ペアリングワイン

現地で人気!おすすめワインペアリング~ネッビオーロ編~

ネッビオーロは、イタリアのピエモンテ州を中心に栽培されている黒ブドウ品種です。イタリアの高級ワインであるバローロとバルバレスコのブドウ品種として知られています。

今回は、ネッビオーロのペアリングについてご紹介します。

ネッビオーロとは

世界広しといえど、ネッビオーロはイタリア以外ではほとんど栽培されていません。また、イタリア国内でも、ピエモンテ州と、隣接するロンバルディア州、ヴァレ・ダオスタ州の一部と限定されています。それだけ繊細で栽培の難しい品種なのです。

ネッビオーロの名前は、「ネッビア(霧)」に由来します。ネッビオーロは晩熟の品種で、ほかのブドウに比べ収穫が遅くなります。イタリアは晩秋に霧が発生しやすく、ネッビオーロは霧が出る時期に収穫するためです。ブドウの皮に付着する酵母が、白っぽく霧のように見えるからという説もあります。

ネッビオーロのワインは、比較的明るい色で、オレンジがかったガーネット色を帯びています。バラのようなフラワリーな香り、チェリーのような果実味、カンゾウや胡椒のようなスパイス香が感じられます。しっかりした酸味とタンニンがあり、複雑な味わいの長熟タイプのワインです。

仔牛のローストとネッビオーロのペアリング

ネッビオーロといえば、偉大なバローロやバルバレスコがまず挙げられますが、価格的にもかなり高級になりますので、今回はもう少し親しみやすいネッビオーロをご紹介します。

「ランゲ ネッビオーロ」は、ネッビオーロ100%で造られます。シュゼッペ・マスカレッロは、1881年からワイン造りをおこなっている老舗ワイナリーで、バローロの「伝統派」の造り手として知られています。

ファミリー経営で、現在の当主は3代目のマウロ・マスカレット氏。彼の造るランゲ・ネッビオーロは、バローロに通じる果実味があり、優美な味わいです。

そんなエレガントなワインには、仔牛のローストをペアリングしましょう。牛肉のローストは、ピエモンテ州の伝統料理であり、秋冬には欠かせません。ジューシーな肉とワインのタンニンが口の中で出会うハーモニーをぜひ楽しんでください。

【仔牛のローストのレシピ】

▼材料(2人分)
仔牛のモモ肉…400g
パンチェッタ(ベーコン)スライス…20g
バター…30g
ニンジン…1/2本
玉ねぎ…1/2個
セージ…約10枚
ローズマリー…2本
白ワイン…1/2カップ
お湯…1/2カップ
塩胡椒…適量

▼作り方
①調理用タコ糸で肉をしばる。
②キャセロール鍋にバターを溶かし、①の両面を10分ほど焼く。
③塩胡椒をして、鍋から肉を取り出す。
④パンチェッタを③の鍋に入れ、パンチェッタの上に取り出した肉を置く。スライスした玉ねぎとニンジン、セージ、ローズマリー、白ワインとお湯を入れ、ふたをして約1時間弱火で煮込む。
⑤糸を外して、肉をスライスする。
⑥セージとローズマリーを取り除き、残った野菜はミキサーにかけ、ソースとして肉と一緒に盛りつける。

ラムのアグロドルチェとネッビオーロのペアリング

凝縮した味わいのネッビオーロには、しっかりとした味わいの料理をペアリングします。しっかしとした味わいといえば、ラム肉。クセのある肉ですが、アグロドルチェにすればクセもそれほど感じられません。

アグロドルチェとは、アグロ(酸っぱい)とドルチェ(甘い)の要素がある料理名で、バルサミコ酢やワインヴィネガーなどの酢と砂糖を使います。

ラムは、イタリアでは週末や記念日などに食されることの多いちょっと特別感のある肉です。ネッビオーロを飲みながら過ごす秋の夜長は至福の時間となるでしょう。

【ラムのアグロドルチェのレシピ】

▼材料(2人分)
ラムチョップ…300g
玉ねぎ…1個
ローズマリー…1本
白ワインヴィネガー…大さじ2
砂糖…大さじ1
水…約20ml
ミントの葉…約5枚
塩胡椒…適量

▼作り方
①フライパンにオリーブオイルを入れ、スライスした玉ねぎを中火で炒める。
②白ワインヴィネガーと砂糖を加え、玉ねぎがしんなりするまで炒める。
③別のフライパンを熱し、ラムチョップを強火で両面焼く。途中でローズマリーを加える。
④②に③を入れ、水を加え、ふたをして約5分蒸し焼きにする。
⑤火を止めて、ミントを加え、塩胡椒をする。

ペアリングしたいワインは、ルチアーノ・サンドローネの「ネッビオーロ・ダルバ」。ルチアーノ・サンドローネは、1978年に設立された「バローロ・ボーイズ」の先駆け的存在のワイナリーです。バローロ・ボーイズとは、伝統派に対するモダン派の生産者たちのことです。

偉大なワインであるバローロは、飲み頃になるまで10年以上と長い時間がかかるため、バローロ・ボーイズは、早く楽しむことができるよう「伝統」とは異なる醸造の手法を導入したのです。

具体的には、小樽を使用したり、醸しの期間を短くしたりということがあります。ルチアーノ・サンドローネのネッビオーロ・ダルバは、ベリー系の果実のアロマがあり、なめし革などのニュアンスも感じられ、やわらかな口当たりです。

まとめ

いかがでしたか?イタリアを代表するネッビオーロ。ぜひ肉料理とともに味わって、イタリアのペアリングを楽しんでみてください。

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太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
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