ペアリングワイン

タイ料理×ワインペアリング

魅惑のタイ料理とワイン

タイ料理は、周辺の東南アジア各国の影響を受けた料理で、香辛料や、香味野菜を多く用いて、甘味、酸味、辛味が絶妙に合わさった風味豊かな味わいが魅力です。

ワインを合わせる際には、それぞれのワインの持つ要素と料理の特徴を合わせることで、より風味豊かに楽しむことが出来ます。今人気のタイ料理と相性の良いワインペアリングを紹介します!

ソムタム

ラオスから伝来したとされるソムタムは、青パパイヤを使ったサラダです。『ソム』は酸っぱいという意味で、『タム』は叩くという意味があり、青パパイヤのスライス、ライム、干しエビ、ナンプラー、パームシュガーと共に叩いて作られます。風味豊かな味わいで、青パパイヤのシャキシャキした食感と爽やかな酸味が病み付きになります。

▶︎サンセール ドメーヌ・ジェラール・ブレ

ドメーヌ・ジェラール・ブレは、サンセールのシャヴィニョールを代表する造り手です。テール・ブランシュと呼ばれる粘土石灰質土壌で栽培されたソーヴィニヨン・ブランは、骨格のしっかりしたミネラルを感じる白ワインになります。

フレッシュレモン、オレンジ、リンゴ、カシスの芽、コリアンダー、グリーンアスパラガスの香り、微発泡を感じる若々しさ、ピュアな果実味に、豊かなミネラル、フレッシュな酸、山菜のような心地よいほろ苦味が爽やかに感じられます。ソムタムのグリーンノート、ライムの酸味と同調し、爽やかな余韻が長く続きます。

* 原産国:フランス
* 産地:サンセール
* 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
* 生産者:ドメーヌ・ジェラール・ブレ
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

カオマンガイ

中国南部の海南島の海南鶏飯が移民と共に、マレーシア経由で伝来したものです。『カオ』はご飯のことで、『ガイ』は鶏肉を意味します。

タイでは、旧国名『シャム』に由来する軍鶏肉が主流で、ジャスミンライスと合わせて提供されます。日本でも人気の高いタイ料理です。

▶︎ロゼ・ダン・ジュール・グロロー・グリ・ロゼ ラ・フェルム・ド・ラ・サンソニエール

フランスのロワールを代表するビオディナミの生産者であるマルク・アンジェリが造る自然な味わいのロゼは、ロゼ・ダンジュを名乗らず、ロゼ・ダン・ジュールとおちゃめなネーミングが付けられています。ヴィンテージは裏面に表記されています。貴腐ブドウも混ざっているため、独特の甘やかさがでています。

瑞々しいチェリー、ラズベリー、赤スグリ、ミネラル、ペタルローズの華やかな香り、優しい甘さ、凝縮した旨味と、自然でピュアな軽やかなも兼ね備えて、スイスイと飲み進んでしまいます。

カオマンガイにスウィートチリソースを添えるとより相性良く楽しめます。甘辛の組み合わせが病み付きになります。

* 原産国:フランス
* 産地:ロワール
* 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、グロロー・グリ
* 生産者:ラ・フェルム・ド・ラ・サンソニエール
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:750ml

マッサマンカレー

2011年にアメリカCNNの『世界美食ランキング』で堂々1位に輝き、一躍有名になったマッサマンカレーは、イスラム圏からタイ南部に伝来し、定着したものとみられています。

シナモン、アニス、クローヴ、カルダモン、ナツメグなどのスパイスに、タマリンド、じゃがいも、鶏肉、ピーナッツ、ココナッツミルク、カレーペーストなどを、じっくり煮込んで作られます。

ココナッツミルクのクリーミーな味わいや、パームシュガーの甘味のがあり、辛さは控えめです。

▶︎ハンゼル・シャルドネ・ソノマ・ヴァレー ハンゼル・ヴィンヤーズ

1953年創立のワイナリー。ワイナリー名のHanzellとは、設立者のゼラーバッハ(Zellerbach)の名字の一部「Zell」と、妻の名前「Hana」を掛け合わせて命名されたものです。カリフォルニアで、ブルゴーニュに匹敵する素晴らしいシャルドネや、ピノ・ノワールのワインを生産しています。

グレープフルーツ、洋梨のタルト、ヘーゼルナッツ、ヴァニラ、ブリオッシュの芳醇な香り、豊かでリッチ印象の果実味に、力強いミネラルからは塩味も感じられ、セイブリーな旨味を伴った酸が余韻まで長く続きます。

コクあるマッサマンカレーにばっちり寄り添えるコクの豊かな白ワインです。

* 原産国:アメリカ
* 産地:ソノマヴァレー
* 品種:シャルドネ
* 生産者:ハンゼル・ヴィンヤーズ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

プーニムパップンカリー

ソフトシェルクラブ、ココナッツ、卵、ナムリック・パオという唐辛子オイルなどが入った甘さとコクのあるカレーで、エスニック料理が苦手な人にも親しみやすい味わいです。

脱皮したての柔らかい蟹は殻ごと食べることが出来ます。元はシンプルな蟹のカレー炒めで、タイで有名なソンブーンシーフードレストランがアレンジしたものが広まりました。

▶︎ピノ・グリ 奥尻ワイナリー

奥尻ワイナリーは、北海道南西部の日本海に浮かぶ小さな島『奥尻島』に所在します。海と緑が溢れる自然環境の中で、ブドウ栽培をしています。奥尻ワインにミネラル分が多く含まれているのは、潮風が海の恵みを運んでくれたからです。

透明感あるきれいな麦藁色。オレンジピールのような柑橘系の香りや、アカシアの花の蜜の香り。ボリューム感のあるやや辛口、蒸栗のようなコクのある味わいに柑橘系の果皮のような爽やかな苦味と仄かに蜂蜜のような甘味を感じ、余韻の潮の香りから、奥尻島のテロワールが感じられます。

優しい甘さとピリッと辛味のあるプーニムパップンカリーは、ほんのり甘いピノ・グリがおすすめです。このピノ・グリは奥尻島で栽培され、塩気のあるミネラルがあり、海産物であるソフトシェルクラブの風味と更によく合います。

* 原産国:日本
* 産地:北海道奥尻島
* 品種:ピノ・グリ
* 生産者:奥尻ワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

タイ料理は風味豊かで、甘味のある味付けのものも多く、そういった場合はワインもほんのり甘さを感じるものがよく合います。

ぜひ沢山食べて飲んで元気に夏を過ごしてください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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