ニュージーランド・産地別おすすめピノ・ノワールご紹介
暖かくなると、どうしても飲みたくなるワイン。それが、ピノ・ノワール。今回の記事では、ピノ・ノワールが飲みたくなった時に是非思い出してほしい、ニュージーランド・ピノ・ノワールワインを産地別にご紹介します。
ピノ・ノワール世界三大産地
ピノ・ノワールと言って外せないのは、もちろん原産地フランス・ブルゴーニュ地方。数名メートル離れただけの区画でも全く異なったテロワールを持ち、ピノ・ノワールを語る上では避けては通れない産地です。
味わいは、非常に繊細でエレガント。格付けワインに関しては、ワインをグラスに注いだ瞬間からその区画の特徴がはっきり現れ、繊細な味わいながら余韻まで長くそれぞれの個性が続きます。
次に、ところ変わってアメリカ・オレゴン州。実は、オレゴン州はブルゴーニュとほぼ同じ緯度に位置します。オレゴン州で本格的にワイン造りがはじまったのは1960年代。
1979年に行われた世界的なワインテイスティングの大会でオレゴンピノ・ノワールがトップ10に入ったことから、一気に注目を集めるようになりました。
味わいは、ピノ・ノワールらしい酸とエレガントさがありながらも、アメリカらしい樽使いのニュアンスが出ているのが特徴です。
そして、近年注目をされているのがニュージーランドです。2020年のワインエキスパート・テイスティング試験にも出題され、独自の産地個性を持ったピノ・ノワールとして認知されてきています。
ニュージーランドで本格的にピノ・ノワールの生産が始まったのは1987年。歴史は浅いながらも、果実味の芳醇さ、酸とタンニンのバランスがよく味わいのバランスがとれた高品質なものが揃います。
産地別おすすめピノ・ノワール
現在、ニュージーランド国内全体でピノ・ノワールは栽培されています。その生産量は全体量の7%と決して多くはありません。しかし、世界各国のワイン誌で高評価を獲得し、ニュージーランドワインの地位と認知度に一躍買っています。
また、4年に一度“Pinot noir NZ”というイベントが開催され、世界各国からワイン評論家やジャーナリストが集まります。このイベントを通じ、ピノ・ノワールを世界にPRしています。(次回は来年2022年2月15〜17日開催予定)
特に、下記でご紹介するワイラパパ、ネルソン、ノースカンタベリー、セントラルオタゴの4地域はそれぞれのテロワールがはっきり現れ、飲み比べするのにもおススメです。
ニュージーランド産地別おススメワイン4選
①ワイラパパ
4地域の中で唯一、北島に位置するワイラパパ(マーティンボロー含む)。首都ウェリントンから約1時間の場所に位置します。非常に小さな産地ながら、実力派ブティックワイナリーが揃います。
レッド~ブラックベリーの力強い果実味が特徴。フレンチオークをうまく使った複雑な味わいと、長くて上質なタンニンが印象的です。
《ワイララパおすすめピノ・ノワール》
▶︎ATA RANGI Pinot Noir MARTINBOROUGH
・ワイナリー: アタ・ランギ
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml
アタ・ランギは、ワイララパのパイオニア的存在のワイナリーです。ソムリエ(ワインエキスパート)試験の教本にも記載されている「旅行者が内緒で持ち帰ったロマネ・コンティの苗木を税関職員が没収し自分の畑に植えた」という逸話。この樹を分けてもらい、ワイナリーを始めたのが創業者クライヴ・ペイトンです。
ご紹介するワインは、上記、伝説のアベルクローンが40%ブレンドされた、最も古い果物の区画のみが使用された1本です。熟したプラムにゼラニウムや甘草などエキゾチックなニュアンス。口に含むと、やわらかいタンニンが現れ、非常に長い余韻が続きます。
②ネルソン
南島の北頭に位置し、タスマン海に面し海からの影響を受けた砂利の多い粘土質な土壌です。ネルソンもまたとても小さなワイン産地ですが、こだわりを持つブティックワイナリーが揃います。ソーヴィニヨンブランブランに次いで多くピノ・ノワールが生産されています。
《ネルソンおすすめピノ・ノワール》
▶︎Neudorf Tom's Block Pinot Noir
・ワイナリー: ヌイドルフ
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml
ヌイドルフは1979年に創業し、ネルソン地方の先駆者ワイナリーでありニュージーランドを代表するワイナリーです。「The Family of Twelve」というニュージーランドワインの輸出を引っ張るメンバーの一員でもあります。(ワイラパパ、アタ・ランギもメンバー)
ワインの特徴は、ブルーベリーやプラムのような果実味にマッシュルームなどのキノコ類、白コショウのようなスパイス感も加わります。口に含むと、優しい酸とタンニンが感じられ、中程度のボリュームがあります。
③ノースカンタベリー
南島の東海岸線の約200 kmに広がり、西には壮大なアルプス、東には広大な太平洋が広がります。この地域では、ピノ・ノワールの生産量が一番多く、次にソーヴィニヨン・ブランとなります。
ノースカンタベリーのピノ・ノワールの特徴は、繊細さを持ちながら骨格のしっかりしたボディ。香ばしさとスパイシーさを感じるミディアムボディの味わいです。
《ノースカンタベリーおすすめピノ・ノワール》
・ワイナリー:マウントフォード エステート
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml
日本人醸造家、小山竜宇さんが栽培・醸造に携わってきた(現在は小山ワインを設立され、マウントフォードはグループワイナリー)カンタベリーを代表するワイナリーです。
バイオダイナミック農法を取り入れ、収穫はすべて手摘み、ブドウの破砕は足踏みで行うなど、クラシックなワイン造りを貫いています。
ブルゴーニュスタイルを意識して造られた非常にエレガントなスタイルが特徴です。ご紹介するワインは、ブルーベリージャムのような果実味に、ドライハーブや乾いた土のニュアンスが広がります。繊細な酸が余韻まで続き、品のある味わいです。
④セントラルオタゴ
世界のワイン産地で最も南に位置すると言われるセントラルオタゴ地方。セントラルオタゴはピノ・ノワールの生産量が8割近くと、他地域と比べても圧倒的にピノ・ノワールの生産に適した地と言えるでしょう。
この地方で造られるピノ・ノワールは、フレッシュな赤果実の印象とフレッシュハーブのフレーバー、他地域に比べよりエレガントさを持ちます。
《セントラルオタゴおすすめピノ・ノワール》
▶︎Felton Road Pinot Noir Bannockburn
・ワイナリー: フェルトン・ロード
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml
フェルトン・ロードもまた、世界的に認められた実力を持つニュージーランドワインのリードワイナリーです。世界的に影響力を持つワイン・スペクテイター誌で、歴代ナンバーワン・ニュージーランドピノ・ノワールと謳われ、世界各国にファンが多くいます。
2002年以来、ワインは有機的かつバイオダイナミック農法でつくられています。ご紹介するワインは、4つの区画のブレンドです。しかし、この地のテロワールを十分に感じる個性が出ています。
ダークラズベリーのような濃縮した果実味、スミレや薔薇の花束のような甘美さとエレガントさを兼ね備えます。しなやかなタンニンが非常に心地良い味わいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ニュージーランドピノ・ノワールの魅力を余すことなくお伝えしたい!という気持ちのあまり少し長くなってしまいました。今回ご紹介したワインはどれを選んでもハズレがない、これぞ!というものばかりです。
産地別飲み比べ、またテロワール別の飲み比べなど、はっきりとした個性の飲み比べができるのは繊細なピノ・ノワールだからこそできるワインの楽しみ方ですね!
是非、次の機会にニュージーランドピノ・ノワールを試してみてくださいね。
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【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。
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