ペアリングワイン

メリークリスマス!クリスマス料理に合うワイン

お家で楽しむクリスマス

日本では、レストランでクリスマスディナーを楽しむカップルやご夫婦が多くいますが、フランスではクリスマスはレストランではなく、それぞれのパートナーや家族とともに家で過ごします。レストランのスタッフもまた、それぞれの家族とともに過ごすことを大切にしているので、お店はお休みのところが多いです。

今年はお家でクリスマスを過ごされるという方も多いかと思います。クリスマス用のワインはもう決まりましたか?今回は、大切なパートナーや、家族とともに楽しみたいクリスマス料理と、相性の良いワインを紹介させていただきます。

フライドチキン

クリスマスの定番料理といえば、鶏肉料理です。特に小さなお子様がいる家庭はフライドチキンや唐揚げといった親しみやすい鶏肉料理を食べるという家庭が多いそう。香ばしく揚がったフライドチキンは、ワインも樽熟成の香ばしさがあるものがおすすめです。

この香ばしさを存分に味わい、油っぽくなりがちなフライドチキンには補完の関係で、酸をプラスするとよりバランスよく楽しめます。樽熟成で尚かつマロラクティック発酵せずに酸が豊かなシャンパーニュなどのスパークリングワインがおすすめです。

▶︎キュヴェ・パラディ アルフレッド・グラシアン

アルフレッド・グラシアンは、木樽発酵、旧樽熟成を行う特殊なメゾンです。好機的環境で発酵と熟成を行うことで、程よく空気と触れて複雑で芳醇な風味が齎されます。そして、マロラクティック発酵を行わないので、溌剌とした酸が舌の上を這うかのようにキレイに広がります。

フライドチキンと合わせると、香ばしい樽の風味が、チキンの香ばしさと同調し、レモンのような爽やかな柑橘の香りもあり、味わいをキュっと引き締めてくれます。

* 原産国:フランス
* 産地:シャンパーニュ
* 品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
* 生産者:アルフレッド・グラシアン
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ローストチキン

欧米のクリスマスのように七面鳥の丸焼きを食べる家庭は少なく、日本では鶏のもも肉のローストが定番です。

皮目はパリッと香ばしく、もも肉の柔らかくてジューシーな旨味に寄り添うような樽熟成で果実味の豊かな白ワインがおすすめです。

▶︎キスラー・ヴィンヤーズ キュヴェ・キャスリーン

樽熟成で果実味の豊かな白ワインは数あれど、クリスマスの食卓でメインディッシュと合わせたい主役級の白ワインはそう多くありません。キスラー・ヴィンヤーズは、カリフォルニアにおける『シャルドネの王』と称される造り手です。樽の風味が目立ち過ぎていたスタイルから、研ぎ澄まされて、テロワールを表現するように進化しています。

レモンコンフィや、リンゴのコンポートのような甘やかな果実味に、カスタード、アーモンドのキャラメリゼ、ヴァニラ、コーヒーなど樽由来の甘香ばしい香りが、鶏皮の焼き目の香ばしい香りと同調し、ジューシーな酸が鶏肉の旨味とともに増長し、口の中いっぱいに広がり、風味が豊かに感じられます。

近年カリフォルニアを悩ませている山火事の影響で、生産量がガクンと減っていて、残念ながら今後もより入手が難しくなることが予想されています。応援の意味でも、クリスマスに贅沢にキスラーはいかがでしょうか?

* 原産国:アメリカ
* 産地:カリフォルニア
* 品種:シャルドネ
* 生産者:キスラー・ヴィンヤーズ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ローストビーフ

豪華な印象のローストビーフはクリスマスの人気メニューです。薄く切り、柔らかい食感のお肉の良さを活かすために、合わせるワインもタンニンが柔らかく溶け込んだ上質な赤ワインがおすすめです。

▶︎ジョセフ・フェルプス インシグニア

ジョセフ・フェルプスのフラッグシップであるインシグニアは、カリフォルニアで最初に登場したボルドーブレンドのワインです。

ブラックベリーやブルーベリーのコンポート、チョコレート、ヴァニラなどの芳醇な香り、凝縮感のある果実味としなやかでシームレスな酸、豊富に溶け込んだタンニンなどが美しくまとまり、ベルベットのように滑らかに舌の上を這います。

ローストビーフにグレービーソースを添えて、このワインを合わせると、滑らかで上質なワインとお肉の柔らかい食感がマッチし、ほのかに甘さを感じさせる果実感がお肉やソースの甘さを格上げし、格段と旨味が豊かに感じられます。

重厚感のあるエチケットもムードがあり、クリスマス気分を盛り上げてくれます。

* 原産国:アメリカ
* 産地:カリフォルニア
* 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド、メルロ、マルベック
* 生産者:ジョセフ・フェルプス
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ビーフシチュー

意外にも、ご家庭でのクリスマスメニューで人気なのがビーフシチュー。合わせるワインは、旨味が溶け込んだビーフシチューの味わいに寄り添い、補完の関係で酸をプラスするミディアムボディの赤ワインがおすすめです。

▶︎アルマン・ルソー ジュヴレ・シャンベルタン

アルマン・ルソーのジュブレ・シャンベルタンは普通なら市場からすぐに姿を消してしまう程の人気ですが、現在の特殊な状況でレストランで消費されずに比較的入手しやすくなっています。この機会にいかがでしょうか?

ラズベリー、さくらんぼのコンポート、ローズ、スミレの花の砂糖漬け、鉄くぎ、紅茶などの華やかな香り、よく熟した赤系果実の果実味に、しなやかな酸、キメ細やかなタンニンがまとまりよく広がります。

ビーフシチューの柔らかなお肉や溶け込んだ旨味と、ワインの滑らかな質感や詰まったエキス感がマッチし、濃厚な味わいにワインの酸が補完されバランス良く味わうことができます。

アルマン・ルソーは若いヴィンテージのものは閉じていることが多いので、表面積の広いデキャンタへ飲む1時間前には移し替えると、開いて美味しくいただけます。

* 原産国:フランス
* 産地:ブルゴーニュ
* 品種:ピノ・ノワール
* 生産者:アルマン・ルソー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

お家で過ごすクリスマスは、大切な方々とともにワインを飲む素敵な機会になります。楽しいひとときをお過ごしください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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