ペアリングワイン

生産者現地レポート!2022年のボージョレ・ヌーヴォーの気になる出来は?

2022年のボージョレ・ヌーヴォー解禁日は11月17日(木)です。解禁日に盛大に盛り上がるボージョレ・ヌーヴォーはすっかり秋の風物詩となりましたね。

そんなボージョレ・ヌーヴォーですが、どのようなワインなのかご存知でしょうか。

この記事では、

●ボージョレ・ヌーヴォーとはどんなワインなのか

●2022年のボージョレ・ヌーヴォーの出来

について解説しています。

これから解禁されるボージョレ・ヌーヴォーを楽しみにしながら、ぜひ読んでみてください。

ボージョレ・ヌーヴォーとは?

ボージョレ・ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方にある「ボージョレ地区」で造られた新酒のワインのことを指します。

「ヌーヴォー」とは、フランス語で「新しい」という意味の言葉です。

ボージョレ地区で、その年の9月ころから収穫されたブドウを使って造られたフレッシュな新酒であるボージョレ・ヌーヴォー。

もともとは、地元の人々がブドウの収穫を祝って楽しむためのワインであったと言われています。また、その年のブドウの出来をチェックするために造られる、試飲用のワインとしての側面もあったようです。

なので高品質なワインというよりは、すぐに楽しむために作られたワインであると言えます。

しかし、ボージョレ・ヌーヴォーは解禁イベントでとても人気があり、日本国内では多く飲まれています。そのため、今ではこだわりのボージョレ・ヌーヴォーを造っている作り手も多くいます。

ボージョレ・ヌーヴォーのキャッチコピー

ボージョレ・ヌーヴォーといえば「50年に一度の出来栄え」などの華やかでやや大袈裟なキャッチコピーも有名です。

じつはこのキャッチコピーは2種類あります。

「公式コピー」と言われる現地のボージョレワイン委員会によるブドウの評価をもとに、フランス食品振興会(SOPEXA)が発表した公式見解と「日本国内で公式コピーをもとにわかりやすく付けられたコピー」があります。

この日本で作られたコピーは(2003年:公式コピー「並外れて素晴らしい年」)⇨(2003年:「100年に一度の出来」)とやや大袈裟に表されることが多いです。

ちなみにこういったキャッチコピーの出自はどこなのかわかっていません。

2022年のキャッチコピーを楽しみにしてみるのもボージョレ・ヌーヴォーの楽しみ方のひとつになるかも知れません。

2022年のボージョレ・ヌーヴォーの出来はどうなの?

11月17日にリリースされるボージョレ・ヌーヴォーですが、今年の出来も気になりますよね。

9月頃に収穫が始まり、10月にワインへと姿を変えている途中なのでまだ厳密な出来はわかりませんが、ぶどうの出来は関係者向けの「現地レポート」で伝わってきています。

そのレポートをお伝えしたいと思います。

~以下引用~

平年並みの冬の後、今日まで、安定して気温が上昇してきました。4月に発生しやすい霜害もほとんどなく、また、1月から5月まで乾燥した気候が続いたためカビなども発生せず、非常に健全な状態で、例年より3週間ほど早い5月上旬に開花を迎えました。

6月も晴天続きで、乾燥による水不足が心配されはじめましたが、必要な時に必要な量、まさしく恵みの雨が降りました。病害もなく、雹も降らず、完璧な6月となりました。

高台区画ゆえの開花時の昼夜の温度差によって、今年もクリュール(花ぶるい)が多く発生し、大部分のぶどうがミルランダージュ(非常に凝縮した小粒のぶどう)になりました。

私は2006年から公式にヌーヴォーを造りはじめたのですが、7月上旬の現時点までで言えば、今年は2015年や2019年はもちろんのこと、過去最高だった2020年ヴィンテージをも凌駕する、「神がかった年」です。

1ヶ月半後の収穫までこのまま理想的に推移すれば、私の過去17ヴィンテージの中で最高品質のワインになるのはもちろん、ボージョレ全体でも、「過去100年間で最良のヴィンテージ」を「上書き」することになると思います。

開花日から計算した収穫開始予定日は8月25日頃ですが、私は10日ほど遅らせて、9月3日頃の収穫開始を予定しています。

「ガメイは、完熟が命」ですので。

2022年7月11日
メゾン・ルー・デュモン
仲田晃司

上記のレポートから2022年のボージョレ・ヌーヴォーはとても期待が持てます。

しっかりと完熟したガメイ(ぶどう品種)で作り上げられたボージョレ・ヌーヴォーが11月に出来上がり次第日本に来て、世界各国のなかでもいち早く飲むことができるのはうれしいことです。

メゾン・ルー・デュモンについて

メゾン・ルー・デュモンの仲田さんはブルゴーニュで高品質なワインを造っている作り手です。

「天・地・人」という想いを込めたワインを造っています。そして、仲田さんの作るボージョレ・ヌーヴォーの特徴はなんといっても樹齢!70年から95年の超高樹齢の樹のブドウを使います。

「年に1回きりのものだからこそ、飲んだ人がワインを好きになるきっかけとなり得るような、ワインとしておいしいヌーヴォーを造りたいです」という仲田さんの想いがよく表れています。

▶︎ボージョレ・ヌーヴォー2022 ルー・デュモン

生産国:フランス
生産地:ブルゴーニュ地方 / ボージョレ地区
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
容量:750ml

おわりに

年に一度のイベントであるボージョレ・ヌーヴォーの解禁。現地レポートからもわかるように今年は最高の出来であること間違いなしです。

11月17日に解禁されるまで待ちきれませんね。1年に一度のワインだからこそ、美味しいボージョレ・ヌーヴォーを飲んで、ぜひ楽しい時間を過ごしてください。

《関連記事》
今が飲み頃?!本当に旨いボージョレ・ヌーヴォー♪
2021年「ボージョレ・ヌーヴォー」ペアリング視点でワイン選び!
一度は飲んでおくべき!流行に左右されないおすすめボージョレ・ヌーヴォー3選

鈴木 佑馬

ワインショップ経営
JSA認定ソムリエ&WSET Level3

老舗リゾートホテルのソムリエから始まり、ワインショップ勤務、ワインインポーター勤務を経て、「ワインの楽しみをたくさんの人へ」という想いのもとに地元である千葉県木更津市にワインショップ「すずきCELLAR」を開店。
気軽に相談出来るソムリエとして、ワインの楽しみを広げていく活動をしています。 鈴木 佑馬の記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す