フランスワインが良く合うベトナム料理の秘密
フランスの植民地であったベトナムが、その流れを受けて作られている料理とワインの味。
今ここにそのルーツを知りながら、ベトナム料理「バインミー」の作り方とそれに合わせたワインの魅力を伝えます。
ベトナムワインのルーツ
ベトナム産のワインで有名なものに、ダラットワインがあります。そもそも、ワインの原材料になる良質なブドウが育つ環境に、熱帯気候のベトナムは向いていません。
しかし、ベトナム標高1500mの地域ダッラトでは、品種改良されたブドウが生産され良質なワインが生まれているのです。この土地はベトナムの中部に位置し、常春の気候で年間を通じて最高気温は25度程度です。
ではこの土地で、どのような流れからワインが作られるようになったのでしょうか?それは、フランスワインとの深い関りがありました。
ベトナムとフランスワインの歴史
19世紀後半、ベトナムはフランスの植民地でした。当時フランス人は、現地でワインを作ろうと、ブドウ栽培を試みました。
しかし、ヨーロッパ品種のブドウでは、熱帯気候の環境に適していませんでした。そのためフランスの避暑地であったダラットで、ワインの開発が進みました。
その後、各国がベトナムワインの開発に力を入れ、今では、ダラットワインは、カーデナル種のブドウを利用し、軽やかな味わいに。
赤ワインにはマルベリー(桑の実)を加え、酸味と苦みのある美味しいワインが出来上がったのです。
ベトナム料理に良く合うワイン
ベトナム料理は植民地時代の流れから、フランス料理の影響を受けたものが多くあります。
例えば米粉とココナッツミルクを使った「バインセオ」は、ベトナムクレープとも呼ばれ、焼いた生地に具材を挟んで食べるフランス料理のガレットによく似ています。
また「バインミー」は、ベトナムではパンを意味しますが、このパン食文化はフランスからやってきたと言われています。
ベトナムの屋台では、パンフランスパンを半分に切って、中にバターを塗って、ハーブや野菜、鶏肉、パテ、紅白なます、などの具材を挟んで売っています。
この料理は、ベトナムの特徴的な調味料「ヌクマム」と呼ばれる魚醤をかけるのがポイントです。
他にも、鶏肉を甘辛くスパイシーに味付けした料理。海老や鶏肉をライスペーパーで巻いた生春巻き、米粉で作った麺のフォーなど。
海の幸、山の幸と、自然豊かなベトナムの料理には、爽やかなワインがよく似合います。
バインミーと一緒に合わせるフランス白ワイン
今回は、簡単に作れるベトナム料理の「バインミー」に、ダラットワインの代わりにフルーティーで認証オーガニックの白ワイン 「Les Grands Arbres Vin de France Blanc」を合わせてみました。
作り方は、フランスパン(10cm程度)を半分に切りこみを入れ、具材が挟めるようにします。
中に、バター、紅白なます、ボイルした鶏肉、サーモンパテ、キュウリをお好みではさみます。後は、マヨネーズとヌクマムで味付るだけ。
ポイントは、紅白なますは「汁気を切ってはさむこと」調味料類もあまりかけすぎずにしましょう。これだけで、簡単にベトナム料理を楽しむ一品になります。
ベトナム料理の魅力を感じながら、お好みのフランスワインやベトナムワインを飲み比べてみても楽しいですね。
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東京生まれの東京育ち、いつも食べることばかり考えて暮らしています。
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不定期に行われる料理教室では「料理を気軽に!もっと楽しく&もっと美味しく」をコンセプトに、少人数でお好みの料理を作り、みんなのレシピを開発しています。
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