食べ物と楽しみます。今回は、「ボージョレ・ヌーヴォー」と「食べたいもの・食べてほしいもの」をペアリング視点でご紹介します!

「日本のおばんざい×クリームチーズ」に日本人醸造家のヌーヴォーで!

▶︎ルー・デュモン ボージョレ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ 2021

ブルゴーニュにおいて、代表的な日本人醸造家・仲田晃司さんが造るボージョレ・ヌーヴォーです。今年でボージョレ・ヌーヴォーのリリースは16年目になるそうです。

今年も、例年通りヴィエイユ・ヴィーニュと呼ばれる古樹で完熟させたブドウで仕込みますから、ギュッとジューシーな果実味が口いっぱいに広がることと思われます。

私は、 この「甘み」と「和食の甘辛い味付け」がよく同調するはず、と見込んでいます! おすすめペアリングは、クラッカーやバゲットに軽くクリームチーズをぺーストして、その上に好みの「おばんざい」をトッピングするだけ。美味しい上にフィンガーフードで食べやすいのでおすすめです。

私がよくトッピングする「おばんざい」は、“ひじきと大豆の煮もの”、“きんぴらごぼう”、“煮卵”などです。この組み合わせはぜひ一度お試し頂きたいペアリングです。

* 原産国:フランス
* 産地:ブルゴーニュ
* 生産者:ルー・デュモン
* 品種:ガメイ
* 容量:750ml

前菜からデザートまでお任せあれ!な「フィリップ パカレ」

▶︎ボージョレ ヴァン・ド・プリムール グリーン ラベル 2021 フィリップ パカレ

私は『感謝』『祝杯』という意味で、このパカレのヌーヴォーは毎年飲むようにしています。 特にグリーンをテーマにした、このラベル。売り上げの一部が日本の震災・災害への寄付金にあてられている話は有名ですよね。

毎年、エレガントで頭一つ飛びぬけた品質の高いヌーヴォーを作っていることでも定評があります。なので、パカレのボージョレ・ヌーヴォーを飲む日のペアリングは、いつもより少し良いものを選びます。

選ぶときのポイントは、お料理なら少しだけ「甘み」を感じられるもの、スウィーツなら「甘酸っぱい」ものを選ぶようにしています。

私がよく合わせるのは、「レーズンの入ったレバーパテ」や「西京焼き」。スウィーツはお気に入りのスウィーツ屋さんで、イチゴがのったガトーショコラを買ってきます。

* 原産国:フランス
* 産地:ブルゴーニュ
* 生産者:フィリップ パカレ
* 品種:ガメイ
* 容量:750ml

「ていねいに造るボージョレ・ヌーボー ディナー」と「ルロワ」はいかがでしょうか

▶︎ボージョレ・ヴィラージュ プリムール 2021 ルロワ

私の個人的感想ですが、その年その年のブドウの状態が素直に出ているワインなのかなと思っています。イチゴキャンディーのようなチャーミングな年や、ピノ・ノワールのような高貴なニュアンスを纏った年もあって、この「ルロワ」もまた毎年興味深いヌーヴォーです。

言わずもがなの、王道『ルロワ』。他のヌーヴォーに比べて少し価格は高いですが、今年もその価値はお値段以上のはず。ですから、気軽に「開けちゃおっか!」というノリよりは、「よし!今日はルロワのヌーヴォーを飲もう!」と意気込みます。

ポイントは少し甘めの味付けのお料理とペアリングします。ルロワのボージョレ・ヌーヴォーにはどこか「旨味」も感じますので、少し醤油を使った「鶏もも肉のソテー・ブルーベリーソース」をよく作ります。

「醤油:ブルーベリージャム:赤ワイン」を「1:1:1」で合わせた液体に鶏もも肉を1時間程度漬け込んで、焼くだけのシンプルなお料理ですが、よく合うんです。

ブルーベリーも添えられて見栄えも良いですし、ていねいに作った感も出るという一石二鳥な1品なので、今年もこの組み合わせで食べたいと思います。

* 原産国:フランス
* 産地:ブルゴーニュ
* 生産者:ルロワ
* 品種:ガメイ
* 容量:750ml

いかがでしたでしょうか。本日ご紹介したボージョレ・ヌーヴォー以外にも沢山のヌーヴォーが日本に届きます。

何を選んでいいのか迷うところですが、ペアリング視点から「食べたい」「試したい」組み合わせや、「シーン」で選ぶのも楽しいものです。美味しいペアリングを考えるとニヤニヤしてきます。

今年もボージョレ・ヌーヴォー片手に、1年に1度の収穫の『祝い・感謝』を、みんなで食卓を囲んで楽しんでみてはいかがでしょうか。

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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