ペアリングワイン

ニュージーランドにある小さな街から生まれた最高のソーヴィニヨン・ブランとスモークサーモン

ニュージーランドは首都のウェリントン。そこからさらに北東に車で1時間ほど進んだところにある“マーティンボロ”という町の名前は聞いたことがあるでしょうか?

人口1600人ほどのとても小さな町ですが(何とびっくり、靴下も売っていませんでした)ワイナリーの数はなんと20以上。

フランスのブルゴーニュ地方と似た土壌をもつワイン造りに適した土地で、受賞歴のあるワイナリーも多くあり、専門家の評価も高いワインの街なのです。

日本に住んでいると、ワインを好きな方でもあまり名前を聞くことはないでしょう。ニュージーランドのワイン産地は?と聞かれると、大体の方がマールボロやネイピアを挙げると思います。

それもそのはず、この街のワイン生産量はニュージーランドのワイン生産量のわずか3%。中には、醸造するワイナリーでしか手に入らないワインもあるほどです。

人口でも想像できるかと思いますが本当に小さな町で、ほとんどを徒歩や自転車でいくことができます。体力さえあれば1日に5軒以上テイスティングにいくことが出来てしまう、ワイン好きにはたまらない町なのです。

また、11月に1日だけ行われるワインフェスティバルには世界中から1万人が訪れ、首からグラスを下げて1日中ワインと音楽を楽しむことが出来ます。

そのフェスティバルで私が1番大好きになったワイナリー “Ata Rangi(アタ・ランギ)” 。ここのソーヴィニヨン・ブランとスモークサーモンのペアリングをご紹介します。

【アタ・ランギ】ラランガ ソーヴィニョン・ブラン

▶︎アタ・ランギ ラランガ ソーヴィニョン・ブラン

RARANGA(ラランガ)とはマオリ語で「織物」を意味します。色はグリーンがかっている金色。(写真がなくてすみません。ワクワクが勝ち、飲み終わってから撮り忘れに気がつきました。)

グラスを近づけた瞬間、柑橘系と花の爽やかさと桃のような甘い香りが広がり、その後から樽香も。口当たりはパンチが効いています。この口当たりは、人によってはスパイスを感じ過ぎてしまうくらいの強いものでしたが(思わず、お!?と声が出ました)私個人としてはとても好きです。

つまみがなくてもこのワイン単体で楽しめる力強さを感じました。また2口3口と飲み進めていくうちにスパイスの強さよりも、メロンのような甘みを感じ、まろやかになっていきます。

1口目と2口目の印象がだいぶ変わり、適度な酸味と果実の甘い香りのバランスが心地よいワインです。

飲み終わった後も長く果実味と樽の香りの余韻が続きました。

このワインには、店員さんのおすすめでスモークしたサーモンをペアリング。これが最高で、スモーク効果で甘みを増したサーモンとコクのあるワインがベストマッチでした。

このワインはフレッシュな魚よりも、調理をされたしっかりした味の方が合うと思います。コクの強いワインなので、それに負けない料理が合う印象です。

このサーモンのしたには大根のような歯触りのしっかりした野菜(なんの野菜かはわかりませんでした)がひかれており、食感を楽しめます。合間に食べると口の中がリフレッシュされ、その後に飲むワインをクリアに感じることが出来ました。

クリーミーなソースはサーモンの甘さを引き立てており、ワインとの相性が抜群でした。また、ワインの温度はおそらく10度くらい。風味豊かなワインなので少し温度高いかな?くらいが1番美味しくいただけるはずです。

熱々のサーモンに合わせるにもこのくらいがちょうど口の中が気持ちよく感じます。しかし、自宅でこのクオリティの再現はなかなか難しいですよね。

まだ試してはいませんが、おそらく焼いた鮭に市販のタルタルソースをかけてレモンを絞ったものと合わせるのが良いかな、と妄想しております。

ちなみに、今回ご紹介させていただいたこのスモークサーモンは、ウェリントンにあるインターコンチネンタルホテルの1階にあるカメレオンというレストランでいただくことが出来ます。

インターコンチネンタルホテルというと少し緊張する方もいるかもしれませんが、ガラス張りで開放感のある店内はカジュアルダウンしており、気兼ねなく食事を楽しめます。ジーンズの方や肩を出している女性も見受けらました。

ニュージーランドの夏は日が長いので、太陽が入る店内はとても明るく、またスタッフのみなさんがとても陽気なので、ワインと料理をより美味しく感じることが出来ました。

日本人のスタッフさんもいるので英語に自信がなくても大丈夫です。バーコーナーもあるので、お腹が空いていなくてもワインを楽しむことが可能です。

アタ・ランギについて

アタ・ランギはマーティンボロの中で1番古いワイナリー。意味はマオリ語で「新しい始まり」「夜明けの空」です。

このアタ・ランギのピノ・ノワールは、ニュージーランドのロマネコンティと呼ばれており、とても高い評価を得ています。

ウェリントンで開かれるインターナショナル ピノ・ノワール2010で、ニュージーランド ピノ・ノワールにおける「グラン・クリュ」「もっとも偉大な成長」と称される “Tipuranga Teitei oAotearoa”賞を受賞しました。

それは質・評価・知名度において、ニュージーランドのピノ・ノワールの発展・成長に大きく貢献したことを表彰したものです。

また、アタ・ランギでは殺虫剤、化学肥料、除草剤などは使用せず、有機栽培と一部バイオダイナミック栽培を取り入れています。

アタ・ランギの畑はニュージーランドのオーガニック認証機関「バイオグロ」の認証を受けました。

アタ・ランギのテイスティングには予約が必須で、1日に2回、1回10名までと徹底されています。

その代わり、テイスティングするだけではなく、畑の案内から歴史まで説明してくれます。そして、とても丁寧な説明をしてくれるにも関わらず、テイスティングはなんと無料です。

もちろん実際に行き、現地の空気を感じながらいただくワインは格別ですが、気軽に行ける場所ではありません。

しかし!アタ・ランギのワインは日本でも購入することができますので、ぜひご自宅で楽しんでみてください。

その時のおつまみにはぜひ鮭を焼いてタルタルソースを用意して。

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新宮

血液がワインでできている27歳。
銀座にてホステス5年半、現在はワーキングホリデー制度を利用し、ニュージーランドへ美味しいワインに出会う旅中。
ヴィンヤードでワインの苗を植えたり剪定したり、ワイナリーに行ってワイン飲んだりしています。 新宮の記事一覧 

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