ペアリングワイン

一度は飲んでおくべき!流行に左右されないおすすめボージョレ・ヌーヴォー3選

秋めいて来ましたね。ワインもキンキンに冷えた泡から、香り豊かなタイプにシフトしたくなります。

そして秋といえばボージョレ・ヌーヴォー。今年2020年の解禁日は、11月19日(木)です。

今回ご紹介するワインを含め、人気のワインは解禁前に既に完売になることもあるので、気になる方は早めに押さえておきましょう!

ボージョレ・ヌーヴォーの概要とトレンド

ボージョレ・ヌーヴォーの流行は上下しながらも、日本では一種のお祭りの1つとして定着していると言っても過言ではありません。個人的には祝日にならないかなと思っております。笑

そもそも、

「ボージョレ・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)って何のこと?」

「どうしてお祭りのように盛り上がるの?」

と疑問に思われている方へ、押さえておきたいポイントをお伝えしておきます。

① ボージョレとは、フランスのブルゴーニュ地方の中の場所の名前。
② ボージョレ・ヌーヴォーとは、ボージョレー地方でとれる新酒(ヌーヴォー)のこと。
③ 解禁日は、毎年11月の第3木曜日。
④ 日本は日付変更線の関係で、世界の中で一足早く解禁日を向かえる。日本が他国にくらべて、お祭り騒ぎになる理由の一つかもしれませんね。
⑤ 品種はガメイという黒ぶどう品種。

毎年お祭りモードで盛り上がる一方で、この2,3年は少し落ち着いた流れも肌で感じています。

今回は流行ろうが、流行るまいが揺るぐことなく「大地に感謝」し「無事に収穫できたことを祝い」「高い品質でヌーヴォーを作り続けている」ワイナリーの中から厳選して3本ご紹介します。これからも「美味しいワインを作り続けてほしい」願いを込めて。

1本目 知れば知るほど、もっと好きになる最上級ボージョレ・ヌーヴォー

愛好家なら知らない人はいない、ブルゴーニュの最上級の女性醸造家マダムルロワ率いるワイナリーが作る、ボージョレ・ヴィラージュ プリムール。多くのワイナリーがスタンダードランクのボージョレ・ヌーヴォーと、上級のボージョレ・ヴィラージュ を作っていますが、ルロワは上級のボージョレ・ヴィラージュプリムールの1種類だけをリリースしています。

マダムルロワにまつわる有名な逸話は、なんといってもドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(D.R.C社)のオーナーを務めていたということ。彼女の秀逸なティスティングセンスが世界中の愛好家から認められている事が分かりますよね。

現在は、自身のワインスタイルを貫くべく、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのオーナーの座から降り、後に設立したドメーヌ・ルロワとして引き続き世界中を魅了しています。

▶︎ボージョレ・ヴィラージュ プリムール 2020 ルロワ

*品種:ガメイ100%
*ペアリング:ルロワのヌーヴォーは例年新酒とはおもえないほど濃厚な果実味を感じさせてくれます。鴨肉のロースト/赤ワインのソースや、エポワスなどの少しクセのあるチーズでもすばらしくマリアージュすると思いますよ。

2本目 良いワインは、良い大地から。熟成のポテンシャルを持つボージョレ・ヌーヴォー

ナチュラルワインが流行る昨今ですが、ブルゴーニュの凄腕醸造家と呼ばれる人たちにとっては、今に始まったことではなく、昔から自然な作り方を大切にしているんです。彼もまた、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(D.R.C社)の醸造長として誘われるほどの凄腕醸造家。ですが、彼は自分の信念に基づいたワインを作るべく、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社の醸造長の誘いを断って、自身のワイナリーを設立し、現在に至ります。

▶︎ボージョレ ヴァン ド プリムール 2020 フィリップ パカレ

*品種:ガメイ100%
*ペアリング:パカレのヌーヴォーは熟成のポテンシャルをもつほど、酸や果実味、タンニンのバランスがパーフェクトです。2020年~2021年で飲む場合は爽やかな酸を感じるトマトソースで牛肉とチーズのインボルティー二(チーズの牛肉巻き/トマトソース)などはいかがでしょうか。2年後以降に飲む場合はバゲットにラムレーズンのクリームチーズを添えてシンプルに楽しむのも良いかもしれません。

3本目 毎日飲みたくなる、優しさ寄り添うボージョレ・ヌーヴォー

シャトー カンボン は、ブルゴーニュ自然派の父とも言われるマルセル ラピエールの意思を強く継承するワイナリーです。マルセル ラピエールは60歳という若さでこの世から旅立ちましたが、素晴らしい弟子達を生み出しています。先にご紹介したフィリップ・パカレもその一人。

シャトー カンボンのスタイルは、できる限り人間の手を加えずブドウと酵母の”やりたいように”、”成りたいように”、のびのびと育てていくスタイルです。それでいて、毎年変わらず安定したクオリティを保っています。口に含む度に味わいが変化し、口いっぱいに広がる感触はぜひ体験していただきたいものです。

▶︎シャトー カンボン ボージョレ・ヌーヴォーマルセル ラピエール2020

*品種:ガメイ100%
*ペアリング:カンボンのヌーヴォーはチャーミングな優しい香り、いちご飴のようなジューシーな果実味が絶妙。イチジクが練りこまれたブリオッシュ(パン)や、イチゴとブッラータの前菜プレートなどとバランスよくペアリングすると思います。あとはちょっと贅沢して「トマトすき焼き」との相性も絶妙ですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。わずか3本のご紹介ではありますが、ワイン愛好家歴20年超のわたしが、ヌーヴォーの流行とは関係なく、毎年楽しみにしているワイナリー達のヌーヴォーです。まだ味わったことのない方には、是非一度、体験していただきたいボージョレ・ヌーヴォーです。

ボージョレ・ヌーヴォーはフレッシュ&ジューシーを楽しみ、年内を目安に飲んでしまうのが基本的な楽しみ方です。11月寒くなる前の週末、公園でのピクニックのお供にいかがでしょうか。また、今回ご紹介した3本は熟成のポテンシャルも持ち合わせているタイプです。来年2021年の素敵な日に、とっておきのお料理と楽しむスペシャルな1本として買い置きしておくのも良いと思いますよ。

是非、今年は本気のボージョレ・ヌーヴォーと向き合ってみませんか?

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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