ペアリングワイン

アメリカ式ホリデーシーズンのおもてなしワインペアリング

人が集まる機会が多いホリデーシーズン。今年は大勢で集まることは難しいですが、アメリカでも11月末のサンクスギビングからクリスマス、ニューイヤーにかけて友人や家族と集う機会が多く、ワインが食卓を彩ります。

今回は、アメリカの定番冬のおもてなし料理とおすすめのワインペアリングをご紹介します。

前菜プレート × ロゼワイン

大きなプレートにチーズや生ハム、オリーブにフルーツやナッツ等がぎっしりと綺麗に並べられた前菜の盛り合わせボードは、アメリカの定番のおもてなし前菜メニューです。

塩味、酸味、苦味・・・と色々な味と食感が詰まっているので、ワインは受け幅が広いロゼ・スパークリングワインがおすすめです。スパークリングの泡で食欲もアップし、ロゼ色が見た目にも華やかでパーティにはぴったりですよ。

《おすすめロゼ・スパークリングワイン》

▶︎フランシス・コッポラ ソフィア ブリュット ロゼ モントレー・カウンティ

* 原産国:アメリカ
* 生産地:カリフォルニア州
* 生産者:フランシス・コッポラ
* 品種 :ピノ・ノワール、シャルドネ
* 容量 :750mℓ

ゴッドファーザー等で有名な映画監督のフランシス・コッポラ氏が所有するカリフォルニアのワイナリー。娘のソフィアの結婚式の為に作ったと言われるロゼ・スパークリングワインです。

軽やかで繊細な泡にイチゴやサクランボの様な赤い果実の香りが生ハムやチーズはもちろん、アメリカでよく食べられるフムス(ひよこ豆のペースト)やアボカドディップとの相性も抜群です。

プライムリブ・ロースト × バローロ

プライムクラス(最上級)のリブ(牛の背中部分の程よい霜降りがあるロース部分)を使ったローストビーフです。アメリカのホリデーシーズンの定番のメインメニューの1つです。

オーブンやフライパンでグリルしたお肉そのものの味を堪能できる味わいで、まさにアメリカ!という豪快なイメージですね。このシンプルなお肉料理に合わせるワインは北イタリアのバローロ村で作られるバローロがおすすめです。

アメリカなのにイタリアワイン?と思われるかもしれませんが、北イタリアワインは近年ニューヨーカーに大人気のワイン産地で、ご紹介するバローロは北イタリアを代表する赤ワインです。しっかりとした酸味と渋みそして果実味がある濃厚な味わいは、リブロースの旨味を引き立てます。

《おすすめバローロ》

▶︎バローロ パオロ・スカヴィーノ

* 原産国:イタリア
* 生産地:ピエモンテ州
* 生産者:パオロ・スカヴィーノ
* 品種 :ネッビオーロ
* 容量 :750mℓ

モダンバローロの代表と言われるパオロ・スカヴィーノ。バローロと一口に言えど、生産者にとって様々な味わいがありますが、彼らのバローロは繊細な酸味とぎゅっと凝縮した果実味が特徴。パワフルというよりエレガントなスタイルで、渋いワインが苦手だという方にもおすすめです。

ピーカン・パイ × 甘口赤ワイン

アメリカのホリデーシーズンのデザートには、パイがよく作られます。ピーカンナッツを使ったクラシックなパイは、NYの有名なステーキハウス、「ピーター・ルガー」の名物デザートとしても有名ですが、特にサンクスギビングやクリスマスに作られるホリデーシーズンのデザートメニューです。

少しねっとりとしていて、ナッツがゴロゴロと入った甘いパイには、甘口の赤ワインがおすすめです。甘口ながら、酸味と渋みをしっかりキープしたジンファンデルの甘口ワインは、ナッツの香ばしさとマッチし、不思議と後味もすっきりします。

《おすすめの甘口赤ワイン》

▶︎ダッシュ レイト・ハーヴェスト・ジンファンデル

* 原産国:アメリカ
* 生産地:カリフォルニア州
* 生産者:ダッシュ
* 品種 :ジンファンデル
* 容量 :375mℓ

レイトハーヴェスト(遅摘み)と言われる収穫期を遅らせてブドウの糖度を高める方法でドライフルーツの様に凝縮したブドウから作られる極甘口の赤ワインです。

ほのかに感じる樽の香りが、ピーカンナッツの香ばしさと合い、カリフォルニア州ソノマの涼しい気候によって保たれた高い酸味とタンニンにより後味がすっきり。一般的に甘口と言えば白ワインが多い中、少しユニークな赤ワインの甘口ワインです。

カジュアルなアメリカ式おもてなし

アメリカ家庭のおもてなしに呼ばれて気付いた事。それは何時間もかけて凝った料理を用意しなくても、シンプルなもので十分。キャンドルやテーブルナプキンでテーブルをコーディネートして、美味しいワインと共にゆっくりと大切な人たちとの時間を過ごすのがアメリカ流ホリデーシーズンのおもてなしです。

もちろん、特別な料理を作るのも楽しいですが、限られた時間でホストもゲストもリラックスして楽しめるのが合理的でアメリカらしいスタイルだな、といつも数日前から準備をしていて当日は疲れてしまう私には新鮮に感じました。

どうぞ温かいホリデーシーズンをお過ごしください。

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Mari Nomura

JSA Sommelier / WSET Level3
日本の大手ワイン輸入商社にて営業職として勤務後、2019年よりアメリカ、ニューヨーク在住。
ニューヨークのワインと食のトレンドやマーケットについて現地の情報を発信している。
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