ペアリングワイン

ニュージーランド3年に一度の「ピノ・ノワール会議」

ニュージーランドでは、3年に一度「Pinot Noir New Zealand」というピノ・ノワールにスポットを当てたワイン会議が行われます。

ワイン会議とは、一言でいえば「進化を遂げるニュージーランドピノ・ノワールのお披露目協議会」。

今回は「Pinot Noir New Zealand」をご紹介し、今飲んで欲しい!おすすめのニュージーランドピノ・ノワールを厳選して2つご紹介します。

Pinot Noir New Zealandとは

Pinot Noir New Zealandが始まったのは2001年のこと。このイベントは同じく新世界でピノ・ノワールの栽培に成功したアメリオレゴンで行われる「インターナショナル・ピノ・ノワール・セレブレーション」をお手本に始まったといわれています。

©︎2017 Pinot Noir NZ

世界中の著名ワイン評論家やエキスパートなど500人以上のゲストが集まり、このイベントのために特別に用意された3,000本のワインを試飲します。そして、ニュージーランドのワイン造りに関する技術発展などが発表されます。

特にサスティナブルなブドウ栽培・ワイン醸造に関する講演は毎年盛んに行われ、エコ推進国であるニュージーランドがワイン造りにおいて世界のお手本となる場面です。

2017年度の Pinot Noir New Zealandでは、アメリカのロック歌手でありワインメーカーでもあるメイナード・ジェームス・キーナンと並んで、日本初のマスターオブワイン大橋健一さんが講演者として選ばれました。各国の評論家に国内の8つ地域から120人の生産者が加わり、ワイン造りについて熱いディベートが繰り広げられました。

©︎2017 Pinot Noir NZ

この会議の目的は「ニュージーランドピノ・ノワールの品質を世界に広めること」です。世界中から集まる評論家がニュージーランドワインについて評論するため、生産者は年々品質を上げるよう努力します。その結果、各ワインのクオリティが上がり「ニュージーランド ピノ・ノワール」の人気の底上げにもなっているのです。

3年越しに会議へ参加した評論家が、グレードアップしたニュージーランドワインを自国へ帰り広める。そうして少しずつではありますが、確実にニュージーランドピノ・ノワールの評価は上がっています。

100以上のワイナリーが参加するこの会議では、開催4日間で3,500万円近くを生み出すと言われています。このイベント期間中は街を上げてワインイベントを盛り上げます。開催地首都ウェリントンでは参加者がウェリントンお馴染みの「フラットホワイト」コーヒーを楽しんだりと、街には活気が溢れます。

ニュージーランドは、他のワイン産地と比べてまだまだ歴史が浅いですが、新参者だからこそできる様々なワインを盛り上げるイベントが地域や国をあげて催されています。

ニュージーランド ピノ・ノワールの魅力

©︎2020 NZW

「ブルゴーニュピノ・ノワールについて失望する点、それはワインを飲みたい人がそれを手に入れることができないことがある、ということです。それに比べニュージーランドのピノ・ノワールは、365日ボトルを見つけることができます。そして、その価格はNZ $ 57(約4000円)~です。」

2017年度のPinot Noir New Zealandである評論家がコメントした内容です。原産地ブルゴーニュを称えると同時に、ニュージーランドピノ・ノワールは日常的に楽しめるワインであることを皮肉交じりにアピールしています。

事実、ブルゴーニュのピノ・ノワールがどんなに好きな方でも、村名以上のワイン(ジュブレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネなどの高級ワイン)を日常ワインとして飲む方はほんの一握りですよね。

ブルゴーニュワインのように区画ごとにテロワールの違いを味わうとまではいきませんが、「手に届く価格帯でハイクオリティのワインが日常でも楽しめる!」というのがニュージーランドワインの一番の魅力ではないでしょうか?

今、飲んで欲しい!ニュージーランド ピノ・ノワール

▶︎イーランズ・エステート ワインメーカーズ・リザーヴ ピノ・ノワール アワテレ・ヴァレー

・原産国:ニュージーランド
・産地:ギズボーン / 北島
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml

2016年ヴィンテージ、まさに今飲み頃を迎えたワインです!干しプレーンやプラムのように熟したベリーの香り、枯れた木の葉などの熟成香が感じられます。熟成により枯れてきた感もありますが、それに反して重厚さえ感じるワインです。

ワインの表現で「ビロード(絹のような)」という表現がありますが、このワインはまさにビロードのようなという表現がぴったりなワインです。

この味わいなら1万円弱出しても惜しくないなという程、コスパ最良のワインです!

▶︎グレイストーン ワイパラ ピノ・ノワール

・原産国:ニュージーランド
・産地:ワイパラ・ヴァレー / 南島
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml

少しボディに厚みがあるワインがお好みなら、グレイストーンのピノ・ノワールをどうぞ。

煮詰めたブルーベリーやプラムの濃縮した香り、ダークチョコレートやローストの香りもほんのり感じられます。口に含むと、スパイスのニュアンスと穏やかなタンニンが現れ非常に上品な味わいです。

ニュージーランドピノ・ノワールのバラエティの豊かさとポテンシャルの高さを感じさせてくれる1本です!

まとめ

2020年、ニュージーランドワインの輸出総額は20億に達し10年前の2010年と比較し輸出総額は2倍となりました。その成長率を支えているのが、着実かつ確実に世界中で評価の高さを勝ち取ってきた輸出量第二位のピノ・ノワールです。

まだまだ今後も世界的に評価が上がることが期待されるニュージーランドピノ・ノワール。これからも目が離せません!!少しでもニュージーランドピノ・ノワールに興味を持ったという方は、是非一度試してみてくださいね!

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高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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