ペアリングワイン

夏のアジアごはんに合うワイン

夏のアジアごはんで気分リフレッシュ!

暑い夏にはエスニック気分が高まって、お家で作ってみるという方も多いのではないでしょうか?

アジアごはんは案外簡単に作れますし、ちょっとした異国気分を味わうことで、良い気分転換にもなりますよ。

今回は、人気のアジアごはんと相性の良いワインを紹介させていただきます!

カオマンガイ

日本でも大人気のタイ料理カオマンガイは、茹でた鶏肉にスイートチリソースにご飯を添えたタイの代表的な料理です。

鶏肉を茹でる際には、ナンプラーやニンニクを少量加えたお湯で茹でます。米は鶏肉の出汁がたっぷりのゆで汁を使って炊き、鶏肉の旨味を染み込ませます。付け合せにキュウリやパクチーを添えれば完璧です!

相性の良いワインは、鶏肉の旨味やスイートチリソースとマッチするほんのり甘みのあるロゼワインです。

【貴腐菌が齎す上品な甘さのロゼ!】

▶︎ロゼ・ダンジュール・グロロー・グリ ドメーヌ・ド・ラ・サンソニエール

こちらのワインは、グロロー・グリを100%使ったピュアで上品な甘さのロゼワインです。

甘さの秘密は、この区画の畑ではブドウに貴腐菌が付くため独特な上品な甘さをワインに齎します。

通常、フィルターを一度するだけで、10%の量のワインを失ってしまいますが、亜硫酸を減らしつつ甘口に仕上げるために、フィルターの回数を増やしているそう。

造り手はビオディナミの伝道師ニコラ・ジョリーの愛弟子であり、自身もビオディナミを伝えるマルク・アンジェリ。

ワイン名のロゼ・ダン・ジュールは「在りし日のロゼ」という名で、AOCロゼ・ダンジュの品質主義ではない体制への反骨精神から生まれました。

商標登録し、在りし日のロゼの造り方やマルクの哲学を多くの生産者へと伝えています。

フランボワーズ、グレープフルーツ、ペタルローズ、紅茶の香り。ピュアで優しい甘さや果実味にミネラルと繊細でフレッシュな酸がしなやかに広がりスッキリと爽やかな余韻となります。

カオマンガイに合わせると、鶏肉の旨味に寄り添うのはもちろんのこと、ピリッと辛さがありながらも甘みがあるスイートチリソースの味わいに溶け込むようにワインの甘さがマッチします。

* 原産国:フランス
* 産地:ロワール
* 品種:グロロー・グリ
* 生産者:ドメーヌ・ド・ラ・サンソニエール
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:750ml

ガパオライス

最も有名なタイ料理と言っても過言ではないガパオライス。タイではどの家庭でも作られる国民食のようなものです。

ガパオとはバジルの種類のことで、ホーリーバジルのことを指します。

バジルと豚のひき肉を炒めてナンプラー、唐辛子、砂糖などを使って味付けします。ご飯を添えて、仕上げに目玉焼きをのせれば完成です。

相性の良いワインは、バジルの爽やかな風味を引き立て、甘辛い味付けに寄り添うミュスカの白ワインです。

【樹齢100年以上の滋味深いミュスカ!】

▶︎ミュスカ・セック・デ・ルマニス ル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオ

このワインは、個人的に大好きなドメーヌのル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオのミュスカを使った白ワインです。

樹齢100年以上の超古樹や、恐ろしいほどの収量制限を経て造り出されたワインは滋味深く、これ以上のミュスカを造る造り手は他に無いのではないかと思わされます。

白桃のシロップ、レモン、グレープフルーツ、カモミール、ヴァーベナ、フェンネルの芳しい香り。さらりとした液体ですが、旨味とミネラルがギュッと詰まっていて、フレッシュな酸がしなやかに広がり、スーっと身体へと染み渡ります。

ガパオライスを合わせることで、バジルの香りにワインのハーブの香りが重なって風味豊かに感じられ、甘辛い味付けにほんのりと甘いミュスカの味わいが同調します。

余韻をよりさっぱりとした味わいにしてくれるので次へ次へと箸が進みます。

* 原産国:フランス
* 産地:ラングドック
* 品種:ミュスカ
* 生産者:ル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

魯肉飯

魯肉飯ルーローファンは、台湾が誇るB級グルメ!豚バラ肉を八角、生姜、醤油、砂糖などを使ってトロトロに煮込み、ご飯の上にのせて食べるスパイシーで甘辛い味付けの屋台飯です。

相性の良いワインは、甘辛いソースの味わいに合わせて酸化熟成させた白ワインや、オレンジワインがおすすめです。

【ジューシーな果実味が甘辛いソースに合う!】

▶︎マセラシオン ドメーヌ・ド・ベル・ヴュー

こちらのワインは、ビオディナミ栽培で育ったピノ・グリを100%使ったオレンジワインです。辛口ではありますが、ほのかな果実の甘さが甘辛い味付けの料理におすすめです。

ザクロ、マンゴスチン、グレープフルーツ、桜餅の香り。ジューシーでピュアな果実味に、塩気のあるミネラル、グレープフルーツの薄皮を思わせるきめ細やかなタンニン、瑞々しくフレッシュな酸がしなやかに広がります。

オレンジワインですがタンニンは繊細で柔らかく、旨味エキスはしっかりと感じられます。魯肉飯の甘辛い味付けの豚肉とワインのもつ旨味が相乗効果でより濃く感じられ、何とも後引く美味しさです。

* 原産国:フランス
* 産地:ロワール
* 品種:ピノ・グリ
* 生産者:ドメーヌ・ド・ベル・ヴュー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

今年の夏は、アジアごはんとワインのペアリングでしか味わえない新しい風味を感じてみるのはいかがでしょうか?

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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