ペアリングワイン

NY流!ピザとワインのペアリング

世界中から人が集まるニューヨーク。様々な食文化が発展して、国際色豊かな名物料理がありますがピザもその一つ。

もともとイタリア系移民が多いニューヨークですが、なんとアメリカでピザ発祥の地と言われており、ピッツェリアは星の数ほどあるのです。

ほとんどのお店が1枚切(スライス)で販売をしているので、おやつ代わりにペロっと食べているニューヨーカーの姿をよく見かけます。ニューヨークスタイルのピザと言われる薄い生地に縁がパリッとしているタイプ。そしてトッピングは基本的にシンプルです。

今回は、そんなニューヨークスタイルのピザに合うおすすめワインをご紹介します。

NYクラシック × GSM

どこのピザ屋さんにも置いてあるのが、「SLICE」(スライス)や「REGULAR」(レギュラー)等と言われる、トマトソースにフレッシュなモッツァレラチーズのみで焼き上げたシンプルなピザです。NYピザの典型的なクラシックスタイルで値段も手頃なことから個人的にも一番食べる種類です。

そんなシンプルなピザにおすすめするワインは、GSM。GSMとは、フランス、コート・デュ・ローヌ地方で作られるGrenecheグルナッシュ、Shirazシラーズ、Mourvèdreムールヴェードルをブレンドしたワインのことで、フランスだけでなくオーストラリアやアメリカなどでも広く作られています。

グルナッシュの果実感にシラーやムールヴェードルのスパイシーさがブレンドされたスタイルは、トマトソースの甘酸っぱさ、たっぷりとろけるモッツァレラのコクに相性が良く、ピザ1ピースとワイン1グラスで満足感のあるペアリングです。

《おすすめGSMワイン》

▶︎ジー・エス・エム

原産国:オーストラリア
生産地:バロッサ・バレー州
生産者:トルブレック
品種:グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル
容量:750ml

フランス、コート・デュ・ローヌ地方の古木を使い凝縮したワインを作るオーストラリアの生産者。グルナッシュの凝縮した果実感とペッパーの様なスパイスの香るしっかりしたボディを持つGSM。ピザを片手に、もう片方の手にGSMのグラスで、気分はすっかりニューヨーカーです。

ペパロニ(サラミ)× サンジョヴェーゼ

ペパロニとは、豚肉や牛肉を混ぜ、チリペッパーやパプリカパウダーで味付けしたものを乾燥熟成させたアメリカ風サラミのこと。ニューヨークのみならず、アメリカピザの定番のトッピングです。辛みのある独特な香りと噛むと感じる脂身が特徴。

そんなピリッとした後味が癖になる味わいのペパロニのピザには、イタリアのトスカーナ地方で作られるサンジョヴェーゼがおすすめです。サンジョヴェーゼの酸味がパペロニの脂身をまろやかにし、穏やかなタンニンがチーズと混ざり合い絶妙なバランスを生み出します。

《おすすめサンジョベーゼワイン》

▶︎キャンティ・クラシコ

原産国:イタリア
生産地:トスカーナ州
生産者:イゾレ・エ・オレ―ナ
品種:サンジョヴェーゼ、その他
容量:750ml

サンジョヴェーゼという品種を味わうにはぴったりのワインで、華やかなラズベリーの様な甘酸っぱい香りに、飲むとしっかりとした酸味を感じるキャンティ・クラシコ。するすると飲み心地の良い渋みが、ペパロニの脂身とぴりっとした後味にとても良く合います。

ホワイトソース × ペット・ナット

ホワイトソースがベースのピザにはペット・ナットがおすすめです。ペット・ナットとは「ペティアン・ナチュレル」(Petillant Naturel)の略称で、直訳すると「自然な微発砲」。自然派と言われる生産者達から生まれた微発砲ワインです。

通常のスパークリングワインに比べガス圧が低く、口当たりの優しい泡が特徴。シャンパーニュが晴れの日のスパークリングワインだとしたら、ペット・ナットはもっと日常的にカジュアルに飲む位置付けでしょう。クリーム系のソースに優しい泡が混ざり合い、爽やかな余韻に繋がります。ピザというカジュアルフードという点でもぴったりですね。

《おすすめペット・ナットワイン》

▶︎シュナン・ブラン ペティアン・ナチュレル

原産国:アメリカ
生産地:カリフォルニア州
生産者:ブロック・セラーズ
品種:シュナン・ブラン
容量:750ml

NYはじめ、アメリカで人気上昇中の若手醸造家。冷凍したラズベリーや若いイチゴの様な甘酸っぱい香りに、心地よい微発砲がスルスルと体に染み込んでいく微発砲ワインです。お値段はシャンパーニュ並みにしてしまうのが、カジュアルと言い切れないのですが、NYのピザ屋さんでもオンリストされており、今時のNYらしいペアリングです。

マルゲリータ × オレンジワイン

日本でも定番メニューですが、トマトソースにモッツァレラチーズ、バジルがトッピングされたものですね。NYのクラシックタイプと似ているのでGSMも合いますが、NYらしいペアリングワインはオレンジワイン。

こちらは実際ニューヨークのブルックリンにあるピッツェリア、LEOで体験したペアリングで、トマトソースとチーズのマイルドな味にバジルの鼻にぬける爽快感が、オレンジのちょっと苦味のある味わいとマッチしたのに驚きました。これまたニューヨークらしいペアリングです!
※オレンジワインとは、白ブドウを皮や種を取らずに発酵させる製法で作られたワインで、ブドウ皮や種に含まれる苦みや色が抽出されたワインに仕上がります。

《おすすめオレンジワイン》

▶︎アナトリーノ

原産国:イタリア
生産地:トスカーナ州
生産者:カルロ・タンガネッリ
品種:トレッビアーノ
容量:750ml

あひるのラベルが可愛いボトルはイタリアのオレンジワイン。レモンやオレンジピールの香りに、シェリーや紹興酒の様な酸化熟成した香り。香りのイメージからはあまり想像しにくいですが、シンプルなマルゲリータとマッチします。

自宅でピザとワインを

ピザ生地を作るのは少しパワーがいりますが、スーパーで販売しているピザ生地を使えばご家庭でも簡単にピザが作れますよね。もちろん、お店のピザは格別の味ですが、自分で作るピザも美味しいですよね。

あれもこれもとトッピングをのせなくても、シンプルで十分美味しいNY流ピザスタイル。ぜひ、ワインと共に楽しんでみてください。

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Mari Nomura

JSA Sommelier / WSET Level3
日本の大手ワイン輸入商社にて営業職として勤務後、2019年よりアメリカ、ニューヨーク在住。
ニューヨークのワインと食のトレンドやマーケットについて現地の情報を発信している。
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